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都大会 10 やはり強かったHクラブ5

 主審のサーブ許可の吹笛。


 #10芦さんは久しぶりの公式戦出場で、かなり緊張している様子だ。


 それでも気合を入れて、「ヤァー!」と声を出しながら思いっきりサーブを打った。


 しかしそのサーブは、気持ちとは裏腹に弱々しくネット中段に当たり、相手コートに届くことはなかった。


 第一サーブ失敗。


 続く第二サーブ。


 #10芦さんは、第一サーブを失敗したことで更に緊張した様子でガチガチの状態だった。


 そして突然アンダーサーブという、体育の授業でも最近ではお目にかかれない山なりの優しいサーブを打った。


 Hクラブは、前衛ライトが、まるでチャンスボールを扱うかのようにオーバーでサーブカット。ハーフセンターを含め5人の攻撃陣の内、レフトアタッカーだけを残し一斉に速攻に入った。


 セッターは、走り込んで来たハーフセンターにAクイックのトスを上げ、決めた。


永竹クラブ9-11Hクラブ


 陽介は、「さすがにそのサーブじゃ都大会では通用しないよ~」と天を仰ぎながら心で叫んだ。


 コート内の面々も、さすがに何か言いたいと見えて、アンダーサーブを打った#10芦さんの所に集まった。


 だが、陽介が予想していた言い分ではなく、皆なが笑いながら「OK!、OK!、切り替えて行こう!」と言って#10芦さんに接した。


 どうやら陽介が思っている以上に永竹クラブは成長しているようだ。


 いや、陽介より年上が多いのにこの物言いは失礼だったかも知れない。


 それにしても皆なが自分の事だけではなく、チームメイトの事を思い考え発したこの言葉は素晴らしい。


 陽介は都大会に出場出来たことに、かけがえのない意義を感じた。


 しかし今は試合中。感情に慕っている場合ではない。


 Hクラブのサーブ。


 永竹クラブは、ハーフセンター#16イソちゃんがその強烈なサーブをオーバーでカット。セッター#3キーちゃんはライト#1ヨシちゃんにトスを上げた。


 #1ヨシちゃんは、3枚ブロック目がけアタックを打った。


 Hクラブは、中衛ライトが「ワンチぃ~!」と大きな声を出したが、そのボールは永竹クラブコートに跳ね返った。


 永竹クラブは、ブロックホローに入っていた中衛ライト#19イケさんがアンダーでハーフセンター#16イソちゃんにパス。


 #16イソちゃんは、ライト#1ヨシちゃんに二段トスを上げた。


 #1ヨシちゃんは、少し離れた二段トスをHクラブの3枚ブロック目がけ軽く打ち、リバウンドをとった。そのリバウンドを再びブロックホローに入っていた#19イケさんが、これまた再び#16イソちゃんにアンダーでパス。


 #16イソちゃんも再び#1ヨシちゃんに二段トスを上げた。


 三度トスが上がって来た#1ヨシちゃんは、三度3枚ブロック目がけアタックを打った。


 Hクラブは、レフトブロッカーがワンタッチ。


 そのボールをバックレフトが中衛ライトに二段トス。中衛ライトは離れた二段トスを永竹クラブの#2ヤマちゃん・#8青ちゃんの2枚ブロック目がけ強引に打った。


 しかしそのアタックは、永竹クラブの2枚ブロックの上をドライブがかかった状態で通過した。


 そしてそのボールをバックセンター#10芦さんがレシーブ。ややライト側に上がったボールをバックライト#9井口ちゃんが、「#2ヤマちゃん~!!!」と叫びながらアンダーで二段トスを上げた。


 レフト#2ヤマちゃんは、3枚ブロック目がけ思いっきりアタックを打つと見せかけHクラブコートど真ん中にフェイントをした。


 今まで常に思いっきり打っていた#2ヤマちゃんが、フェイントをするとは思っていなかったHクラブは、慌ててバックレフトがそのボールに突っ込んみボールに触った。


 だがそのボールは、つながることなくコートに落ちた。


 長いラリーをフェイントで制した#2ヤマちゃんは、拳を突き上げガッツポーズ。皆も#2ヤマちゃんに駆け寄りハイタッチ。


 皆な肩で息をしているが、笑顔だ。


 ベンチの猛獣コンビも、ベンチで「ガオォォォ!」と雄叫びを上げながらガッツポーズをしていた。


永竹クラブ10-11Hクラブ


 永竹クラブのサーバーは#19イケさん。


 陽介はベンチの#11和気ちゃんに、「サーブ代わるよ!、絶対に嫌だっていわないように!」と釘を刺しながら指示をした。


 #11和気ちゃんは一瞬強面になったが、猛獣コンビの相方彩姉さんの「行って来い!」の言葉に年貢を納めたか、「分かった!」と言ってベンチを立ち上がりメンバーチェンジに向かった。


 この間わずか数秒。


 陽介は事前に#11和気ちゃんにメンバーチェンジの指示を出せば、以前のように「嫌だ!」と駄々をこねられると思い、直前に指示を出したのだった。


 #19イケさんと#11和気ちゃんのメンバーチェンジが完了し、コートのメンバーに迎えられた#11和気ちゃんは、少し緊張した面持ちでサービスエリアに向かい主審のサーブ許可の吹笛を待った。


 主審のサーブ許可の吹笛。


 #11和気ちゃんは、「ガオォォォ!」と一吠えしてサーブを打った。


 陽介は#11和気ちゃんを送り出す時、「中衛ライトに#19イケさんの代わりに#10芦さんが上がります。Hクラブはレフト側にトスを上げると思われるので、ストレートコースを狙ってサーブを思いっきり打って下さい。サーブがアウトになっても良いと思えるぐらい思いっきり打って下さい。」と指示を出していた。


 #11和気ちゃんの打ったサーブは、陽介の指示通りストレートコースに向かって行った。ただし一か八かのサーブであった。


 Hクラブは、バックレフトが下がってレシーブをしたがコート外に大きくはじいた。


 #11和気ちゃんのサービスエース。


 皆な#11和気ちゃんの所に集まり、ハイタッチ。#11和気ちゃんは笑顔で「ガオォォォ!」と吠えまくっていた。


 ベンチの彩姉さんが、「陽ちゃん、思い出をありがとう。感謝してるわ。」と涙を浮かべながら陽介に言った。


 陽介は、「お礼には及びません。#11和気ちゃんはチームのためにサーブを打ち、チームのためにサービスエースをとったのです。」と言って、あらためて「もう1本頼むよ~!」とベンチから大声を出した。


永竹クラブ11-11Hクラブ


 #11和気ちゃんのサーブが続く。


 しかし#11和気ちゃんは、力なく弱々しいサーブを2本ともミスし、相手に得点を与えた。


 陽介は、「褒めなきゃ良かった!」と頭を抱えながら、#19イケさんとすぐさまメンバーチェンジを指示した。


 これで永竹クラブのメンバーチェンジは3回。セッター#6マメちゃんの出番はこのセット無くなった。


永竹クラブ11-12Hクラブ

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