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11月一般大会に向けて 1

 『地域連盟』の試合に参加して、自分達の実力がまだまだだということを、感じた永竹クラブ。


 今度は、11月に行われるA区の一般大会に向けて練習を開始した。


 陽介は、11月の一般大会に向けて練習の内容を、メンバーに説明することにした。


 その内容は、


・練習するネットの高さを、2m15cmから2m20cmに変更する。

 (家庭婦人の公式試合のネットの高さは2m05cm、一般大会(女子)の公式試合は2m15cmであるため、練習ネットの高さを上げて感覚を養うため)


・レフトアタッカーによっちゃんを戻し、ヤマちゃんをセッターにする。

 (3枚ブロックで、一般大会は勝負をしたい)


・ブロックでワンタッチした後の二段トスの練習を、新たに導入する。

 (一般大会で勝ち抜くためには、ブロックがワンタッチした後のボールを、二段トスして切れ目なくプレーが出来る機会を増やさないとならないと考えたため)


などであった。


 さらに陽介は、「これら練習をするにあたって、一番重要なのは正確なパスです。したがって今までして来た練習も、引き続きやります。練習メニューが増えるということは時間も必要となりますので、次の練習メニューに移る時間などを素早くこなすなどして、集中して練習をしましょう!、一般大会までの練習回数は6回しかありません。皆さん一緒に頑張りましょう!」と言った。


 しかしメンバーからは、練習ネットの高さを上げることに異論が出た。


 いくら感覚を養うためとは言っても、ブロックする時にネットから手が出なければ練習の意味がないし、アタックもネットを越えなければ、意味がない。とのことだ。


 陽介は、「僕もそう思います。だけど、やろうともしないうちから、出来ない!と言うのは、如何なものでしょう?、一般大会のネットの高さは2m15cm、練習ネットは2m20cm、わずか5cmの違いです。頑張って挑戦して下さい。どうしても無理なら、その時考えましょう!」と説得して、早速練習ネットの高さを上げさせた。


 ひと通りいつものように基礎練習を終え、マメちゃんをハーフセンターに置き、反対側のコートからボール入れ、セッターヤマちゃんにパスを出し、ヤマちゃんが上げたトスを、レフトよっちゃんとキーちゃん、中衛レフトにハリちゃんと和気ちゃん、ライトにヨシちゃんとイケさんと芦さんを交代で打たせる練習を始めた。


 もちろん、ネットの高さは2m20cm。(永竹クラブは、陽介が監督になる前から、練習ネットは2m15cmで練習をしていた)


 アタックの練習をする者が全員2回打ったところで、陽介は練習を中断した。


 中衛レフトのハリちゃんと、ライトのヨシちゃんが、弱々しいアタックを打つものの、他のメンバーの打つアタックは全くネットを越えなかったからだ。


 特によっちゃんは、たった5cmの違いに戸惑っている様子で、思いっきり助走が出来ない。ネットの手前で助走をやめてしまい、スタンディングジャンプで打つポイントをあわせている。


 陽介は、急遽アタック練習をするメンバーを中衛レフトのハリちゃんと、ライトのヨシちゃんの2人だけにし、5分間続けた。


 そして、次回のアタック練習からは、よっちゃんに縄跳びによる練習をさせることを伝え、ブロックのワンタッチ後の二段トス(ワンタッチトス)の練習に移った。


 陽介は、バックライトとハーフセンターにメンバーを置き、陽介が投げるボールを直接レフトに二段トスするように指示した。


 しかし、中々レフトアタッカーが打てるような二段トスが上がらない。そもそもオーバーパスでは力不足でレフトまでとどかないことが分かった。


 アンダーパスで二段トスを上げるように指示したが、これも中々方向が安定しない。


 陽介は、このまま練習を続けても、今度の一般大会には間に合わないと思い。やはり、今出来ることの精度を上げる練習にするべきだと思いなおした。


 そして、集合させたメンバーを前に、「さっき言ったように、セッターはヤマちゃんで一般大会は臨みたいですが、今日の練習を見ていると、出来ない練習を続けるより出来ることの精度を上げるための練習をするべきだと思いました。つきましては前言を翻して、ネットの高さも元に戻し、ワンタッチトスの練習もしばらくはやめようと思いますが、どうでしょう?」と相談してみた。


 メンバーは、「絶対にその方が良い!」と言って、賛成してくれたので、ネットを以前の高さに戻し、あらためてアタック練習をさせ、その後すぐにシート練習に入った。


 練習終了後の総括で、「今日は、練習メニューの件で皆さんにいらない不安を与えてしまい、申し訳ありませんでした。『地域連盟』の試合を経験して気負ってしまったのかもしれません。皆さんの方が冷静でした。本当にごめんなさい。」と陽介は誤った。


 しかし、よっちゃんの縄跳びの練習は、次回から行う旨を言い、練習を終えて『これからの時間』に向かった。

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