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11月一般大会に向けて 2

 11月の一般大会に向けて始まった、練習初日終了後の『これからの時間』で、大御所の三輪さんに「陽ちゃん、よく思い直してくれたわね?、私なんか練習を見ていて、どうなるのかヒヤヒヤしちゃったわよ。」と言われ、


 「いゃ~ぁ、本当に申し訳ありませんでした。何とか次の一般大会で永竹クラブを優勝させたくて、気負っていたようです。確かに永竹クラブは、A区の大会では家庭婦人大会・一般大会を問わずチームの成長を見せていますが、『地域連盟』の試合で得たものは、基礎練習の大切さでした。それをすっかり忘れて一つ上を行こうとしてしまい、皆なには本当に悪いことをしました。」と、あらためて陽介は詫びた。


 三輪さんは、「まぁ、上を目指す過程では、こうした練習もあるんだ!、ということが分かったんだし、良かった面もあったってことにしましょうよ!、ところで次の練習から、よっちゃんに縄跳びをさせるって言ってたけど、どういうことななの?」と説明を求めた。


 「よっちゃんは、地肩が強く馬力もあって、ハマった時のアタックは物凄いのですが、いかんせん荒削りでアタックの助走や踏み切りが万度違うんです。結果ミートするポイントもマチマチになってしまい、安定感がありません。このままではレフトアタッカーとしては使いにくいので、もう一度基礎からアタックの練習をさせようと思い、縄跳びをしてもらおうと考えました。ただ縄跳びをするだけではありません。よくボクサーが練習でするようなジョギングスタイルで飛んで、タイミングよく二重跳びをまぜるのです。これはアタックの助走から踏み切る時の感覚を覚えてもらうためなんです。ほら、昔の野球の選手がバットでタイヤを叩いたり、ボクサーが薪を割ったりして、インパクトの感触を養うのと、似たようなものですよ!」と陽介は説明した。


 さらに三輪さんは、「陽ちゃんは、永竹クラブは一般大会で優勝出来ると思ってるの?、本当のところを聞かせてよ!」と聞いてきた。


 陽介は、「A区であれば、優勝する可能性はあると思います。しかし今のレベルでは、間違って優勝することはあっても、本当の実力で優勝するのは、難しいでしょうね。少なくとも、この前の『地域連盟』のような上部の大会で、最低2勝は出来る位の力をつけないと…。」と言うと、


三輪さんは「じゃぁ、かなり難しいってことね。」と弱気になったが、陽介は「そんなに難しいことでもないですよ!、問題は正確なパスやレシーブ、強いサーブをどこまで出来るかです。攻撃は、ヤマちゃんとヨシちゃんの170㎝コンビがいますからね。ただ『犬と猿』だということが、試合中に良い方向行けばいいんですが…。」と、不安も口にした。

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