これは痛い! 大会に出場出来なくなった人 2
Kさんが、ヨシちゃんの関係ではなく、A区の連盟顧問の勧めで永竹クラブに来てくれたことを、大御所2人と感心をしたり、今日一日の話しをしている時に、よっちゃんの突然の試合欠席報告を聞いた陽介は、よっちゃんに「マジで!?、後2回の練習で大会に臨まなきゃならないのに、どうしたの?」と聞いた。
よっちゃん曰く、大会当日に旦那さんの両親が出てくることになったんで、来れなくなったとのこと。旦那さんのご両親は、よっちゃんのママさんバレーの試合を観戦してもいいと言ってくれたらしいが、さすがに嫁の立場としてそんなことは出来ないとのことだった。
陽介は、致し方ないことだとは言え、よっちゃんをレフトアタッカーとしてスターターで使うつもりだったので、後2回の練習でポジションを変えないとならないことを余儀なくされた。
ただ、よっちゃんが言うには、試合には出れないが練習には来れるとのこと。
陽介は、よっちゃんの話しを聞いてから、全く酔うことが出来ず試合当日のポジションのことばかり考えていた。
すると、ヤマちゃんが陽介のそばに来て、「陽ちゃん、私がレフトやるよ!、セッターをマメちゃんにしてハーフセンターにイソちゃんを置けばいいよ!」と言った。
しかし陽介は、「それじゃぁ、家庭婦人と同じポジションじゃない!、出来れば一般大会は3枚ブロックでやりたかったんだけど…」と言って下を向いた。
ヤマちゃんは、「仕方ないよ。だっていない人をレフトにするわけにもいかないでしょ?、それに皆な『地域連盟』の一般大会で色々なことを経験した訳だから、家庭婦人と同じポジションでもきっと今までとは違うと思うよ!、皆な一生懸命やるから大丈夫だよ!、だからサッサと腹を決めて飲もうよ!」と言ってくれた。
陽介は、「分かった!、皆を信じるよ!、一生懸命練習してるしね。きっと大丈夫だよね!」と言って、紹興酒のロックを一気に飲み干し、まわりのメンバーを見た。
だが、陽介のその期待は、酔っ払いの猛獣達からは微塵も感じ取れなかった。
陽介は、「どうしてこの人達は、酒を飲んでる時はこんなに楽しそうで元気なんだろう?、バレーボールの練習をしている時は、悲壮感さえ漂っているのに。それに今度の永竹クラブの試合は、第一試合がママさんチームだから勝てるとしも、第二試合・決勝戦は企業チームになるからよほど頑張らないと、優勝まで手が届かないんだけど…」と思い、「ヤッパリもう一度考えるよ」とヤマちゃんに言った。
その様子を見ていた三輪さんと川さんが、「ヤマちゃんが言う通りだよ、陽ちゃんがここでいくら悩んでも、よっちゃんは出れないんだから!、出来ることの中で最善をつくして頑張ろうよ!」と言い、よっちゃんは「私が後2回の練習は、反対側のコートからアタックを打つから、それで実戦練習をしようよ!」と言ってくれた。
陽介は、「それが皆の総意なら、それで挑戦しよう!、皆なそれでいいですね!?」と他のメンバーに聞いた。
すると、全員が片手を上げて親指を立てた。
陽介は腹をくくり、一般大会を家庭婦人のポジションで臨むことにした。
やっと、気兼ねなく飲めることになり、あらためて生ビールをたのんだ陽介であったが、ゾウアザラシが陽介に、「チャーハンまだなの?、陽ちゃん何人前たのんだの?」と大きな声で吠えた。
陽介は、「チャーハンなんて、たのんでないよ!」と言うと、ゾウアザラシは、「だってさっき、チャーハンにしよう!、皆なそれでいいですね!?って聞いたじゃない!」と不機嫌そうな表情で言った。
さっき全員が片手を上げ、親指を立てたのは、「挑戦しよう!をチャーハンにしよう!」と聞き間違え、さらに陽介が「皆なそれでいいですね!?」と同意を求めたと勘違いしてのことだった。
陽介は、この恐ろしいまでの極楽とんぼ達を目の当たりにして、今日は酔って全てを忘れようと決心した。




