無謀!? 『地域連盟』の一般大会に参加した永竹クラブ 3
永竹クラブのサーバーは、#9井口ちゃん。A区では指折りのサーバーだ。
#9井口ちゃんが、速くて低くてエンドラインまでとどくサーブを打った。
いろは信用金庫は、バックセンターがあっさりレシーブ。セッターがレフトアタッカーに、低い平行トスを上げる。
レフトアタッカーは、永竹クラブの中衛ライト#19イケさんとライト#2ヨシちゃんの高い2枚ブロックめがけアタック。
ブロックのワンタッチがあった永竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんが、アンダーでレフト#2ヤマちゃんに二段トス。
#2ヤマちゃんは、ネットから離れたトスを打ち切れず、チャンスボールをいろは信用金庫に返す。
いろは信用金庫は、ハーフセンターがセッターにパス。するとそのパスを出した瞬間、中衛レフトと中衛ライトが同時に速攻を打つために助走に入る。
中衛レフトは「B、B!」、中衛ライトは「C、C!」、レフトアタッカーは「レフト~!」、ライトアタッカーは「ライト~!」と、大きな声でトスを呼ぶ。
永竹クラブは、何処をマークして良いか分からない。いや、そもそも今までこのような攻撃を経験したことがない。
レフト#2ヤマちゃんと中衛レフト#8ハリちゃんが、相手のライト側に寄ってブロックの準備。中衛ライト#19イケさんとライト#1ヨシちゃんは、相手のレフトに寄ってブロックの準備。
しかし、いろは信用金庫のセッターは、ハーフセンターに低いセミのトスを上げ、ハーフセンターは全くノーマークの永竹クラブコートに突き刺さるアタックを決めた。
永竹クラブ1-4いろは信用金庫
永竹クラブは、経験したことのない攻撃に、唖然としている。
何度も言うが、いろは信用金庫は『地域連盟』では、中堅どころのチームだ。
いろは信用金庫のサーブ。
今度は、ジャンプサーブを打った。
永竹クラブは、バックセンター#3キーちゃんがはじき、失点。
陽介は、タイムアウトをとった。
永竹クラブ1-5いろは信用金庫
ベンチに戻って来たメンバーは、一様に下を向いて寡黙だ。
陽介は、「皆さん今日の試合は、残念ながらレベルの違いを経験する場となりました。しかし、永竹クラブが今出来ることを、精一杯プレーしましょう!、出来ない事をやろうとしても所詮出来ません。パスをする時の体重移動や、速くて低くてエンドラインまでとどくサーブなど、練習でやってきたことをプレーに出せるように頑張りましょう!、それとどんなにレベルが違っても、声だけは出せるはずです。全く点数が取れなくても仕方ないじゃないですか!、問題は、今の永竹クラブの力をどれだけ出せるかです。それが点数につながらないのであれば、今後つながるように練習を重ねればいいんです。さぁ、声を出して元気よく頑張りましょう!」と言って、下を向いているメンバーの背中を押した。
しかしこの後も、チャンスボールをいろは信用金庫コートに返すの精一杯で、このセットの永竹クラブの得点は、序盤にレフト#2ヤマちゃんがブロックアウトをとった1点と、相手のサーブミスによる2点。合計3点だけだった。
永竹クラブ3-21いろは信用金庫
コートチェンジをして、2セット目に向かうインターバルを利用して、「厳しい試合ですが、この試合を通じて何かを得なければ意味がありません。おそらく皆さんは、パスの正確さやサーブの質の違い、チームの結束力などの必要性を感じていると思います。僕が普段の練習の時、基礎練習に時間を多くとっている意味も分かってもらえたと思います。しかし、このままで終わってはいけません。一つだけでもいいから、永竹クラブらしいプレーをしましょう!、それが次につながりますから!」と陽介は言って、2セット目は、#17よっちゃん ⇒ #15彩姉さんの交代を指示した。