かつてない練習の日々 3
一通り練習メニューを伝えた陽介は、なぜこうした練習をするのかについて、説明した。
「まず、本番の試合では、第一試合で無い限り、前の試合が終了後、次の試合のプロトコール(当該試合の開始手続き)まで、10分~15分です。したがって、それまでに試合の体を作らなくてはなりません。ウォーミングアップはコートの外でやるにしても、この練習メニューは試合当日のコートを利用できる時間内に、また引き続き行われる公式練習時間3分の間内に、試合の体を作るためのものです。」と。
さらに陽介は、「この一連の練習メニューをこなして行けるようになれば、一つのリズムが出来て、試合に入りやすくなるはすです。」と続けた。しかしこの練習は、時間が短いので集中してやらないと意味がないこと、次の練習に移る時は、走って移ること、またメンバー全員が参加する練習が多くなるので、練習中に転がってしまうボールのケアも、練習以上に重要だと諭した。
そして、一連の練習が終わり、1分~2分休憩をしてから、あらためて次の練習に入ることを、伝えた。
陽介は説明を終え、「時間も無いので、早速ウォーミングアップから始めま~す!」と、ホイッスルを吹き練習をスタートさせた。
しかし、陽介の話しを理解したのかしないのか、ウォーミングアップ1種目目の『ダッシュ』は、誰が見てもジョギングだった。陽介はすぐにホイッスルを吹いて動作を止め、「皆な、僕の話しを理解してますか?僕は短い時間しかないから、集中してやりましょう!と言ったんですよ。もう一度『ダッシュ』からやり直しましょう!」と、指示した。
新しい練習メニューを始めた初日、メンバーは嫌々ながらではあったが、一応一連の練習を終えた。
練習後、勝つために、そして勝ってのみ味わえる、歓び・楽しさを感じるために、一緒に頑張りましょうと、陽介が総括をしているとき、あのヨシちゃん(中華料理屋で大活躍、象アザラシ)が、またもやかき回す発言をし、物議を醸し出す。




