12月 遠征 親睦大会 19
陽介は戻って来たメンバーに、「内容は悪くないよ!、相手が上手なだけだから。でも八葉クラブは、少々本気モードになっているから、サーブもアタック今までと違う質のボールが来るかね!、でも栄竹クラブは自分達が出来ることを頑張ろう!、出来ない事を頑張っても所詮は出来ないんだから!、レシーブをしつこくボールをコートに落とさなければ相手の得点にはならないんだから!」と言って円陣を組み、キャプテン#1ヨシちゃんに声掛けをさせて、コートに送り出した。
タイム明け、八葉クラブのサーブが続く。
栄竹クラブは、レフト#2ヤマちゃんがレシーブ。乱れたボールを中衛レフト#8ハリちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、八葉クラブの2枚ブロックのストレートコースがあいているのを確認して、ストレートに思いっきり打った。
#1ヨシちゃんのアタックは、本年度#1ヨシちゃんが打ったアタックで1番か2番かという素晴らしいアタック。
しかし、その素晴らしいアタックはサイドライン割って、アウトになってしまった。
陽介はベンチを立ち上がり、「ナイスアタック!、素晴らしい!」と大きな声と拍手で#1ヨシちゃんを称えたが、残念ながら失点。
#1ヨシちゃんも、自分が打ったアタックに手ごたえがあったのを自覚しているだけに悔しい表情だ。
栄竹クラブ15-16八葉クラブ
栄竹クラブは、ついに逆転を許してしまった。
八葉クラブのサーブが続く。
栄竹クラブは、バックレフト#13シズさんがレシーブ。しかしサーブの威力に押され後ろにはじき、サービスエースを献上した。
栄竹クラブは、バックレフトというポジションがかねてより鬼門だ。どうしても栄竹クラブのメンバー中で技術的にレベルの低い選手がポジションを守ることになってしまう。
弱小ママさんバレーチームなので、全員の技術力が高い訳ではない。それでも練習を積み重ねることにより弱小と言えども一生懸命頑張っている。
しかし、技術力が低いのはあからさまだ。陽介はそれをカバーするためにスターターとして#17よっちゃんを起用したのだが、その#17よっちゃんがままならない状態だったので、#13シズさんに任せていた。
八葉クラブは、間違えなく栄竹クラブのバックレフトをサーブで狙っている。
八葉クラブのサーブ。
栄竹クラブは、またもやバックレフト#13シズさんがレシーブ。乱れたボールをレフト#2ヤマちゃんが何とかホロー。一緒にボールを追っていた中衛レフトの#8ハリちゃんが、チャンスボールで返した。
八葉クラブは、中衛ライトがオーバーで直接中衛レフトに低い二段トス。中衛レフトはその二段トスを鮮やかに打ったと思ったら、その二段トスを中衛ライトに切り返し、中衛ライトが栄竹クラブコートに鋭角にアタックを決めた。
栄竹クラブは、八葉クラブの言わばサーカスバレーに見入ってしまい、アタックを決められた後も悔しいがるのではなく、むしろ笑顔で八葉クラブを称えているような表情だった。
栄竹クラブ15-17八葉クラブ
八葉クラブのサーブが続く。
栄竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんがレシーブ。セッター#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトス。
#2ヤマちゃんは、八葉クラブの2枚ブロックめがけ思いっきりアタックを打った。
八葉クラブのライトと中衛ライトが揃って「ワンチぃ~!!!」と叫ぶ。
#2ヤマちゃんが打ったアタックは、栄竹クラブコートに落ちた。
八葉クラブの2枚ブロックが、#2ヤマちゃんの渾身のアタックをシャットアウト。
しかし、主審のシグナルは栄竹クラブの得点。さらにその理由のシグナルは、八葉クラブのネットタッチだった。
八葉クラブのキャプテンが、主審に誰がネットタッチをしたか質問した。
主審は、中衛ライトがタッチネットしたとの判定。
中衛ライトは、両手を上に上げ、さらに両手のひらをヒラヒラトして、ネットタッチが無かったとアピール。
だがその直後、自分がワンタッチをしましたと、片手を上げた。
栄竹クラブ16-17八葉クラブ
栄竹クラブは#6マメちゃんのサーブ。
八葉クラブは、バックセンターがレシーブ。セッターはレフトアタッカーに速くて低い平行トスを上げ、レフトアタッカーは、栄竹クラブの2枚ブロックからブロックアウトをとった。
栄竹クラブ16-18八葉クラブ
八葉クラブは、監督兼選手が次のサーバーとのメンバーチェンジを申し出た。今回は正常なメンバーチェンジ。
監督が選手の資格で出場したので、主審並びに副審に監督の権利を行使できるのは、コートキャプテンだけとなった。