貴重な経験 3
バレーボールの選手としては、比較的低い身長の選手を先発に使ってきた某体育大。
第一サーバーがサーブを打った。
どんなサーブを打って来るのだろうと不安に思っていた陽介であったが、それほど驚くようなサーブではなかった。
永竹クラブは、ハーフセンターの#16イソちゃんがレシーブ。セッター#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトスを上げた。
#2ヤマちゃんは、思いっきりアタックを打ち込んだが、何と某体育大チームはノーブロックだった。
某体育大は、#2ヤマちゃんの打ったアタックをレシーブ。セッターはそのボールをネットに当てレフトアタッカーに低いトスを上げた。
レフトアタッカーは、永竹クラブの#1ヨシちゃんと#19イケさんの高い2枚ブロックにわざと当ててリバウンドをとる。
返ってきた比較的優しいボールを、ブロックホローをしていたレシーバーがセッターに返す。
しかしこのセッターに返したボールが低くて速くて勢いがある。まるでネットに向かってボールをぶつけるような感じがしたくらいだ。
セッターはそのボールをまたもやネットに当てて、今度はライトアタッカーにトス。ライトアタッカーも低身長だが、思いっきりジャンプして永竹クラブの#2ヤマちゃんと#8ハリちゃんの2枚ブロックめがけアタックを打ち、ブロックアウトをとった。
永竹クラブ0-1某体育大
某体育大のサーブが続く。
永竹クラブは、バックレフト#13シズさんがレシーブ。セッターまで帰らなかったボールをハーフセンター#16イソちゃんがレフト#2ヤマちゃんに二段トス。
#2ヤマちゃんはストレートコースを狙ってアタックを打った。
がしかし、やはりノーブロック。
某体育大のバックライトがレシーブ。前衛ライトが中衛レフトに二段トス。中衛レフトはブロックに飛んだ#19イケさんからリバウンドをとる。
返ってきたボールを、ホローしていたレシーバーが低くて速くて勢いのあるボールをネットに向かって返す。セッターはそのボールをネットに当てて、レフトアタッカーにトス。
レフトアタッカーは、少し離れたトスを軽くはたき永竹クラブの2枚ブロックからリバウンドをとる。それをホローしていたレシーバーが、相変わらず低くて速くて勢いのあるボールをネットに向かって返す。そのボールをセッターがネットに当てて、もう一度レフトアタッカーにトス。今度はネットに近いトスだ。
レフトアタッカーは無理をせず、再び永竹クラブの2枚ブロックからリバウンドをとり、再度攻撃を立て直す。
ホローされたボールを同じようにセッターがネットにボールを当てて、今度もレフトアタッカーにトス。レフトアタッカーは揃っている永竹クラブの2枚ブロックから三度リバウンドをとり、ホローに入っているレシーバーから同じように返ってきたボールをセッターがネットに当てて、今度もレフトアタッカーにトスを上げた。
某体育大のレフトアタッカーは、永竹クラブの2枚ブロックからブロックアウトとった。
永竹クラブは、#2ヤマちゃんがアタックを打ってから、相手チームに得点されるまで、一度も自分のコートにボールが返って来なかった。さらに度重なる速いレシーブからのレフトアタッカーの連続攻撃でリバウンドをとられ、最後ブロックアウトをとられた時はすでに疲れてしまい、2枚ブロックが揃わなかったところを狙われた。
#1ヨシちゃんと#19イケさんは、膝に手をつき肩で息をしていた。さらにレシーバー陣も、繰り返される速い攻撃にその都度レシーブの準備に追われたため、得点されるまで一度もボールに触っていないのにもかかわらず、こちらも肩で息をしている始末であった。
「まだ0-2なのに、今日の永竹クラブはこの先どうなってしまうのだろう?」と、陽介は心配になってしまった。「今日の練習試合は体力が持つだろうか?、いやこのセットの体力が持つだろうか…」など、不安で仕方なかった。
永竹クラブ0-2某体育大




