3月公式戦 家庭婦人大会 4
観客席で応援している人達から「オ~~」と声が上がり、ミカサクラブのメンバーが2コンタクト目をアンダーパスでアタッカーにトスを上げた。しかし、誰しもが予測していなかった状況に、ミカサクラブの動きがついて行かず、そのトスは大きく乱れ永竹クラブのコートに流れた。陽介は「良し!このチャンスボールもらった!」と、ベンチでほくそ笑んだ。
だが、あ~らビックリ!、永竹クラブのコートに入ってきたチャンスボールは、あっけなく永竹クラブのコートに落ちた。陽介はベンチの椅子から転げ落ちた。いったい何が起こったのか?永竹クラブのコートを見ると、9人全員が口を開けて『ポカン』としている。どうやら#9井口ちゃんのサーブが良く、絶対にサービスエースだと思い込み、すでに気を許していたため次の準備が出来ておらず、偶然が重なり2コンタクト目で自分のコートに入ってきたボールを、全員が見送ったとマネージャーの彩姉さんが説明した。
第一セット
永竹クラブ0-1ミカサクラブ
陽介はベンチを立ち上がり(当時の9人制ルールでは、1ラリーが終了して、主審が次のサーブ開始吹笛をするまでの間だけ、監督は席を立って指示をすることができた。勿論タイムアウト時やセット間は席を離れても問題はない)、コートにいる全員に「皆なもっと集中して!、もったいないよ!、大きな声を出して次のプレーに気持ちを切り替えて!」と指示した。皆なよほど今の出来事がショックであったのか、陽介の指示にうなずく者こそ数名いたものの、ほとんどが無表情であった。
サーブ権がミカサクラブに移り主審の吹笛があり、サーブが打たれた。
何の変哲もない平凡なサーブ。永竹クラブの実力からすればチャンスボールと言ってもいいサーブが、永竹クラブに向かって来た。
陽介はじめ全員が『もらった!』と思った次の瞬間、ハーフセンター#9井口ちゃんがレシーブをはじいた。メンバー皆が一番レシーブを頼りにしている#9井口ちゃんが、平凡なサーブをコートの外にはじいた。しかも普段の練習とは違い、誰もそのボールを追わない。
永竹クラブ0-2ミカサクラブ
連続してミカサクラブのサーブ。
永竹クラブは軽々とレシーブして#18セッターのユカちゃんがレフト#17よっちゃんにトス上げる。
#17よっちゃんは思いっきりフカシてアウト。
永竹クラブ0-3ミカサクラブ
さらに続くミカサクラブの平凡なサーブ。
今度はバックレフト#4川さんがレシーブしたが、乱れてレフト#17よっちゃんにハーフセンター#9井口ちゃんが二段トス。
多少ネットから離れたトスを#17よっちゃんがネットにかけ失点。
永竹クラブ0-4ミカサクラブ
終わらないミカサクラブの平凡なサーブ。
今度はしっかりレシーブしてセッター#18ユカちゃんがトスを中衛レフト(レフトセミ)#2ヤマちゃんに上げた。
やっと決まった。と思った瞬間、主審のジャッチはミカサクラブの得点。
#2ヤマちゃんがアタックを打った時、ネットタッチをしていた。負の連鎖は恐ろしい。
永竹クラブ0-5ミカサクラブ
陽介は、タイムアウトととった。




