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弱小ママさんバレーチーム 再び3

 陽介をはじめ総勢10名位であったろうか、体育館にほど近い中華料理屋に入った。


 「ママぁ~、また来たよ~!」、練習では絶対出さない、考えられないような可愛い声で、先頭をきって像アザラシのようなオバサンが入って行った。この像アザラシ、身長が170㎝、体重は70㎏をはるかに超えているであろう風貌で、『バレーボールをやっています』とでも言わなければ、当時分からない様子であった。


 しかし、声は体型や顔と関係なく人には聞こえる。ラジオのパーソナリティの声が美しかったり、声優の声が可愛かったりしても、実際にその人を見ると、ビックリしたりガッカリしたりするのと同じである。


 「ママぁ~、また来たよ~!」、像アザラシの声もしかりであった。


 満員の中華料理屋で、一日の疲れをささやかに癒そうと、少ない小遣いで飲んでいるサラリーマンが、この声に反応し、笑顔で振り返った。


 しかし、その笑顔は硬直し、青ざめ、恐怖におののき、即座に顔を背けた。


 さっきまで賑やかであった店に、一瞬の静けさが走り、その中を明らかに猛獣御一行様のために無理矢理あけたと思われる席に、像アザラシが進む。続いてジャイアントパンダ、北極グマ、北極グマに捕獲されている陽介、ツキノワグマ、ホウジロザメ、その他猛獣各種数頭。


 小動物が可愛くたむろう草原に、突然狩りをする猛獣がやって来たごとく、低姿勢で警戒をするサラリーマン達をよそに、「はいぃ、陽ちゃんはここ。」と北極グマの脇に座席を指定され、嫌々しながらも強制的に座らされる陽介であった。

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