都大会 11 やはり強かったHクラブ6
Hクラブのサーブ。
永竹クラブは、バックセンター#10芦さんがレシーブ。バックライト#9井口ちゃん側にはじいたボールを#9井口ちゃんがレフト#2ヤマちゃんに二段トス。
だがネットから離れた二段トスを#2ヤマちゃんが打ち切れず、チャンスボールで返した。
Hクラブは全員が「チャンス!チャンス!」と言いながら攻撃の体勢に入った。
相変わらずレフトアタッカーを残し、4人が速攻に入る形だ。
バックセンターがオーバーでセッターにパス。セッターは中衛レフトにBクイックのトスを上げ決めた。
永竹クラブ11-13Hクラブ
Hクラブのサーブが続く。
今度もバックセンター#10芦さんがレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、Hクラブの3枚ブロック目がけアタックを打った。
Hクラブはブロックに入っているハーフセンターがブロックヒット。
ボールは永竹クラブコート中程に強く返って来た。
しかしそのボールをハーフセンター#16イソちゃんが、ナイスホロー。コートレフト側後方に上がったボールを、バックレフト#4丘ちゃんがライト#1ヨシちゃんに再び二段トスを上げた。
#1ヨシちゃんは、やや離れた二段トスをHクラブの3枚ブロックに軽く当てリバウンドをとった。
そしてそのリバウンドを#19イケさんがバックライト#9井口ちゃんにアンダーで丁寧にパス。
#9井口ちゃんは、中衛レフト#8青ちゃんに二段トスを上げた。
#8青ちゃんは、永竹クラブの3枚ブロック目がけアタックを思いっきり打つと見せかけて、Hクラブコートライト側奥にボールを押し込んだ。
Hクラブは、強打を予想していたため#8青ちゃんの軟攻に慌ててバックセンターが走って行き、最後はフライングレシーブでボールを上げた。そしてバックライトがつなぎ3コンタクト目を一緒に追っていた中衛ライトがチャンスボールで返した。
このプレーに、観客席と観戦者から拍手が巻き起こった。
永竹クラブは、バックレフト#4丘ちゃんがオーバーでセッター#3キーちゃんにパス。#3キーちゃんはレフト#2ヤマちゃんに丁寧にトスを上げた。
しかしそのトスはネットに近かった。
#2ヤマちゃんは、Hクラブの3枚ブロックを利用しようと右手を精一杯伸ばし押し込んだ。
ここで主審の吹笛。
#2ヤマちゃんのネットタッチの反則だ。
永竹クラブ11-14Hクラブ
皆な#2ヤマちゃんのところに集まって、「ドンマイ!」と言って各ポジションに戻った。
この後代わったバックセンター#10芦さんが狙われ、4連続サービスエースを許した。
永竹クラブ11-18Hクラブ
陽介は、流れを変えるためにも、また選手を休ませるためにもタイムアウトをとりたかったが、不測の事態だったとはいえ、既に2回のタイムアウトをさらにメンバーチェンジも3回使い果たしていた。
陽介が万策尽きたかと思っていたその時、コーチ登録の三輪さんがベンチを立ち上がり「皆な~!、ここで踏ん張らなきゃ今まで練習して来た意味がないよ~!、下を向かないで次のセットにつなげなきゃぁ~!!!」と、コートに向かって叫んだ。
普段物静かな大御所の一声に我に返った面々は、ベンチメンバーもコートメンバーもあらためて大きな声を出しながら、「集中!、集中!、最後まで頑張ろう!」と言って、Hクラブのサーブを待った。
と、ここで主審がキャプテン#1ヨシちゃんを呼びつけた。
一言・二言主審が#1ヨシちゃんに話すと、#1ヨシちゃんがベンチに向かって走って来た。
#1ヨシちゃんは、「コーチは試合中ベンチを立ち上がって指示を出すことは出来ません。今度同じ状況を確認したらイエローカードを出しますから、ベンチに伝えるように。」だって。と笑顔で言った。
陽介は主審に向かって右手を上げ「分かりました!」と意思を示し、軽く頭を下げた。
だが何が幸いするか分からない。
この間が永竹クラブには良いように働いた。
Hクラブのサーブが続く。
永竹クラブは、狙われているバックセンター#10芦さんがレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、Hクラブの3枚ブロック目がけ渾身の力でアタックを打ち、ブロックアウトをとった。
全員が#1ヨシちゃんの所に行きハイタッチ。
この試合を楽しんでいた時の永竹クラブが戻って来た。
永竹クラブ12-18Hクラブ
永竹クラブのサーバーは、キャプテン#1ヨシちゃん。#10芦さんが前衛ライトにポジションする。
永竹クラブの攻撃としては、事実上レフト#2ヤマちゃん・中衛レフト青ちゃんの2枚となるが、#10芦さんがアタックを苦手としていることを、ありがたいことにHクラブはまだ知らない。
陽介は点数を見て、「サーブで勝負する時だよー!」と大きな声を#1ヨシちゃんにかけた。
#1ヨシちゃんは軽くうなずき、強烈なサーブで勝負に出た。
Hクラブは、バックライトがレシーブするもサーブの勢いに負けボールを後ろにはじいた。
#1ヨシちゃんのサービスエース。
全員が「ラッキー!、ヨシちゃんナイスサーブ!」と言ってガッツポーズ。
永竹クラブ13-18Hクラブ
#1ヨシちゃんの強烈なサーブが続く。
Hクラブは、バックセンターがサーブカットを試みるも勢いに押され後ろにはじいた。
#1ヨシちゃんの連続サービスエース。皆なガッツポーズ。
永竹クラブ14ー18Hクラブ
そして#1ヨシちゃんの勝負サーブは、この後3連続サービスエースをとった。
永竹クラブ17ー18Hクラブ
Hクラブは、タイムアウトを要求した。
ベンチに戻って来たメンバーは、「このまま行こう!、ナイスサーブ!」と口々に発し、自らを鼓舞していた。
陽介は、「勝負所だから、集中して頑張ろう!」と言って、円陣を組みキャプテン#1ヨシちゃんに声がけをさせて、コートに送り出した。
タイムアウト明け、#1ヨシちゃんのサーブが続く。
しかし勝負のサーブは、2本共ネットにかかり失敗。
永竹クラブ17ー19Hクラブ
Hクラブのサーブ。
またもやバックセンター#10芦さんが狙われた。
#10芦さんは必死にレシーブしたが、健闘むなしくこのあとのサーブもエースをとられた。
Hクラブの2連続サービスで、このセットHクラブが取り返した。
永竹クラブ17-21Hクラブ
セットカウント1-1。