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都大会を目指す永竹クラブ。11月の一般大会 7

 タイム明け、#17よっちゃんのサーブが続く。


 メンバーチェンジをしてポジションが変わったので、サーブ順を間違えないようにあらためてコートに向かって指示をした陽介であったが、合わせて#17よっちゃんに「サーブを打ったらバックセンターでレシーブするんだよ!」と声をかけた。


 さらにベンチのメンバーに、メンバーチェンジしているのでサーブ順を間違えないよう、注意をするように指示した。


 #17よっちゃんのサーブ。


 スリーメディスンはバックセンターがレシーブ。しかし#17よっちゃんのサーブが強烈だったので、そのボールはダイレクトで永竹クラブコートに返って来た。


 永竹クラブは、「チャンス!、チャンス!」と言って攻撃の体勢に入った。


 がしかし、ダイレクトで返ってきたチャンスボールは、本来レシーブの準備入っていいるはずのバックセンターの位置に落ちた。


 しかもガラ空きのコートに落ちた。


 そう、ご想像の通り、#17よっちゃんが自分のサーブに酔いしれてサーブの行方を眺めていたため、バックセンターのポジションに入っていなかったのだ。


 懲りない#17よっちゃんのオトボケだ!


 これにはメンバー全員が怒った。


 「何でポジションに入ってないの!?、あれだけサーブを打つ前に言われてたのに!」と、皆な声を荒だてて言った。


 セッターのポジションに入っている#2ヤマちゃんなどは、物凄く怖い顔をして怒鳴っていた。


 バックライトの#9井口ちゃんが、#17よっちゃんの所に歩み寄る。


 #17よっちゃんは、以前#9井口ちゃんにコート上で激怒されたことがあるので、メンバーも歩み寄る#9井口ちゃんを注目していたが、何を言われても仕方がない状況なので、比較的冷ややかな対応をしていた。


 #17よっちゃんに歩み寄った#9井口ちゃんは、怒られると覚悟を決めて強張った面持ちの#17よっちゃんに、意外にも優しく「今、リズムが良いのに、貴女がそのリズムを崩すようなプレーをしたらチーム全体が悪い方向に行きかねないヨ!、しっかり集中して、今度は前衛のレフトで一生懸命頑張って!」と言った。


 #17よっちゃんは、軽くうなずき「ゴメン!、集中して頑張る!」と言って前衛レフトのポジションに向かった。


 キャプテン#1ヨシちゃんが、#9井口ちゃんの所に来て、「井口ちゃん、大人になったね!」と一言交わし、スリーメディスンのサーブを受けるため前衛ライトのポジションに戻った。


永竹クラブ17-7スリーメディスン


 スリーメディスンのサーブ。


 永竹クラブは、バックレフト#4川さんが狙われた。


 #4川さんは、レシーブするもコート外にはじき失点。


永竹クラブ17-8スリーメディスン


 この後スリーメディスンは、バックレフト#4川さんを狙い続け、サーブを2本失敗するまで連続5ポイントをとった。


 そしてこの後、#2ヤマちゃんのサーブの時に1得点、#8ハリちゃんのサーブの時に1得点を挙げ、#17よっちゃんのサービスエースなどで得た大量リードに守られ、辛うじて1セット目をとった。


永竹クラブ21-14スリーメディスン


 2セット目に向かうインターバルで、#17よっちゃんはメンバーに叱咤激励を受けていた。


 陽介も、「皆な、集中してこの状況を何とか乗り切ろう!、そして優勝しよう!」と言ったが、メンバーには疲労の色が見える。皆な肩で息をしている。


 確かに試合当日は優勝まで最大で3試合ではあるが、よく考えてみれば昨年から本年11月までの間に、永竹クラブは多数の公式戦・練習試合をこなしてきた。


 中には、ハードな練習試合もあった。


 1年経てば、必ず一つ歳を重ねる。決して皆な若くはない。


 そして都大会を目指すこの試合で、その蓄積された疲労が出ていると想像出来る上に、セッター#6マメちゃんがいない状況となった。


 疲労と不安でイッパイイッパイであろう。


 陽介は、何よりも優勝して都大会出場を決めさせてあげたかったが、一方でこの状態ではむしろケガをしないか心配だった。


 インターバルが終わった。


 永竹クラブは、1セット目にメンバーチェンジしたままの選手をコートに送った。


 #6マメちゃんは帰宅したので、ベンチ選手としてメンバーチェンジ出来る面子は、#11和気ちゃんと#13シズさんの2人だ。


 2セット目、双方のメンバーがエンドライン上に並び、主審の吹笛と同時に一礼をしてコート中程で円陣を組み、声がけをして各々のポジションに散った。


 サーブ権は、1セット目の最後のサーバーが#8ハリちゃんだったので、スリーメディスンからだ。


 永竹クラブは、キャプテン#1ヨシちゃんが皆に向かって、「集中して頑張ろう!」と声をかけて、サーブレシーブの体勢に入った。


 陽介は、「このセットで決めてくれ!」と願いながら、ベンチに座った。

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