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12月 遠征 親睦大会 14

 タイム明け、#3キーちゃんのサーブが続く。


 八葉クラブはバックライトがレシーブ。セッターはハーフセンターにセミのトスを上げた。ハーフセンターは栄竹クラブのブロックが全く無いのを確認して、思いっきりコートに叩きつけるようなアタックを打った。


 栄竹クラブは、ハーフセンター#16イソちゃんが、その凄まじいアタックを怖がり横を向いて避けようとした。


 しかし何回も言うが偶然は恐ろしい。避けたはずの#16イソちゃんだったが、その右足にアタックが当たり、ダイレクトで八葉クラブのコートに返った。


 八葉クラブは、アタックが決まったものと思い油断をしていたか、ボールはハーフセンターがアタックを打った後のポッカリ空いたコート真ん中に落ちた。


栄竹クラブ8-1八葉クラブ


 何が功をそうすか分からないが、栄竹クラブのメンバーは全員「ラッキー!」と思っていた。


 #3キーちゃんのサーブが続く。


 八葉クラブは中衛ライトがレシーブ。セッターは中衛レフトにBクイックのトスを上げ決めた。やっと栄竹クラブのサーブが切れた。


栄竹クラブ8-2八葉クラブ


 八葉クラブのサーバーは、前のセットでバックライト#9井口ちゃんが狙われ、連続得点を許したジャンピングフローターサーブの選手。


 #9井口ちゃんは、今度こそと、サーブレシーブのためにしっかり構えた。


 しかしそのジャンピングフローターサーブは、バックレフト#17よっちゃんのところに向かう。


 #17よっちゃんは、「おぉぉ~、とっ、とっ!」と言いながら、オーバーレシーブを試みるもあえなくはじかれ、サービスエースを献上した。


栄竹クラブ8-3八葉クラブ


 八葉クラブのジャンピングフローターサーブが続く。


 またもや#17よっちゃんを強烈なサーブが遅い、サービスエースを献上した。


栄竹クラブ8-4八葉クラブ


 八葉クラブのジャンピングフローターサーブが続く。強豪チームは相手の穴を見つければ、ドンドンそこを狙ってくる。また狙うだけの技術もある。


 栄竹クラブは完全にバックレフト#17よっちゃんが狙われた。


 #17よっちゃんは、「また私!?」と言いながら、レシーブをはじいた。


 八葉クラブの連続サービスエース。


 陽介は、タイムアウトを要求した。


栄竹クラブ8-5八葉クラブ


 戻って来たメンバーに、「弱いところを見せると、ドンドンそこを狙ってくるからしっかりレシーブしないと!、よっちゃん頑張って!」と陽介は言ったが、同時に「レフトの#2ヤマちゃんをバックレフトに下げ、バックレフトの#17を前に上げてレフトアタッカーにして、とにかくこのジャンピッグフローターサーブを切ろう!」と指示を出して、円陣を組みキャプテン#1ヨシちゃんに声掛けさせて、コートに送り出した。


 タイム明け、八葉クラブのジャンピングフローターサーブが続く。


 八葉クラブサーバーは、バックレフトだった#17よっちゃんがレフトアタッカーのポジションに移動していることを確認すると、少し緩めのサーブでやはり#17よっちゃんを狙ってサーブを打って来た。


 #17よっちゃんは、ポジションが変わったので自分の所にはサーブが来ないと思い込み、すっかり油断したところにサーブが来たので、慌てて手を出したがはじかれてしまい、またもやサービスエースを献上した。


栄竹クラブ8-6八葉クラブ


 #17よっちゃんは、「何でまた私なの!?」と言って、照れ笑いをしたが、その様子を見ていたバックライト#9井口ちゃんが「笑い事じゃない!!!、スミマセンだろ!」と、ムっとした顔で#17よっちゃんに言った。


 #17よっちゃんは、「ゴメン、スミマセン」と言ってプレーに戻ったが、相変わらずの物言いの#9井口ちゃんに不機嫌な表情を隠さないままだった。


 八葉クラブのジャンピングフローターサーブが続く。


 栄竹クラブのレフト#17よっちゃんを狙ったサーブは少し伸びてしまい、陽介の狙い通りバックレフトに入っている#2ヤマちゃんの所に向かった。


 #2ヤマちゃんがレシーブ。少し乱れたボールをハーフセンター#16イソちゃんがレフト#17よっちゃんに二段トス。


 #17よっちゃんは、汚名返上・名誉挽回とばかり、思いっきりアタックを打ったが思いっきりフカシテしまい、八葉クラブコートバックライン遥か後方を通過し、アウトとなった。


 #17よっちゃんは下を向いて「ゴメン」と言ったが、その時#バックライト#9井口ちゃんが#17よっちゃんの所に駆け寄った。


 栄竹クラブのメンバーは、また#9井口ちゃんが物議を醸しだす物言いをするのではないかと、緊張した。


 しかし#9井口ちゃんは#17よっちゃんに、「ドンマイ!、ドンマイ!、今のまま思いっきり打とうよ!、次、次、切り替えて!」と言って、肩を叩いた。


 栄竹クラブのメンバーは、一様に胸を撫で下ろしたが、#9井口ちゃんの言動に成長を感じていた。


栄竹クラブ8-7八葉クラブ


 八葉クラブのジャンピングフローターサーブが続く。


 またもレフトに入っている#17よっちゃんを狙ったサーブだ。


 #17よっちゃんは、さっきネットにアタックをかけたのに、予想を覆す#9井口ちゃんの励ましに気を許したのか、サーブレシーブが大きくなってしまい、八葉クラブコートネット際に直接返った。


 八葉クラブは、そのボールを中衛ライトが直接思いっきりアタック。


 あろうことか、さっき#17よっちゃんのミスを励ました、バックライト#9井口ちゃんの顔面に当たってしまい、ボールはコートの外に出た。


栄竹クラブ8-8八葉クラブ


 八葉クラブの中衛ライトは、#9井口ちゃんに向かい手を上げて「ゴメン」のシグナル。#9井口ちゃんも右手を上げて「大丈夫」のシグナル。両者共スポーツマンシップに則った素晴らしいやりとりだ。


 しかし#9井口ちゃんはそれだけでは終わらない。


 #17よっちゃんの所に駆け寄り、今度は「いい加減にしろよ!、仏の顔も三度までって言うけど、私は仏じゃないから、二度までで限界だからね!」と物凄い剣幕で言い放った。


 陽介は、慌てて#14三輪さんと、顔面でレシーブして顔を抑えている#9井口ちゃんを交代させ、取り敢えず#9井口ちゃんを落ち着かせた。


 しかしこの連続得点。#9井口ちゃんでなくても#17よっちゃんには、皆が物申したっかに違いないと、陽介は思った。

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