12月 遠征 親睦大会 10
八葉クラブのサーブ。
栄竹クラブは中衛レフト#8ハリちゃんがレシーブ。セッター#18ユカちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトス。
#2ヤマちゃんは、八葉クラブのセッターめがけフェイント。
八葉クラブはそのセッターがフェイントを拾い、ハーフセンターにパス。ハーフセンターはレフトアタッカーに二段トスを上げた。レフトアタッカーは、栄竹クラブの中衛ライト#19イケさんとライト#1ヨシちゃんの高い2枚ブロックめがけアタックを打った。
栄竹クラブはブロックがワンタッチ。そのボールをハーフセンターの#16イソちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。
#1ヨシちゃんは、八葉クラブの2枚ブロックからブロックアウトをとった。
栄竹クラブ11-11八葉クラブ
陽介は、感心して今のラリーを見ていた。
それと言うのも、そもそも陽介はフェイントが基本的に嫌いで、栄竹クラブのアタッカーをはじめ全員にフェイントによる正・負の効果について話をし、フェイントは出来るだけしないように説得していた。
陽介のフェイントに対する考え方は、
➀ 苦し紛れのフェイントは効果がない。
➁ アタッカーはトス或いは二段トスを打ってこそアタッカーだ。
➂ セッターのトスフェイントも、基本的にトスを上げるのがセッターで、フェイントをするのが役目ではない。
➃ フェイントは試合の状況から、『ナイスフェイント』となり点を得ることがチームに活気をもたらし、相手チームには挫折をもたらすことがある。したがって決まれば1点以上の価値があるが、もし決まらなかった場合は自チームに悪影響をもたらすことが多く、それがエースアタッカーのフェイントによるものであれば、なおさらリズムを崩すなどの悪影響が大であるため、1点の失点以上に大きな得点を失うことになりかねない。
等の理由によるものだった。しかし当然ながら、プレーをするのは選手なので、陽介はフェイントに対する監督の意向を伝えた上で、フェイントについては選手に任せていた。もちろん陽介が監督をするようになて以降、試合中にフェイントが決まったり決まらなかったことは当然ながらある。
陽介は試合中にフェイントをした場合には、タイムアウトや総括の時に必ずそのフェイントについて監督として意見を述べ、褒めることもすれば叱咤激励することもあった。
ただ、多くの弱小ママさんバレーボールチームにおいては、苦し紛れでフェイントをすることが多く、栄竹クラブの試合でも同様であることが多々あった。
陽介はその場合、「今のフェイントは決まったからいいような物だけど、決まらなかったらマイナス100点のプレーだった!」と、よく嫌味を言っていた。
しかし、今のラリー中に#2ヤマちゃんがしたフェイントには、物凄く意味があると陽介は思っていた。
それは、八葉クラブの攻撃のバリエーションが、栄竹クラブが今まで経験したことがないほど多彩で、その攻撃のバリエーションを限定させるために、第一レシーブをセッターめがてフェイントしたと、陽介は分析していた。
試合の中で、自分達でプレーを考えながら出来るということは、栄竹クラブも一皮むけたと感心するばかりであったし、事実八葉クラブは二段トスを上げるしか攻撃の方法が無くなっていた。
栄竹クラブのサーバーは#8ハリちゃん。
#8ハリちゃんは、八葉クラブのレフトアタッカーにレシーブさせるようなサーブを打った。
八葉クラブは、レフトアタッカーがレシーブ。やや乱れたボールをセッターが中衛レフトにトスを上げた。トスが比較的高かったので、栄竹クラブの高い2枚ブロックがつく。中衛レフトは2枚ブロックめがけアタックを打った。
栄竹クラブは、中衛ライト#19イケさんがこの試合2本目のシャットアウト。本人も大喜びだが、監督である陽介は一連の考えるプレーからの得点に、心の中でさらに大喜びをしていた。
栄竹クラブ12-11八葉クラブ
#8ハリちゃんのサーブが続く。
八葉クラブは、まともやレフトアタッカーがレシーブ。セッターは中衛ライトにトスを上げた。中衛ライト#8ハリちゃんがサーブに下がっているので、代わりに入っている#3キーちゃんの1枚ブロックを避けてアタックを打った。
栄竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんがレシーブ。乱れたボールをライト#1ヨシちゃんがホローして中衛レフトに入っている#3キーちゃんに二段トス。#3キーちゃんの身長は高くないが精一杯ジャンプしてアタックを打った。
八葉クラブは中衛ライトが1枚ブロック。しかし#3キーちゃんが、意図せずジャンプの下がり目でアタックを打ったので、中衛ライトのブロックは#3キーちゃんのアタックを吸い込み、失点した。
栄竹クラブ13-11八葉クラブ