ん、『永久欠番』??? 3
北極グマが戻ってくると、「じゃぁ、川さん、話しを先に進めて下さい。」と言ったので、さすがの陽介も、「僕もトイレに行きますから、それまで待って下さいよぉ~!」と言って席を立ったが、気付けば、猛獣御一行の数頭がトイレの前で並んでいた。
陽介は、自分のキャパシティの限界を悟り、店から出てコンビニに走って、ようやくトイレを済ますことが出来た。
コンビニから中華料理屋に戻ると、トイレに並んでいた数頭も席につき、料理を食べ酒を飲んでいた。
陽介が川さんに、「続きをお願いします!」と言って、話しが再開された。
「辞めると皆が思ってたんだけど、#12は居座ったのよ。本人は本気で、自分がいなければ永竹クラブはダメだと思ってたみたい。」
陽介が、「#12は、そんなにバレーボールが上手かったんですか?」と、聞くと、
「全然上手くなかった。むしろビックリするくらい下手だった。でも、自分のプレーがうまく行かないのは、他の人が下手なせいだとよく言ってたし、一事が万事、うまく行かないことは全て他人が悪いと思ってたみたい。」
「結局#12は、永竹クラブにいても、「自分が活躍出来る場所はない!」と言って、自ら辞めたんだけど、その後がまた大変だったの!」
「えぇぇぇ~、その後があるんですか!?、まさか#1を付けて今もプレーしてるとか?」と、陽介がおちゃらけると、
「そういうことを言うのは、冗談でもやめなさい!」と彩姉さんが、陽介を叱った。
しかし陽介は心の中で、決して冗談のつもりで言ったんじゃないと、叫んでいた。
そして川さんに、「大変だったその後って、何ですか?」と早くその先を聞きたくて、お願いした。
川さんは、「自分から辞めると言って、永竹クラブから離れてくれたと思ったんだけど、今度は自分がチームを作ってA区の連盟に加入しようとしたのよ。その加入するときに提出する選手登録用紙に、#12のことを認めていたA区の連盟役員を監督として登録したの。そこまでは別にどうでも良かったんだけど、登録用紙に記載されていた選手は、永竹クラブの選手が数人いたの。もちろん永竹クラブにも永竹クラブの選手本人にも、全く無許可でね。さすがに皆な怒って連盟に抗議して、#12の新チームは連盟に加盟することが出来なくなったのよ。」
「だから、永竹クラブは、#12みたいな人にならないように、新入部員には、絶対に#12はつけないし、二度と嫌な思いをしないように、#12を『永久欠番』の一つにしたの。だから#12の人はそういう意味で、永竹クラブに影響を与えたって言ってもいいかもね。」
陽介は、「話しは大体分かりましたが、#12の人が新チームを登録しようとして担いだ監督って、A区の連盟の〇〇さんですよね?、あの人こそ無茶苦茶評判悪いですけど、#12を認めていたんですか?」
陽介のこの問いに、彩姉さんが、「色々なことがあってね、みんな#12の新チームの監督が〇〇さんだと聞いた時、あぁ~、なるほどね。と思ったのよ。でも、その理由は陽ちゃんは知らなくていいし、知らない方がいい。多分永竹クラブの全ての人に聞いても、絶対に話さないと思うしね!」と、何か意味深の様子で言った。
陽介は、その訳を聞きたくて聞きたくて、何度も川さんや彩姉さん、和気ちゃんにもせがんだが、絶対に口を割らなかった。
どうしても話せない事情があるのだろうと、この場は諦めたが、いつか聞き出したいと思いながら、
「さっき、『永久欠番』の一つが#12だと言ってましたが、他にも『永久欠番』があるんですか?」と陽介は川さんに聞いてみた。




