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3月公式戦 家庭婦人大会 5

 陽介はタイムアウトでメンバーに「普段の練習と違い、想像しなかった出来事でボールがコートに落ちたから動揺しているかもしれないけど、そんなことは放っておいて自分たちのプレーをしよう!、普段の練習の成果を10%出せれば絶対に勝てるから、心配しないで自分たちのプレーをしよう!、そのためには大きな声を出して自分たちでリズムを作って思いっきりプレーしよう!、それと追わないボールは一生拾えないよ!、皆なしっかりボールを追ってつなごう!、タイムアウト明けのサーブカットが重要だから」と言って、円陣を組みキャプテンのヨシちゃんに声を出させた。しかしその声は限りなく小さく覇気が足らない。陽介は遠慮なく掛け声をやり直させ、コートに送り出した。


 タイムアウト明けのサーブレシーブ、陽介が重要だと言って送り出した直後のサーブレシーブ、ミカサクラブの平凡なサーブを#6マメちゃんがはじいた。ボールはコートの外に向かったが、今度は#3キーちゃんがそのボールを必死に追う。気付けば全員がそのボールを追っていた。結果ボールにはさわれず失点をしたが、陽介はベンチから立ち上がり「ナイスファイト!、ナイスプレー!」と大きな声で拍手して皆を称えた。「そう、そこまでボールを追ってこそ永竹クラブのリズム。絶対に勝てるからこのまま行こう!」と声高らかに付け加えた。


永竹クラブ0-6ミカサクラブ


 まだまだ続くミカサクラブの平凡なサーブ。


 今度はバックセンター#3キーちゃんがレシーブ。セッター#18ユカちゃんがレフト#17よっちゃんにトス。


 陽介はここでベンチに座ったまま体育館全体に響き渡るような大声で「頑張れよっちゃん!、思いっきり打てぇ~!」と叫んだ。


 よっちゃんは思いっきり打った。目の覚めるようなアタックを打ち込んだ!ミカサクラブは誰も触ることが出来ない。よっちゃんは大喜び。自分でも信じられないようなアタックが相手コートに突き刺さったからだ。コートの中の何人かがよっちゃんに駆け寄ってハイタッチ。やっと笑顔が見れた。


永竹クラブ1-6ミカサクラブ


 永竹クラブのサーバーは、#3キーちゃん。


 陽介は「アウトになっても、ネットにかかってもいいから、思いっきり打て!」と指示をとばした。#3キーちゃんは小さくうなずいた。


 主審が吹笛、#3キーちゃんは思いっきりサーブを打った。そのサーブは鋭い軌道で相手コートに向かう。かすかにネットに触れた。


 第二サーブ(9人制は2回サーブを打てる)、今度は陽介が「キーちゃん、失敗して相手に無条件に点を与えないよう、人をねらって!」と指示を出す。#3キーちゃんはまた小さくうなずいた。


 #3キちゃんが打った第二サーブは相手のバックライトに向かって行ったが、バックライトのレシーバーは見送った。全員アウトかと思ったが、ラインズマンが旗を床に向かって下ろした。


 #3キーちゃんのサービスエース。全員胸を撫で下ろしながら#3キーちゃんとハイタッチ。


永竹クラブ2-6ミカサクラブ


 続けて#3キーちゃんのサーブ。今度は鋭いサーブが相手コートに突き刺さる。サービスエース。


永竹クラブ3-6ミカサクラブ


 #3キーちゃんの連続サーブ。


 打ち損なったサーブがミカサクラブのハーフセンターに向かった。


 ミカサクラブがレシーブ。そしてレフトにトス。レフトのアタッカーはバランスを崩し、右手の指先にボールを当てる。


 永竹クラブのライト#1ヨシちゃんと中衛ライト(ライトセミ)#11和気ちゃんのブロックの上を山なりに超え、永竹クラブのコートに落ちた。


永竹クラブ3-7ミカサクラブ

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