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経験を積んだ永竹クラブ 5月一般大会 6

 第二セットに向かうインターバルでベンチに戻って来た永竹クラブのメンバー。陽介は内容の良い試合だけにさぞかし満足げに笑顔で会話をするのだろうと思っていたが、意外にも普段とあまり変わらない表情で、#3キーちゃんが「何か体育館暑くない?、まだ5月なのに暑すぎるよね?」と言い、#11和気ちゃんに至っては「あの中華料理屋、新メニューを出したらしいよ!、今日はそれを食べてみてネ!って言われてるから、ちゃんと評価してママさんに言ってあげないと、普段お世話になってるから…。」と、全く緊張感がない。


 弱小チームにはよくあることだが、内容の良いプレーをしてましてやセットをとったり、試合に勝ったりすると、その場だけで満足していまい以降のセットを見違えるような酷い内容で落としたり、次の試合にあっさりと負けたりする。


 陽介は、このインターバルで選手のプレーを誉めようと思っていたが、少し引き締めないといけないと思い、「皆な聞いてほしい。今のセットは良い内容だったけど、次のセットが同じように良い内容でプレー出来るかはわかりません。相手チームだって次は取り返そうと思って来る訳だから…。だから試合が終わった後の話しは、試合が終わった後にすることにして、今一番考えなければならない次のセットのことに集中しましょう!、丁寧なパス。しつこいレシーブ。強いサーブ。そして何よりも声を出して行きましょう!」と言って、皆を集中させて、コートに送り出した。


 円陣を組みキャプテン#1ヨシちゃんが声がけしてコートに向かう時、陽介は#8ハリちゃんをつかまえて、「さっきプーアルのサーブで終わったから、次は#8ハリちゃんのサーブだね。凄く大切なセットの出だしだから、しっかり頼むよ!」と言って背中を押した。


 第二セット、双方のチームがエンドラインに並んだ。


 プーアルは、第一セットのタイムアウトでバックセンターがバックライトにまわっていたが、元々バックライトにいた選手がベンチに下がっていた。


 主審の吹笛があり、双方の選手がコートに入り、それぞれのポジションについた。


 バックライトは、ベンチから交代した選手がポジションについた。


 永竹クラブのサーバーは、#8ハリちゃん。


 サーブを打つ前に、新しい選手がバックライトにいることを確認した永竹クラブの面々は、何やらコートに集まり短い時間で打ち合わせをしていた。


 主審のサーブ許可の吹笛。


 #8ハリちゃんは、相手のバックライトめがけ強いサーブを打ち込んだ。


 プーアルは、バックライトがレシーブ。セッターはやはりライトアタッカーにトスを上げた。


 プーアルのライトアタッカーは、永竹クラブの2枚ブロック(中衛レフトの#8ハリちゃんがサーブに下がっているので、中衛レフトにはバックセンター#3が代わりに入っている)の低い方、#3キーちゃんめがけアタックを打った。


 永竹クラブは、#3キーちゃんがワンタッチ。身長の低い#3キーちゃんの右手指先に当たったアタックは、大きく永竹クラブコートのエンドラインを越えて、ブロックアウトとなった。


 永竹クラブの面々は、コート中程に集まり軽く打合せをして、サーブレシーブに備えポジションについた。


永竹クラブ0-1プーアル


 プーアルのサーブ。


 永竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんがレシーブ。セッター#6マメちゃんはライト#1ヨシちゃんにトス。


 #1ヨシちゃんは、高身長のレフトアタッカーのブロックから、ブロックアウトをとった。


永竹クラブ1-1プーアル


 第二セット出だしのプレーとしては上々である。


 相手に先取点を取られた後のプレーで、冷静に得点に結びつけたのは力がついてきた証かもしれない。


 永竹クラブのサーバーは、#6マメちゃん。セッターには#3キーちゃんが入る。


 #6マメちゃんは、#8ハリちゃんと同じようにバックライトを狙ってサーブを打った。


 プーアルはバックライトがレシーブ。セッターはやはりライトアタッカーにトスを上げる。


 永竹クラブは、2枚ブロックと同時にレシーバー陣が守備の隊形に入る。


 プーアルのライトアタッカーは、ブロックカバーに入っているのが#6マメちゃんではなく#3キーちゃんであることを確認したかのように、2枚ブロックの真後ろにフェイントを落とした。


 セッターに入いってフェイントカバーをしていた#3キーちゃんが、必死に滑り込みながらボールを上げる。その上がったボールをバックレフト#13シズさんがこれまた必死につなぐ。最後はブロックから振り向いたレフト#2ヤマちゃんがボールを追ったが、そのボールはあえなくネットに当たり相手コートに返らなかった。


 と思ったら、ネットに当たったボールを4コンタクト目で中衛レフト#8ハリちゃんがホロー。


 ボールは、再びネット上方を揺らして、相手コートに落ちた。


 こんなドラマみたいな事が本当に起こるんだ!と思うぐらいの出来事だったが、事実である。


 全員が転がってホローした、#8ハリちゃんの所に来てガッツポーズ。


 #9井口ちゃんが、転がってる#8ハリちゃんに手を差し伸べ立ち上がらせた。


永竹クラブ2-1プーアル

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