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3月公式戦 家庭婦人大会 2

 迎えた試合当日、永竹クラブの初戦はAコート第二試合。続いての試合は第四試合、4チームの変則リーグ戦の予選を勝ち抜くと、Bコート1位のチームと決勝戦を行う。(この時はA・Bの2面で、予選を行った)


 試合の前に大会開会式、選手宣誓、大会競技ルールなどが9時30分からあり、第一試合のプロトコール(試合開始手続き)は9時50分からの予定であった。


 永竹クラブは当日の集合時間を、8時45分に設定していた。しかし遅刻常習犯がいて、開会式に全員が揃わないことがよくあった。この時もご多分に漏れず2名遅刻者がいた。もちろんママさんバレーの現場でるので、家庭の事情などでやむを得ず遅刻する者もいるが、そうした遅刻者は別として、この時の遅刻者はスターターの、背番号17・前衛レフト(エースポジション)のよっちゃんと背番号9・ハーフセンターの井口ちゃんの2人だった。井口ちゃんの遅刻は相当に常習で、大御所もかなり不愉快な様子で「またあの子なの?」と言うほどだったが、よっちゃんの遅刻は珍しいことだったようだ。


 しかし、遅刻の理由を聞いた大御所は、かなりお怒りで、よっちゃんを会場外の廊下に呼び出し「あなたは、今日の試合で、エースのポジションじゃないの?だとしたら、今日の優先順位がどういうことなのか少し考えて行動しないと、遅刻の言い訳を正直に言うのもいいけど、皆な呆れて試合どころじゃなくなっちゃうわよ!今後このようなことがないように!」と意見した。


 陽介は、よっちゃんがかなり神妙な態度で大御所の意見を聞いていたので、話しが終わった後こっそりと遅刻の理由を聞いた。よっちゃんが言うには「私も初めてのエースポジションでスターターだから、一生懸命頑張らないとと色々考えていたら、チームの皆にも気を遣わなくちゃ!って結論になって、朝家族に食事を作った後、美味しいコーヒーをポットに入れて、紙コップやクリームや砂糖、スプーンを用意してたら集合時間を過ぎちゃたのよ」とのことだった。


 もう少し上手な言い訳をすれば良いのに、なるほど、これでは大御所も意見するわな!と陽介も思った。よっちゃんは馬力があって、性格も明るく、最近頭角を現しエースのポジションを任されるようになったのだが、どこか世間とずれている人であった。


 陽介は、チームが一つになりかけている時に、井口ちゃんやよっちゃんの遅刻が、悪い方向に影響しないか心配になった。ママさんバレーチームは、些細なことでもめごとをおこすプロの集団なので、本気で心配した。


 よっちゃんは、陽介の心配をよそに、「陽ちゃん、美味しいコーヒー飲む?今入れるから!」と陽介に言った。陽介はあれだけ大御所に意見されても、くじけないのは凄いなと思いながら、ひきつった面持ちで「ありがとう!いただきます」と言ったが、内心は「こいつ、大御所の意見を絶対に右から左にスルーしたな!」と思った。

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