表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

156/377

#15彩姉さん、事実上の引退宣言 1

 無理矢理、彩姉さんの車に乗せられた陽介は、同乗しているのが彩姉さんと仲が良い和気ちゃんだったということもあり、「彩姉さん、今日の試合でのプレーは酷かったですね。サーブは良かったけど体調不良でボールも追えず、レシーブは最悪でした。しかも体調が悪い理由が二日酔いなんでしょ?、そんな姿勢で試合に臨むんじゃ、ユニフォームを着れずベンチにも入れなかった他のメンバーに失礼ですよ!」と遠慮なく言った。


 彩姉さんは小さな声で、「反省してます。スミマセン。」とつぶやいたが、陽介は「僕に言われてもねぇ、皆に謝った方がいいんじゃないですか?」と返した。


 それを聞いていた和気ちゃんが、「そこまで言わなくたって、いいじゃない!。彩ちゃんだって反省してるって言ってんだから!」と語気を強めて言った。


 しかし陽介は、「反省するなんて当たり前のことですよ。でも自分のパフォーマンスをわずかしか見せることが出来ず、さらにコートの中で誰がどう見ても具合が悪い様子を醸し出したのに、その当日にまた飲もうってことなんでしょ?、皆な集まって飲むのは楽しくて良いかもしれませんが、汗をかいて酒が抜けたからまた飲もうなんて、以前の永竹クラブと一緒じゃないですか!、僕はそんな飲み会、付き合いたくないですね!」とハッキリ言った。


 彩姉さんは、「本当に申し訳なかったと思ってる。後で皆にも謝る。だから今日の飲み会は付き合ってネ!」と陽介に言った。


 「でも、こんなに早い時間から中華料理屋は開いてないでしょ?」と陽介が言うと、「さっき電話して、開けてもらうようにお願いしたから大丈夫!」と笑顔で彩姉さんは言った。


 『地域連盟』の試合が行われていた体育館は、そもそもA区からそれほど遠くない。


 30分位車に乗ったであろうか、いつもの中華料理屋に到着した。


 すでに中華料理屋のママさんが店に来ていて、彩姉さんが「ゴメンね!、こんな早い時間に店を開けさせちゃって!」と言うと、ママさんが「いいのよ、彩ちゃんの話を聞いたら、どうしても開けないといけないと思ったから。でも料理する人が来るのは16時頃だから、それまでは揚げピーナッツとか、陽ちゃんが好きなネギチャーシューとか、簡単な物しかないけどいい?」と言い、「飲み物があれば、それで十分よ!」と彩姉さんは、ママさんと握手した。


 陽介は、いつもと違う2人の光景を、チョッと不思議な気持ちで見ていたが、他のメンバーの荷物を車から店の中に運んでいる和気ちゃんに、「彩姉さん、何かあったの?、ママさんと握手なんかしちゃってるけど?」と聞いてみた。


 和気ちゃんは、「知らない」とだけ言って、荷物運びを続けた。


 しばらくすると、電車組みや他の車に相乗りしていたメンバーが、中華料理屋に到着した。


 皆な、まだ試合の結果に影響をされ、暗い表情のように見えた。


 しかし、この暗い表情は、試合の結果に影響されているものではないことが、後で分かったのだが、この時陽介は事の成り行きを全く予想していなかった。


 A区の体育館で、シャワーを浴びていたメンバーも中華料理屋に到着し、いつものように大御所の三輪さんと川さんが立ち上がり、「今日、私達は、『井の中の蛙』であったことを知りました。陽ちゃんは今日の試合を終えて、今後永竹クラブがどのようにしたいのかを、次の練習で皆なに問いたいと言ってますが、まだ時間も早いし、その件も少し話し合えたらと思っています。では、取り合えず試合には完敗しましたけれど、カンパイをしたいと思います。カンパ~イ!」と上手いことを言って、皆なグラスを重ねた。


 すると、彩姉さんが「今日は帰っちゃった人もいるけど、私から皆さんに伝えたいことがあります。まずは、今日の試合で私の体調不良でご迷惑をおかけして、スミマセンでした。それと…」と話し始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ