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11月一般大会に向けて 嬉しい訪問者 1

 さて、11月の一般大会に向けて練習に励む永竹クラブであったが、相変わらず基礎練習に励んでいた。


 そしてよっちゃんは、縄跳びを一回の練習で10分間こなしてから、アタック練習に入るということを繰り返していた。


 ある練習日、永竹クラブが練習をしている体育館に、実業団で活躍していた元選手Kさんが練習に顔を出した。ヨシちゃんの友達の友達の親戚の友達という、ほぼ赤の他人という関係ではあるが、練習に参加してくれたのだ。


 皆なは大喜び。テレビで見たことのある人が、練習に来てくれたのだから…。


 せっかくなので陽介は、大御所とキャプテンであるヨシちゃんに相談して、今日の練習を全面的にKさんにお願いすることにした。


 Kさんは、快く了解をしてくれたが、陽介に「永竹クラブはA区で強いと聞いたのですが、どうして基礎練習に時間を多くかけているのですか?」と尋ねて来た。


 「実は、僕が永竹クラブの監督になった時、皆な勝負にこだわるような練習や試合が出来ていない状況でした。本人達は試合に勝ちたい!と言ってはいるものの、チームとしてはバラバラで更にはパスやレシーブも全く出来ない状況だったので、まずは基礎練習から始めないとこのチームの先は無いと考えたのです。その意味で言えば、A区で強いというふうに評価されているとすれば、基礎練習の積み重ねだけで勝って来たと言ってもいい状況で、僕から言わせてもらえば、まだ9人制バレーボールをしている状況には至っていません。したがって、皆な一生懸命頑張ってつまらない基礎練習を続けて来ましたが、その精度を高めるために今も続けているのです。」と陽介は返答した。


 Kさんは、「ママさん相手に、勇気ある指導ですね!」と笑いながら言い、「よくそれを貫いていると感心します。とかくママさんは口でバレーをやりたがる人が多いのですが、監督も大変ですね!」とねぎらいの言葉もかけてくれた。


 ひと通り話をした後、Kさんは早速練習を始めてくれた。


 Kさんが最初に始めた練習は、サーブだった。


 Kさんはメンバーに、「サーブは、ただ打つだけではなく、一番最初の攻撃だと思って打って下さい。いや考えて打って下さい!、良いサーブが打てればその後の展開も有利に進められるし、エースならば即1点になりますから!」と言い、自らサーブを打って見せた。


 さらに、「サーブを打つ時は、集中して良いサーブ打つイメージを頭の中で描き、自分のタイミングで打ちましょう!、ただし主審の吹笛があってから8秒以内に打たなければならないので、その間に自分のタイミングで打つようにして下さい。」と付け加え、自分のホイッスルを吹き5分間サーブを打たせた。


 5分後Kさんは、「それでは、私がサーブ許可の吹笛をしますから、1人ずつサーブを打ってみましょう!」と言い、まずはレギュラーが予定されているメンバーから、試合で予想されるサーブ順で打つことになった。


 1番目は、井口ちゃん。Kさんの吹笛後、良いサーブを打った。


 Kさんは、拍手をしながら井口ちゃんをほめる。


 2番目は、キーちゃん。Kさんは同じようにほめた。


 3番目はマメちゃん。4番目はシズさん。5番目はよっちゃん。


 しかし、よっちゃんは2本のサーブをミスした。


 Kさんは、「よっちゃん、あなたのサーブの威力は練習中から凄いと思っていましたが、その威力のあるサーブが相手コートに入らなければ、ただ相手に点をあげるだけになってしまいます。そのことをよく考えて練習に取り組んで下さい。」と助言してくれた。


 6番目は、ハリちゃん。7番目はヤマちゃん。8番目はイケさん。


 Kさんは、「力がある人、バレーボールの技術の優れている人、色んなタイプの人が集まってチームが出来ていると思います。全員が凄いサーブが打てれば言う事はありませんが、中々そういう訳にはいきません。ですから、今の自分の力を精一杯出してプレーをすることが重要です。もちろん2本のサーブをミスしてしまうと、相手に無条件で点を与えてしまうこともしっかり考えて、サーブを打たなければいけません。」とシズさんやイケさんのように、サーブがあまり得意ではないメンバーにも諭した。


 続いて、9番目はヨシちゃん。Kさんはホイッスルを吹いた。


 しかしヨシちゃんの打ったサーブは、誰が見てもKさんが言うところのサーブには見えなかった。

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