都大会出場をかけた大一番。 秋の一般大会 15
2セット目、永竹クラブのサーブは#3キーちゃんから。
陽介が目論見通り、後衛の選手からのサーブとなった。
これで前衛中衛の選手が、揃った状態で2セット目に入ることが出来る。
主審のサーブ許可の吹笛。
#3キーちゃんは、#9井口ちゃんと#4丘ちゃんと一言交わし、サーブを打った。
スリーメディスンは、バックセンターが下がりながらアンダーでレシーブ。乱れたサーブカットをハーフセンターがレフトエースに二段トス。
レフトエースは、永竹クラブの高い2枚ブロックめがけアタックを打った。
永竹クラブは、中衛ライトの#19イケさんが「ワンチぃ~!」と大きな声。
#19イケさんのブロックに当たったボールは、セッター#6マメちゃんの目の前に向かって来た。
#6マメちゃんは、辛うじてコート中程にボールを上げ、3コンタクト目をハーフセンター#16イソちゃんが、チャンスボールで相手に返した。
スリーメディスンは、バックレフトがセッターにパス。セッターは走り込んで来た中衛レフトにBクイックのトス上げた。
しかしタイミングが合わず、中衛レフトが打ったボールはネット上方白帯付近に当たり大きくスリーメディスンのコート中程に上がった。
そのボールを、ハーフセンターがチャンスボールで返した。(ネットに当たったので4コンタクト目が許される。9人制特有のルール)
永竹クラブは、観客席共々「チャンス!、チャンス!」と大きな声を出して攻撃の体勢に入る。
ハーフセンター#16イソちゃんが、セッター#6マメちゃんに丁寧にパス。同時に前衛レフト#2ヤマちゃんが「レフトぉ~!」・中衛レフト#8青ちゃんが「セミ、セミぃ~!」・前衛ライト#1ヨシちゃんが「私に持って来てぇ~!!!」と叫びながらトスを呼んだ。
アタッカーは皆な打つ気満々だ。
セッター#6マメちゃんは、「レフトぉ~!!!」と大きな声を出しながら、真逆方向のライト#1ヨシちゃんにトスを上げた。
#1ヨシちゃんは、「あいよ!」と声を上げ、スリーメディスンの2枚ブロックめがけ強烈なアタックを打ち、ブロックアウトをとった。
#1ヨシちゃんは両手を上げてガッツポーズ。皆なが駆け寄りハイタッチ。
物凄く気合が入っている。
陽介が、ふと観客席に目をやると、子供から大御所・関係者まで、全員がガッツポーズをしていた。
皆な選手と一緒に戦っている。心強いかぎりだ。
永竹クラブ1-0スリーメディスン
#3キーちゃんのサーブが続く。
いつものように、#9井口ちゃんと#4丘ちゃんに一言交わしてからサーブを打った。
低くて力強いサーブが相手コートに向かう。
スリーメディスンは、バックライトがレシーブするもサーブの勢いに押され、コートの外にはじいた。
#3キーちゃんのサービスエース。
皆な#3キーちゃんに駆け寄りハイタッチ。観客席も皆なでハイタッチ。
永竹クラブ2-0スリーメディスン
#3キーちゃんのサーブが続く。
スリーメディスンは、今度もバックライトがレシーブ。サーブの勢いに押され乱れたサーブカットをバックセンターが後方に追ってホロー。3コンタクト目を再びバックライトがチャンスボールで返した。
永竹クラブは、観客席共々(いや、もう全永竹クラブと言おう)「チャンス!、チャンス!」と大声を出す。
バックライト#4丘ちゃんがセッター#6マメちゃんにパス。#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトスを上げた。
#2ヤマちゃんは、スリーメディスンの2枚ブロックを抜き、鋭角にアタックを決めた。
全永竹クラブが、ガッツポーズ。
#2ヤマちゃんのところに駆け寄りハイタッチ。観客席もハイタッチ。誠にありがたいかぎりだ。
スリーメディスンは、やりにくいだろうと陽介は思った。
永竹クラブ3-0スリーメディスン
#3キーちゃんのサーブが続く。
スリーメディスンは、ハーフセンターがオーバーでカットしようと試みるも、サーブの勢いに押されコート後方にはじいた。
#3キーちゃんのサービスエース。
全永竹クラブは、全員がガッツポーズ。
永竹クラブ4-0スリーメディスン
#3キーちゃんのサーブが続く。
スリーメディスンはバックレフトがレシーブ。乱れたサーブカットをハーフセンターがレフトエースに二段トス。
レフトエースはネット近くに上がった二段トスを、体をよじりながらアタックを打った。
永竹クラブは、高い2枚ブロックがそのアタックに立ち向かった。
しかしここで主審の吹笛。
ジャッジはノーカウント。
二段トスがネットに近かったため、スリーメディスンのレフトアタッカーが体をよじってアタックを打ったホロースルーの手と、永竹クラブのブロッカーがネットに触ったのが同時という判定だ。
#3キーちゃんが仕切り直しで第一サーブを打つ。
スリーメディスンは、バックセンターがレシーブ。セッターがコート中程に走りながらレフトアタッカーにトス。
レフトアタッカーは、永竹クラブの高い2枚ブロックを避けてアタックを打ち込んだ。
永竹クラブは、ブロックのコースに入っていたハーフセンター#16イソちゃんがオーバーでレシーブ。コート中程に上がったボールを、バックライト#9井口ちゃんがレフト#2ヤマちゃんにアンダーで二段トス。
#2ヤマちゃんは、離れた二段トスをスリーメディスンの2枚ブロックを上手く使ってアタックを打ち、リバウンドをとる。そのリバウンドボールをブロックホローに入っていた#8青ちゃんがコート中程に上げる。そしてそのボールをハーフセンター#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、スリーメディスンのコート奥に足の長いアタックを打った。
スリーメディスンはバックライトが、辛うじてボールをあげたが、バックセンターがホーローするのが精一杯で、3コンタクト目をハーフセンターが力まかせにアンダーで返した。
しかしそのボールは、体育館の天井に届かんばかりの高さに上がり、永竹クラブコートネット際に返って来た。
そのボールを、中衛レフト#8青ちゃんがダイレクトでアタック。
だがそのアタックはネット上方の白帯に当たりネットを越えなかった。
誰もが#8青ちゃんのアタックミスと思ったが、そのボールをブロックホローに入っていたセッター#6マメちゃんが床に落ちる前に身を呈してレシーブ。コート中程に上がったボールをハーフセンター#16イソちゃんがレフト#2ヤマちゃんに二段トス。
#2ヤマちゃんは、ネットに当たって4コンタクト目を許されたボールを、スリーメディスンコートに打ち込んだ。
スリーメディスンは、バックレフトがレシーブ。セッターはレフトエースにトス。
レフトエースは、気合の入った大きな声もろともアタックを打ち込んだ。
永竹クラブは、ハーフセンター#16イソちゃんがオーバーでレシーブを試みるも、後ろにはじいいた。それをバックレフト#4丘ちゃんが何とかレシーブ。3コンタクト目をレフト#2ヤマちゃんがチャンスボールで返した。
スリーメディスンは、バックセンターがセッターに丁寧にパス。セッターは再びレフトエースにトスを上げた。
レフトエースも再び大きな声を出して、永竹クラブの高い2枚ブロックめがけアタックを打った。
だが、そのアタックはネットを越えなかった。
永竹クラブは、長いラリーを粘って粘って相手のミスを誘い、得点に結びつけた。
全永竹クラブがガッツポーズ。
スリーメディスンの面々は肩を落とし下を向いた。
スリーメディスンのベンチは、タイムアウトを要求した。
永竹クラブ5-0スリーメディスン