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9月 家庭婦人大会 21 いよいよ終盤! 2

 日の出クラブのサーブが続く。


 永竹クラブはバックライト#9井口ちゃんがレシーブ。セッター#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトス。


 #2ヤマちゃんは、日の出クラブの2枚ブロックからブロックアウトをとった。


永竹クラブ18-11日の出クラブ


 永竹クラブのサーバーは、#9井口ちゃん。


 #9井口ちゃんは、鋭いサーブを打った。


 日の出クラブは、バックライトがレシーブ。中衛ライトがレフトアタッカー長身外国人ママさんに二段トス。


 長身外国人ママさんは、残っている力を振り絞ってアタックを打ち、決めた。


永竹クラブ18-12日の出クラブ


 日の出クラブのサーブ。


 永竹クラブは、ハーフセンター#16イソちゃんがレシーブ。セッター#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトス。


 #2ヤマちゃんは、力強いアタックを日の出クラブのコートに突き刺した。


永竹クラブ19-12日の出クラブ


 永竹クラブのサーバーは、#3キーちゃん。


 日の出クラブは、ハーフセンターがオーバーでレシーブ。セッターはレフトアタッカー長身外国人ママさんにトスを上げたが、トスがネットから離れ、長身外国人ママさんはチャンスボールを永竹クラブに返す。


 永竹クラブは、バックライト#9井口ちゃんが、セッター#6マメちゃんにパス。#6マメちゃんはレフト#2ヤマちゃんにトス。


 #2ヤマちゃんは、日の出クラブの2枚ブロックから、冷静にブロックアウトをとった。


永竹クラブ20-12日の出クラブ


 ついに、永竹クラブが、マッチポイント、優勝ポイントを握った。


 陽介は、コートに向かい、「点数を見て!、この点数で何をすれば良いか?、自分達で考えてプレーして!」と、大声で言った。


 永竹クラブの#3キーちゃんのサーブが続く。


 #3キーちゃんは、日の出クラブのコートに、強いサーブを打ち込んだ。


 日の出クラブは、中衛ライトがレシーブ。セッターはレフトアタッカー長身外国人ママさんにトス。


 長身外国人ママさんは、必死にアタックを打つ。


 永竹クラブの高い2枚ブロックに触れずに打ち込まれたアタックは、バックレフト#15彩姉さんを襲う。


 #15彩姉さんは、何とこのアタックをナイスレシーブ。セッター#6マメちゃんは、中衛レフト#11和気ちゃんにトス。


 #11和気ちゃんは、「うにゃゃゃ~!」叫びながら重い体に鞭打ってジャンプ。


 #11和気ちゃんは、優勝を決めるアタックを日の出クラブのコートに突き刺した。


永竹クラブ21-12日の出クラブ


 #15北極グマがレシーブして、#11ジャイアントパンダが優勝を決めるという、永竹クラブにとってはこれ以上ない結果であった。


 全員両手を突き上げガッツポーズ。ホッキョクグマとジャイアントパンダはコート中央で抱き合いながら泣いている。


 まるで千秋楽横綱相星決戦で、がっぷり四つに組み合っているかのような光景だ。


 主審から小刻みに吹笛され、試合後の挨拶をうながされる。


 主審が吹笛をし、両チームの選手がネットを挟み握手をし、健闘を称え合った。


 観客席にいたメンバーも、ベンチのメンバーも、全員が陽介のところに駆け寄って来て大喜び。


 間違えなく、今、永竹クラブが持っている実力を、全て発揮して手に入れた優勝だった。


 彩姉さんは、「陽ちゃん、私もう死んでもいい!、今日一日の試合のビデオを、必ず棺桶に入れてネ!」と言って、号泣した。


 和気ちゃんは。「陽ちゃん、ありがとうネ!、あんたのおかげで良い思いが出来たよ!」と言って、こちらも号泣だ。


 何か、本当にこれで人生が終わるのではないかと思わせるような言葉に、陽介はチョッと不気味ささえ感じるほどだった。


 その時、どこかで嗚咽まじりの妖怪のような声が聞こえた。メンバー皆がその声の方を見ると、大御所の三輪さんと川さんが、彩姉さんと抱き合って喜んでいる。


 どうも妖怪の声の主は、泣きながら携帯で『これからの時間』のために、中華料理屋のママに予約の時間を会話している彩姉さんのようだった。


 陽介は、「このオバサン、この状況で、違う意味ですげーな!?」と、あらためて思った。


 表彰式が始まり、優勝カップと表彰状と副賞のボールを、キャプテン#1ヨシちゃんと#15彩姉さんと#11和気ちゃんがそれぞれ受け取り、笑顔で記念撮影をした。


 体育館を出た廊下でも、メンバー一人一人が優勝カップを持っての記念撮影が行わられ、永竹クラブのメンバー全員が、「さぁ~、飲むぞ!」と言って、中華料理屋に向かった。

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