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2回目の遠征 親睦大会 4

 二次会で盛り上がっている中、陽介は明日の試合を考え「じゃあ僕は、明日に備えてこの辺で失礼します」と言い置き、そ~と部屋を出て寝た。


 翌朝の朝食時間、指定の時間に多くの参加者がホテル名物の海鮮バイキングに舌鼓を打った。


 しかしその場所に、企業の担当者・永竹クラブの猛獣コンビの姿なかった。


 二次会に参加していた八葉クラブの監督さんに、「昨日は何時頃まで飲んでたんですか?」と陽介が聞くと、「昨日は意外に早かったわよ。皆な今日の試合に備えて自重しなたみたい。私達も2:00頃には失礼したけど、企業の担当者と彩ちゃんと和気ちゃん、それと三輪さんと川さんがまだ飲んでたかしら…?、三輪さんも川さんもお話しが大好きなのね。あまりお酒は飲んでなかったけど、ず~と話していたわよ。A区の歴史の話しとか聞けて、皆な楽しかったんじゃないかしら。凄いわよね私達より遥かに年上なのに遅くまで付き合って。尊敬するわ。」と笑顔で話してくれた。


 陽介は、「そうだったんですね。それは遅くまでご苦労様でした。うちのメンバーに付き合わせてしまってスミマセンでした。」と引きつった笑顔で言ったが、そういえば三輪さんと川さんの姿もない。


 きっと彩姉さんと和気ちゃんは飲みすぎで起きられないのであろう。三輪さんと川さんは、さすがに遅くまで起きていたから疲れて、まだ休んでいるのだろう。と想像したが、可哀そうなのは企業の担当者である。


 姿が見えないのは、きっと猛獣コンビに無理矢理飲まされ、起きれない状態なんだろうと、気の毒で仕方ない陽介だった。


 余談だが、八葉クラブの監督が永竹クラブの大御所の事を、「私達より遥かに年上…」と言っていたが、大御所の名誉のために申し上げれば、八葉クラブの監督と3歳と変わらない。いずれにせよ、凄い面々であることには変わりはない。


 朝食を済ませ、バスが出発する時間まで休もうと食器を片付け部屋に戻ろうとした時、企業の担当者が走って朝食会場に来た。


 陽介は、「昨日は遅くまで申し訳ありません。何時まで飲んでたんですか?」と聞いた。


 すると企業の担当者は、「さっきまでです。」と答えたが、確かに酒臭い。


 「かなり酒臭いですけど、試合会場に行って開催県の役員と打合せするとき、まずくないですか?」と陽介は言った。


 企業の担当者は、「実はその件で監督さんに相談があって急いで来たんですけど、お目にかかれてよかったです!」と慌てた形相で話した。


 「実は、仕事だということを忘れて、結局朝まで付き合ってしまいました。お酒臭いことは十分に理解しています。つきましては、体育館までA区が乗るバスに同乗させて頂きたいのと、開催県の役員さんには風邪をひいて声が出ないからという理由で、監督さんに打ち合わせを代行してもらいたいんです。勿論私も同席しますが、私が書いたメモを読み上げてもらいたいんです。難しいことはなにもないのでご安心下さい。本当に申し訳ないのですが、朝まで飲んでたことが会社にバレると、マズいんです。お願いします。一生のお願いです。」と言い出した。


 陽介は、若い?女性である担当者が、永竹クラブのせいで会社に怒られるのは気が引けると思い、「本当に申し訳ありません。永竹クラブのせいでご迷惑をかけました。私が代わりに打ち合わせをさせて頂きます。」と頭を下げた。


 担当者は、「良かったぁ~!、バスに同乗することは三輪さんと川さんに了解をとってあります。後は監督さんが良いと言えば…と言われたので…。本当に助かります。A区のバスに同乗すれば、彩さんや和気さんもお酒臭いからバレないと思いまして…。」と言い、朝食会場に入り、あらためてバスの出発時刻を朝食中の面々に伝え、走って自分の部屋に戻った。きっと酒臭いと気付かれないためであろう。


 陽介は、猛獣コンビの部屋に行き、「入りますよ!」と言って部屋に入った。


 物凄く酒臭い部屋では、彩姉さんと和気ちゃんが飲み散らかしたテーブルや一升瓶・空き缶などの片づけをしていた。


 陽介が、「さっきまで担当者と飲んでたらしいじゃないですか?」と聞くと、「そんなことないよ!、1時間位前までだよ!」と平気な顔で言った。


 陽介が、「大御所はどうしたんですか?」とたずねると、「お化粧直しに部屋に帰った」と、これまた平然と答えた。


 「担当者が、あまりにも酒臭いんで、開催県との打ち合わせを僕に頼んできましたよ!、もう大人なんだから節度のある飲み方をして下さいよ!」と少々怒り気味で陽介が話すと、彩姉さんが、「良かった、陽ちゃんが引き受けてくれたんだ!、私が陽ちゃんに頼んだら!って言ったのよ。何かさぁ~あの子(担当者)の身の上話を聞いていたら、つい話がはずんじゃって。若いのに結構苦労してるのよ。これが…。」と言いながら話し始めようとしたので、「早く片付けてバスの出発時間に遅刻しないようにして下さい!」と陽介は言い、部屋を出た。


 いくら、親睦がメインとは言え、チョッと度が過ぎると思った陽介だが、大御所が絡んでいるだけに強くは言えなかった。


 バスの出発時間になり、永竹クラブが乗るバスに担当者がマスクをして乗り込んで来た。


 「それでは出発します。皆さん良い内容の試合を期待していますので、頑張って下さい!」とアナウンスした。猛獣コンビと大御所が遅くまで飲んでいたのは周知の事実。当然ながら永竹クラブの乗ったバスの前列4席は物凄く酒臭かったが、担当者が酒臭いことは誰も気付いていない様子だった。

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