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選手の思い、監督の思い 1

 5月の一般大会を3位という結果(永竹クラブが加盟していいた連盟では、3位決定戦は基本的に行われていなかった。体育館の使用時間の関係もあったかもしれない。)で終えた永竹クラブだが、陽介が早々に体育館を後にして欠席した、大会終了後の『これからの時間』の席で、やはり色々な意見が出たらしい。


 早速翌日、彩姉さんから電話があり、「今日の18時に中華料理屋に来て!、大御所の三輪さんと川さん、それに私と和気ちゃんが行くから。じゃぁ、宜しくネ!」と、相変わらず人の都合は一切聞かず一方的に用件だけ話し、電話は切れた。


 陽介が18時に中華料理屋に行くと、三輪さんと川さんと和気ちゃんが先に来ていて、彩姉さんは少し遅れるとのことだった。


 陽介が席に着くなり、和気ちゃんが「ママぁ~、生ビル4つ!」とオーダーした。


 中華料理屋のママが、テーブルに生ビール4つと、揚げ落花生、それに餃子を2人前持ってきた。


 ママは「このオツマミは、お店からのサービスよ!」と笑顔で言って、テーブルを離れた。


 川さんが、「陽ちゃん、昨日はお疲れ様、ありがとうネ!、かんぱ~い!」と言って、一同ジョッキを重ねた。


 生ビールを飲んで一息ついたところで、三輪さんが昨日の試合後の『これからの時間』で出た話をし始めた。


 三輪さんによると、


・今回の一般大会も、永竹クラブとしては以前とは違う戦いが出来た。それは皆が感じている。


・キーちゃんが、負傷してメンバーチェンジをしなければならなくなったのは、致し方ないとは思うが、どうしてポジションチェンジしてまで、戦わなければならなかったのか?


監督の言い分も分かるが、プレーをしているのは私達なのだから、この大会に向けて練習していたポジションで最後までやりたかった。


メンバー的に、やったことのないポジションチェンジまでして戦わなければならない事情は、私達には無かったので、正直言って不満だ!


とのことだった。


 陽介は、三輪さんの話を聞いて、「勝ちたいから、僕を監督に選んだんですよね?」と、逆に聞いた。


 その時、遅れてきた彩姉さんが、「遅くなってスミマセンでした。ママぁ~、生ビール3つちょうだ~い!」と言って、陽介の隣に座った。


 生ビールを3つオーダーしたのは、自分の分と陽介の分、そして和気ちゃんの分だそうだ。


 まだジョッキには、生ビールが残っているのに、気が利いているのか?、利ていないのか?、よく分からない。


 陽介は、「どうしていつも隣が北極グマなのだろう?」と思った。


 続けて彩姉さんが、「それで、どこまで話しをしました?」と三輪さんに聞き、三輪さんはまだ始まったばかりだと、彩姉さんに伝えた。


 そして三輪さんが陽介の質問に、「確かに、永竹クラブは皆なの総意で、勝ちたいから陽ちゃんを監督にお願いしたの。でもね、本人たちは今までやったことがないことをやるのが、怖いのよ。もっとハッキリ言えば嫌だって言ってるわ。」と、申し訳なさそうに陽介に言った。


 陽介は、「それでは、僕は監督クビってことですね。それを伝えるために、今日わざわざ集まって下さったんですね。」


 さらに陽介は「色々お気遣いいただいいて、ありがとうございます。ご心配いただなくても、わだかまりなく辞めますし、今後も永竹クラブを応援しますから、安心して下さい。」と言った。


 すると、北極グマが陽介の左腕をわしづかみ(北極グマなのに、わしづかみ)にして、「陽ちゃん、そういうことを言いたくて今日来てもらった訳じゃないの。陽ちゃんには監督を続けてもらいたい。これはこちらからお願いします。ただ私達は、試合中に陽ちゃんがチームのことを考えて指示してくれることが、経験がないから理解出来ないのよ。」


「だから、緊急やむを得ない事情でもないのに、普段やっていないことを試合の中でやることは、不安が先に立って、ストレスで嫌になっちゃうって、皆な言ってるのよ。」


 陽介は、「と言う事は、僕にその辺を改めろと言う事ですね?、自分達は勝つための戦術として監督が指示したんだと理解することはしないで、僕だけにそちらの言い分を理解しろ!と言ってるんですね!」と、声を荒立てて言った。 

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