経験を積んだ永竹クラブ 5月一般大会 1
貴重な経験をもとに短い期間ではあったが、密度の濃い練習に励んだ永竹クラブは、5月の一般大会をむかえた。
陽介は自他共に認めるくらい練習を重ねてきた永竹クラブを誇りに思っていた。
最初の試合は、Aコート第1試合で家庭婦人のチーム。
永竹クラブは、見違えるような正確なプレーで、21-5、21-7でこの試合に勝った。
2試合目は、Aコート第5試合。以前も対戦したプーアルとだ。
11月にプーアルと対戦した時は、レフトの高身長エースに手こずり、ブロックを飛ぶ飛ばないで#1ヨシちゃんと試合中にもめた因縁の相手だ。
プーアルの他のメンバーも、ほぼ変わりがないようなので永竹クラブの成長を計れる試合になると、陽介は楽しみに試合開始を待った。
永竹クラブのスターターは、
前衛レフト #2ヤマちゃん
中衛レフト #8ハリちゃん
セッター #6マメちゃん
中衛ライト #19イケさん
前衛ライト #1ヨシちゃん(キャプテン)
ハーフセンター #16イソちゃん
バックレフト #13シズさん
バックセンター #3キーちゃん
バックライト #9井口ちゃん
と、いつもの通りの布陣だった。
ベンチは、監督に陽介、コーチに三輪さん、マネージャーに川さん、#10芦さん、#11和気ちゃん、#17よっちゃんであった。(当時は、ベンチに入れる選手は3人だった)
プロトコールが終わり、キャプテン#1ヨシちゃんが走ってベンチに戻って来た。
サーブ権は永竹クラブだ。
ベンチ前で円陣を組み、陽介は「11月には負けた相手です。皆さん一生懸命練習をして来ました。絶対に勝てるはずです。練習の成果を出せるように頑張りましょう!」と言い、キャプテン#1ヨシちゃんに大きな声で声がけをさせて、コートに送り出した。
双方の選手全員がコートエンドラインに並び、主審の試合開始の吹笛があり全員がネット向かって走って行き、ネットを挟んで握手をし、スターターがあらためてエンドラインに並び副審のチェックを受けた。
主審の吹笛があり、コートに入った永竹クラブは円陣を組み、キャプテン#1ヨシちゃんが今までにないような気合の入った声を出し、全員がハイタッチでそれに応え各ポジションに散った。
その姿を見て陽介は、今までの経験や練習は無駄ではなかったことに安堵し、さらにこの試合の勝利をこの時点で確信した。
主審のサーブ許可の吹笛。
永竹クラブのサーバーは、#9井口ちゃん。
#9井口ちゃんは、主審の吹笛の前にレシバー陣に「一発でボールが返ってくるかも知れないから、準備しておいてネ!」と指示した。
#9井口ちゃんは、物凄い勢いのサーブを打ち込んだ。
プーアルは、バックセンターがやっとの思いでレシーブ。しかしそのボールは大きくはじかれサービスエース。
全員が#9井口ちゃんのところに駆け寄りハイタッチ。
出だしは最高だ。
永竹クラブ1-0プーアル
#9井口ちゃんのサーブが続く。
今度も勢いのいいサーブ。
プーアルは、バックライトがレシーブするも大きく乱れ、バックセンターがホロー。最後はバックレフトが何とか永竹クラブコートにボールを返した。
永竹クラブは、「全員がチャンス!チャンス!」と大きな声を出す。
陽介は、「本当に皆な変わった。みじめな経験もしたけど、試合で無意識にいかされている。」と感じた。
ハーフセンター#16イソちゃんがオーバーで、セッター#6マメちゃんにパス。
レフト#2ヤマちゃんとライト#1ヨシちゃんが大きな声でトスを呼ぶ。
さらに中衛レフト#8ハリちゃんが大きな声で、「いいよ、センターセミのトスで!」とオトリの声。
#6マメちゃんは、ライト#1ヨシちゃんにトスを上げた。
#1ヨシちゃんの前には高身長の相手のレフトアタッカーがブロックに飛んだ。
#1ヨシちゃんは、冷静にブロックアウトをとった。
陽介はベンチを立ち上がり拍手をしながら、「ナイスプレー!」と大きな声でチームを誉めた。
ベンチも大盛り上がりだ!
明らかに、11月の時とは違う永竹クラブの姿がそこにあった。
永竹クラブ2-0プーアル