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11月 一般大会 7

 陽介は2セット目に向かうインターバルで、半年前のドリーム化繊戦から成長した永竹クラブを心から誉めた。


 特に、チームの試合に取り組む気持ちや、選手一人一人の意識が素晴らしかったことを、メンバーに伝えた。ベンチの控え選手もマネージャーもコーチも監督も、チーム一丸だったと。


 1セット目をとったメンバーは、監督である陽介にも誉められ、少し照れ臭そうではあったが、気分が悪い訳がない。


 #2ヤマちゃんに陽介が、「無茶苦茶頭使ってプレーしてたじゃない!?、最高だよ!、ヤッパリレフトはヤマちゃんだね!」と持ち上げると、#2ヤマちゃんは柄にもなく、「そうでしょ!、ヤッパリ私がエースだよね!、どんなトスでも打って見せるから、ジャンジャン持ってきて!」と悲壮感なく行ってみせた。


 しかし陽介は、むやみに『弱小ママさんバレーチーム』を誉め過ぎてはいけないことを、この後痛感することになる。


 2セット目は、中衛レフト#8ハリちゃん ⇒ #11和気ちゃん。バックレフト#13シズさん ⇒ #10芦さん。で行く旨をメンバーに伝え、コートに送り出した。


 2セット目、1セット目の最後のサーブが永竹クラブ#13シズさんだったので、ドリーム化繊のサーブから始まる。


 主審のサーブ許可の吹笛。


 ドリーム化繊の強いサーブが永竹クラブコートに向かう。


 永竹クラブは、ハーフセンター#16イソちゃんがオーバーでレシーブ。バックセンター#3キーちゃんがライト#1ヨシちゃんに二段トス。


 #1ヨシちゃんは、ドリーム化繊の2枚ブロックからブロックアウトをとった。


 永竹クラブは、無難な滑り出しを見せた。


永竹クラブ1-0ドリーム化繊


 永竹クラブのサーバーは、#2ヤマちゃん。


 バックセンター#3キーちゃんが、レフトに入る。さすがに中衛レフトの#11和気ちゃん(ジャイアントパンダ)をレフトエースポジションに置く勇気はなかったようだ。


 #2ヤマちゃんは、強いサーブを打った。


 ドリーム化繊は、バックセンターがはじき、サービスエース。


 #2ヤマちゃんは、2セット目に向かうインターバルで誉められご機嫌な上に、このサービスエースで、いよいよ木に登ってしまった。


 木に登ったママさんは、恐ろしい。


永竹クラブ2-0ドリーム化繊


 #2ヤマちゃんの強いサーブが続く。


 ドリーム化繊はハーフセンターがレシーブするも、勢いに押されボールは一発で永竹クラブのコートに返って来た。


 永竹クラブは、中衛ライト#19イケさんがオーバーでセッター#6マメちゃんにパス。#6マメちゃんはあろうことか中衛レフト#11和気ちゃんにトスを上げた。


 普段#11和気ちゃんにトスを上げない原則になっているから、#11和気ちゃんはまさか自分の所にトスが上がるとは思っておらず、大慌てで助走に入った。


 しかし#11和気ちゃんの大慌てがタイミングを狂わし、#11和気ちゃんが打ったアタックはチップしてドリーム化繊のハーフセンターの前に、ポトリと落ちた。


 #11和気ちゃんは、両手を上げて「ウォォォ~!」とガッツポーズ。


 するとメンバーが駆け寄ってハイタッチしようと手を上げたところをすり抜けて、突然重い体を揺すりながらベンチに向かって走って来た。


 #11和気ちゃんがベンチ向かった訳は、マネージャーの仲良し彩姉さんとの抱擁だった。


 ジャイアントパンダと北極グマの「がっぷり四つ」の抱擁。一見微笑ましいが、今は試合中、当然主審からイエローカードが出た。


 主審にキャプテン#1ヨシちゃんが呼ばれ、#11和気ちゃんとコートのメンバーとベンチに注意するように言われた。


 #11和気ちゃんは、ここのところ試合でアタックを打つ機会がほとんどなかったので、よほど嬉しかったのであろう、涙を流してている。マネージャーの彩姉さんも泣いている。


永竹クラブ3-0ドリーム化繊


 #2ヤマちゃんのサーブ。


 ドリーム化繊は、バックレフトがレシーブ。セッターはレフトアタッカーに早くて低い平行トスを上げて、レフトアタッカーは永竹クラブの2枚ブロックから、ブロックアウトをとった。


 陽介は、思うことがあって、このタイミングでタイムアウトをとった。


永竹クラブ3-1ドリーム化繊

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