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ん、『永久欠番』??? 1

 7月の企業の冠が付いた家庭婦人大会は、基本的に日本バレーボール協会の9人制バレーボールのルールにのっとり行われるが、その企業の希望により、チームに登録されている構成員全員をベンチに入れることを可能にした(選手交代は3回まで)、ローカルルールを採用していた。(当時の公式ルールでは、コートに9人、ベンチに3人で、選手交代は3回までであった)


 さらにこの企業は、企業が生産する拠点県に所属するチームと、それを消費する都の地区の代表を、1年ごとに持ち回りで各都県に集め、親睦試合を12月初旬に開催してくれた。


 東京都では、永竹クラブの所属するA区、それとB区とC区の代表1チームずつ。企業の生産県は2県あり、各々3チームずつ。計9チームで親睦試合をした。


 その親睦試合が行われる会場が、その企業の生産拠点県であった場合は、A区・B区・C区の代表チームと他県の生産拠点県チームは、バスで送迎され、かなり良い旅館やホテルに宿泊をさせてくれた。もちろん参加費はあるが、格安の参加費であったので、この大会は人気があった。


 しかしこの数年A区の代表は、この大会でいつも優勝していた家庭婦人女王『蕨クラブ』だった。毎回代表チームが同じなので、過去にはその企業の希望で、蕨クラブ単独チームではなく、A区の代表チームを作り参加したことがあるそうだ。


 この大会のA区の参加チームは8チーム。トーナメント戦で行われ、3回勝つと優勝。1回戦で敗けても負け戦を行い、各チーム共2試合以上は必ず試合をさせてくれた。


 したがって、永竹クラブもこの大会を楽しみにしていたし、メンバー全員が、ユニフォームを着ることが出来た。


 陽介は、スターターとベンチメンバーを発表した。


#1ヨシちゃん(キャプテン・ライトアタッカー・像アザラシ)


#2ヤマちゃん(ハーフセンター)


#3キーちゃん(バックセンター)


#6マメちゃん(セッター)


#8ハリちゃん(中衛レフト)


#9井口ちゃん(バックライト)


#13シズさん(バックレフト)


#17よっちゃん(レフトアタッカー)


#19イケさん(中衛ライト)


ベンチ


#4川さん(大御所・レシーバー)


#7ヨネさん(中堅どころの大御所・レシーバー)


#10芦さん(レシーバー・中衛もこなす)


#11和気ちゃん(中衛・ジャイアントパンダ)


#14三輪さん(大御所・レシーバー)


#15彩姉さん(レシーバー・北極グマ)


#16イソちゃん(レシーバー・中衛もこなす、3月に入部した新人)


全部で16人での参加となった。


 陽介は、試合のメンバーを発表する時、いつも不思議に思っていたことがある。


 当時の9人制のルールでは、選手の背番号は1番~99番までとされていたが、ママさんバレーチームの登録用紙(構成員の背番号と氏名が書かれていて、試合ごとにその大会本部に提出しなければならない)を見ると、必ずしも通し番号で背番号が付いている訳ではなかった。


 当時の中学生や高校生(6人制)は、背番号の付与についてのルールは同様であったが、多くは通し番号が付いていた。例えばコートとベンチで12名の選手がユニフォームを着ていると、その背番号は1番~12番という具合に。


 陽介は、自分が6人制バレーボール出身であったので、永竹クラブの背番号に違和感があった。


 試合のスターターを発表した練習日の『これからの時間』で、陽介は大御所の川さんに永竹クラブの背番号の由来を聞いてみた。


 「永竹クラブの背番号は、なぜ通し番号ではなく、中途半端に飛んでる背番号があるんですか?」と。


 川さんが、「陽ちゃん、それどうしても聞くの?、お酒も入ってるから言ってもいいか!」と言うと、慌てて彩姉さんが、 「川さん、陽ちゃんには言わない方がいいんじゃないですか?、言えば陽ちゃんが「また、つまらないことで…」とか言い出しそうだし!」と止めた。


 陽介が、「そこまで言われると、どうしても聞きたい!」と言ってごねたので、川さんは渋々話し始めた。


 「実はね、『永久欠番』っていうのがいくつかあるのよ…」と


 陽介は、「ん、『永久欠番』???、意味が分からん」と思った。

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