表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

119/377

7月 企業の冠が付いた 家庭婦人大会 1

 さて、永竹クラブの皆なも楽しみにしていた、企業の冠が付いた家庭婦人大会の日が来た。


 8チームでのトーナメントだが、ここ数年この大会で優勝を重ねている、A区の家庭婦人女王『蕨クラブ』も参加している。


 永竹クラブと蕨クラブは、前回の家庭婦人大会でA区の連盟史上、最長試合時間を記録したことは記憶に新しい。


 この大会の試合組み合わせは、冠になっている企業が独断で決めることになっていたが、永竹クラブと蕨クラブは、取りこぼしなく勝ち進むと、決勝で当たるように試合が組まれていた。


 きっと前回の家庭婦人大会の様子を、情報として入手していたのであろう。


 企業の冠大会であるが故に、開会式は通常行われる一連の挨拶やルール説明(ローカルルールを含む)の他に、その企業の宣伝や、大会終了後にチームにもれなく贈られる参加賞の内容、またこの大会の結果を加味してA区の代表になった場合の、親睦大会開催県における遠征日程や宿泊施設の説明があり、いつもの開会式より10分ほど長くとり行われた。


 第一試合は、Aコート・Bコート共に9時45分プロトコールだと、大会本部からアナウンスがあり、開会式に参列していたチームが一斉に準備に入った。


 永竹クラブの初戦は、Bコート第二試合。対戦相手は『あじさいクラブ』。永竹クラブより格下の相手だ。


 程なくBコートの第一試合が終わり、永竹クラブの試合となったが、この試合、試合経過を列記する内容がないほど、永竹クラブがあっさり勝った。


 第1セット 永竹クラブ21-5あじさいクラブ 

 第2セット 永竹クラブ21-7あじさいクラブ


 続く永竹クラブの第二試合の対戦相手は、3月の家庭婦人大会でも対戦した『海岸クラブ』。


 この試合も、実力の差を見せつけ大差で勝った。


 第1セット 永竹クラブ21-4海岸クラブ 

 第2セット 永竹クラブ21-3海岸クラブ


 この結果永竹クラブは、順当に決勝戦に駒を進めた。


 陽介は、「これだけ真面目に練習を続けているのだから、勝って当然!」と内心思っていたが、決勝戦の相手はおそらく蕨クラブだろうと予想しているので、この2試合が何か上手く行き過ぎてかえって不安だった。


 永竹クラブのメンバーも、#11和気ちゃんと#15彩姉さんの2人を除きコートに送り出し、皆なそれなりに活躍をした。


 大御所の#14三輪さんも#4川さんも、コートに出て活躍した。


 #4川さんが、「絶対優勝して、一緒に遠征に行こうね!」と、笑顔で陽介に言った。


 この大会は、参加チームが8チームであったため、試合進行が早く12時30分頃に45分の昼食タイムが設けられた。もちろん昼の弁当も登録用紙に記載されている監督をはじめ、全メンバーに企業から提供された。昼の弁当としては、かなり豪華な物だった。


 昼食タイムが終わると、AコートとBコートで敗け戦が行われ、続けてAコートで決勝戦が行われる。


 13時25分から、敗け戦のプロトコールが行われる旨のアナウンスが大会本部からあった。


 すると#15彩姉さんが、試合進行状況から、どう見ても15時30分には決勝戦が終わると見込んで、携帯電話を手にして中華料理屋のママに電話を始めた。「ママぁ、永竹クラブの彩子ですけど、今日はね少し早いんだけど、16時からお店開けてもらってもいい?、いつもわがまま言ってゴメンね!、えっ、貸し切りにしてくれるの?、本当に?、ん、ありがとう!、じゃぁ16時からってことで!」と、『これからの時間』を予約した。


 陽介は、「しかし、この人達は、どれくらいあの中華料理屋にお金を使っているのだろう?、日曜日の16時からという時間から閉店まで、貸し切りを気遣わせるなんて!?」と、感心した。


 さて、決勝戦が行われるAコートでの敗け戦が、意外に長引き14時40分から決勝戦のプロトコールをすると、大会本部からアナウンスがあった。


 いよいよ決勝戦。対戦相手はやはり、A区の家庭婦人女王『蕨クラブ』だった。


 しかし、今回の蕨クラブは、チョッと様子が違う。


 予選も格下相手に、大分苦労して決勝まで勝ち上がっている。蕨クラブの第二試合ではフルセットを戦っていたようだ。


 陽介は、永竹クラブの試合進行が早かったので、蕨クラブの戦いを見ていなかったが、蕨クラブの決勝戦の公式練習を見た時、レフトの若きエースがいないこと、ベンチに選手(監督以前からいない)がいないこと、結果蕨クラブは全部で9人のメンバーであることに気が付いた。


 陽介は、前回フルセットで惜しくも敗けた試合を思い出し、気を引き締めて行かないといけないと、思った。


 主審の公式練習終了の吹笛。


 永竹クラブは、ユニフォームを着た16人が円陣を組み、陽介が、「今までの練習の成果を、コートで出そう!、大丈夫、あなた達は一生懸命練習してきたんだから!、さぁ、行こう!」と言って、16人全員をコートエンドラインに送り出した。


 主審の吹笛で、両チームがネットを挟み挨拶。続いてスターターがエンドラインに整列して、副審と記録員の確認が始まる。


 主審の試合開始の吹笛。


 いよいよ、企業の冠が付いた、家庭婦人大会の決勝戦が始まった。優勝すれば12月の遠征が濃厚である。永竹クラブの選手は必然的に盛り上がっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ