表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

352/377

都大会 11 やはり強かったHクラブ6

 Hクラブのサーブ。


 永竹クラブは、バックセンター#10芦さんがレシーブ。バックライト#9井口ちゃん側にはじいたボールを#9井口ちゃんがレフト#2ヤマちゃんに二段トス。


 だがネットから離れた二段トスを#2ヤマちゃんが打ち切れず、チャンスボールで返した。


 Hクラブは全員が「チャンス!チャンス!」と言いながら攻撃の体勢に入った。


 相変わらずレフトアタッカーを残し、4人が速攻に入る形だ。


 バックセンターがオーバーでセッターにパス。セッターは中衛レフトにBクイックのトスを上げ決めた。


永竹クラブ11-13Hクラブ


 Hクラブのサーブが続く。


 今度もバックセンター#10芦さんがレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。


 #1ヨシちゃんは、Hクラブの3枚ブロック目がけアタックを打った。


 Hクラブはブロックに入っているハーフセンターがブロックヒット。


 ボールは永竹クラブコート中程に強く返って来た。


 しかしそのボールをハーフセンター#16イソちゃんが、ナイスホロー。コートレフト側後方に上がったボールを、バックレフト#4丘ちゃんがライト#1ヨシちゃんに再び二段トスを上げた。


 #1ヨシちゃんは、やや離れた二段トスをHクラブの3枚ブロックに軽く当てリバウンドをとった。


 そしてそのリバウンドを#19イケさんがバックライト#9井口ちゃんにアンダーで丁寧にパス。


 #9井口ちゃんは、中衛レフト#8青ちゃんに二段トスを上げた。


 #8青ちゃんは、永竹クラブの3枚ブロック目がけアタックを思いっきり打つと見せかけて、Hクラブコートライト側奥にボールを押し込んだ。


 Hクラブは、強打を予想していたため#8青ちゃんの軟攻に慌ててバックセンターが走って行き、最後はフライングレシーブでボールを上げた。そしてバックライトがつなぎ3コンタクト目を一緒に追っていた中衛ライトがチャンスボールで返した。


 このプレーに、観客席と観戦者から拍手が巻き起こった。


 永竹クラブは、バックレフト#4丘ちゃんがオーバーでセッター#3キーちゃんにパス。#3キーちゃんはレフト#2ヤマちゃんに丁寧にトスを上げた。


 しかしそのトスはネットに近かった。


 #2ヤマちゃんは、Hクラブの3枚ブロックを利用しようと右手を精一杯伸ばし押し込んだ。


 ここで主審の吹笛。


 #2ヤマちゃんのネットタッチの反則だ。


永竹クラブ11-14Hクラブ


 皆な#2ヤマちゃんのところに集まって、「ドンマイ!」と言って各ポジションに戻った。


 この後代わったバックセンター#10芦さんが狙われ、4連続サービスエースを許した。


永竹クラブ11-18Hクラブ


 陽介は、流れを変えるためにも、また選手を休ませるためにもタイムアウトをとりたかったが、不測の事態だったとはいえ、既に2回のタイムアウトをさらにメンバーチェンジも3回使い果たしていた。


 陽介が万策尽きたかと思っていたその時、コーチ登録の三輪さんがベンチを立ち上がり「皆な~!、ここで踏ん張らなきゃ今まで練習して来た意味がないよ~!、下を向かないで次のセットにつなげなきゃぁ~!!!」と、コートに向かって叫んだ。


 普段物静かな大御所の一声に我に返った面々は、ベンチメンバーもコートメンバーもあらためて大きな声を出しながら、「集中!、集中!、最後まで頑張ろう!」と言って、Hクラブのサーブを待った。


 と、ここで主審がキャプテン#1ヨシちゃんを呼びつけた。


 一言・二言主審が#1ヨシちゃんに話すと、#1ヨシちゃんがベンチに向かって走って来た。


 #1ヨシちゃんは、「コーチは試合中ベンチを立ち上がって指示を出すことは出来ません。今度同じ状況を確認したらイエローカードを出しますから、ベンチに伝えるように。」だって。と笑顔で言った。


 陽介は主審に向かって右手を上げ「分かりました!」と意思を示し、軽く頭を下げた。


 だが何が幸いするか分からない。


 この間が永竹クラブには良いように働いた。


 Hクラブのサーブが続く。


 永竹クラブは、狙われているバックセンター#10芦さんがレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。


 #1ヨシちゃんは、Hクラブの3枚ブロック目がけ渾身の力でアタックを打ち、ブロックアウトをとった。


 全員が#1ヨシちゃんの所に行きハイタッチ。


 この試合を楽しんでいた時の永竹クラブが戻って来た。


永竹クラブ12-18Hクラブ


 永竹クラブのサーバーは、キャプテン#1ヨシちゃん。#10芦さんが前衛ライトにポジションする。


 永竹クラブの攻撃としては、事実上レフト#2ヤマちゃん・中衛レフト青ちゃんの2枚となるが、#10芦さんがアタックを苦手としていることを、ありがたいことにHクラブはまだ知らない。


 陽介は点数を見て、「サーブで勝負する時だよー!」と大きな声を#1ヨシちゃんにかけた。


 #1ヨシちゃんは軽くうなずき、強烈なサーブで勝負に出た。


 Hクラブは、バックライトがレシーブするもサーブの勢いに負けボールを後ろにはじいた。


 #1ヨシちゃんのサービスエース。


 全員が「ラッキー!、ヨシちゃんナイスサーブ!」と言ってガッツポーズ。


永竹クラブ13-18Hクラブ


 #1ヨシちゃんの強烈なサーブが続く。


 Hクラブは、バックセンターがサーブカットを試みるも勢いに押され後ろにはじいた。


 #1ヨシちゃんの連続サービスエース。皆なガッツポーズ。


永竹クラブ14ー18Hクラブ


 そして#1ヨシちゃんの勝負サーブは、この後3連続サービスエースをとった。


永竹クラブ17ー18Hクラブ


 Hクラブは、タイムアウトを要求した。


 ベンチに戻って来たメンバーは、「このまま行こう!、ナイスサーブ!」と口々に発し、自らを鼓舞していた。


 陽介は、「勝負所だから、集中して頑張ろう!」と言って、円陣を組みキャプテン#1ヨシちゃんに声がけをさせて、コートに送り出した。


 タイムアウト明け、#1ヨシちゃんのサーブが続く。


 しかし勝負のサーブは、2本共ネットにかかり失敗。


永竹クラブ17ー19Hクラブ


 Hクラブのサーブ。


 またもやバックセンター#10芦さんが狙われた。


 #10芦さんは必死にレシーブしたが、健闘むなしくこのあとのサーブもエースをとられた。


 Hクラブの2連続サービスで、このセットHクラブが取り返した。


永竹クラブ17-21Hクラブ


 セットカウント1-1。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ