これで『これからの時間』は完結。陽介の教訓は…。
陽介と永竹クラブの挑戦は終わった。
思えば生活習慣病を克服するために、体を動かそうと約20年ぶりに始めたバレーボールだったが、結局は血が騒いでしまい深みにはまってしまった。
しかし陽介の人生において、素晴らしい経験もさせてもらった。
ここに、世間で『弱小ママさんバレーボールチーム』の監督をやりたいと考えている男子の皆さんに、陽介が経験したことを基に教訓を記しておきたい。
・9人制バレーボールを侮るなかれ!
・9人制バレーボールは奥が深い。ルールを熟知し先ずは自らプレーを経験すべし。
『やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば人は動かじ』
『話し合い、耳を傾け承認し、任せてやらねば人は育たず』
『やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば人は実らず』
山本五十六元帥の格言を心すべし。
・『弱小ママさんバレーボールチーム』を指導するには、覚悟してかかれ!
・特に監督するチームが地元で、チーム構成員に自分より年上が多い場合は、必要以上に気を遣
え。
・自分が全日本選手級だと、本気で勘違いしている人間を現実に戻せ。『思い込みと、勘違い』オ
バサンの二大要素を崩せ。
・小学生や中学生と違い、人生を経験して来た者は、一から指導しても素直に気持ちや体が反応し
ない。小学生や中学生は一からの指導を本当に素直に受け入れる。それはバレーボールに対し何
も知らないし体も動くからである。したがって上達も早い。
だが人生を経験して来た者は、一からの指導をたやすくは受け入れない。自分の文化が指導する
者の物言いや動作を素直に受け入れる事を邪魔する。受け入れたとしてもその場は出来ても或い
はやろうとしても、一日経てば元の状態に戻る。それは受け入れたくとも先ずは体が動かない。
そして小学生や中学生と違い、生きて来た過程で体が楽になることを覚えているからだ。
基礎的な動作は体にとってキツイが、その場は出来ても次の練習日には体が楽な方向に動こうと
して結局は元の状態に戻ってしまう。そして、必ず言い訳をし始める。
故に、負けない心と信念を持って、繰り返し指導を続けなければならない。
そして、一言言えば十言返って来ることを覚悟しなければならない。バレーボールの事で指導を
したつもりでも、会社や家庭のことを含め様々な言い訳が返って来る。それを耐えなければなら
ない。
・『弱小ママさんバレーボールチーム』は技術力の高い者はほぼいない。したがってハッキリ言っ
てプレーは下手である。だから出来ることを一生懸命練習させるべし。(例えばサーブの強化・
オーバーやアンダーパスの強化等)ネットプレー等の高度な技術は、初心者レベルの者に習得さ
せるには練習時間が短すぎると知れ。
・そのチーム全員で目標を決めさせ、その目標に向かって進めるように指導すること。ただしその
目標が指導者にとって馴染まないと判断した場合は、とっとと身を引け。
・チーム内のもめごとに、指導者は関わるなかれ。
・飲み会の参加は、ほどほどにしておけ!
・飲み会に参加するな!とは言わない。しかし指導する側とされる側の共通話題はバレーボールに
なることが多い。ボールの無い所でバレーボールの話しをすると、必ず険悪な空気になる。バレ
ーボールの話しをするときはボールのある所(体育館など)で話すべし。
・飲み会に参加するときは、自分よりママさんバレーの構成員のほうが絶対に酒に強いことを前提
に飲むべし。調子にのって飲んでいると必ず潰されると知れ。
・話題が家庭の話しになったら、とっとと身を引け!。身を引かずに話に参加していると必ず墓穴
を掘る。嫌な思いをしたくなければ、家庭の話しにはかかわるな!
・『弱小ママさんバレーボールチーム』にとって、飲み会は『主戦場』。たまには理解をしてや
れ。
・『弱小ママさんバレーボールチーム』を指導して、かかえたストレスは家庭に持ち込むな!
・奥方が勝負にこだわるバレーボール経験者ならばともかく、そうでない場合は絶対に家庭で愚痴
をこぼすな!指導する側は情熱を持って真剣にチームを指導している。時と場合によるとそれが
もとで大喧嘩になる。また家庭婦人の資格を要する構成員が相手でも、相手は一応女性。火の無
い所に煙が立つこともある。余計な話は家庭でしないに限る。
・辞める時は、あっさりと素早く行動しろ! そして感謝の気持ちを持て。
・チームを去る時は、事情を説明し素早く辞めろ。チームの話しを聞き出すと面倒になる。
・チームを去る時は、それまで経験させてもらったことに感謝の気持ちを持て。
以上陽介が永竹クラブで経験した教訓の一部を、あくまでも陽介の主観で記載したが、『弱小ママさんバレーボールチーム』をこれから指導したいと思っている方や今も指導している方が、参考程度に気にして頂けると幸いである。
これで『これからの時間』は、完結。
陽介の次の奮闘にご期待下さい。