ママさん(熟女)の逆襲 2
陽介は、自分が辞めると言って席をたったのだから、二度と一緒にバレーをやるつもりはなかったが、北極グマの言い分に腹が立って腹が立って、黙っていることができず、地元民であるメンバーに対し、明日のことを考えず、言い返した。
「いいですか、あなた達は日頃練習の後、このラーメン屋で「いつか優勝したよね!陽ちゃん手伝ってね!」って、いつも言ってるじゃないですか?あれは嘘ですか?思いつきですか?本音ではないのですか?」、「僕はまともに受け止めて、『優勝してのみ味わえる喜び』があるから、それを皆さんに味わってもらえるように頑張ってお手伝いさせてもらいます!と言いましたよ!」「でもあなた達が思っている、敗けたくて試合をやっている訳ではない、逆に言えば勝ちたいと思っていると、本当に思っていますか?僕にはそういうふうに全く見えません。」「さっき動けないから!と言っていたけど、僕が席を立ったらすぐさま腕をつかんで座らせたじゃないですか!?、それにバーゲンだったり、子供の運動会の場所取りとかは、物凄く素早いじゃないですか。」「ようするにあなた達は、何か理由を付けて動けるのに動けないと言って、勝つための練習をしたくないだけなんです。どんなに遅く家に帰っても或いは朝方帰っても、子供の弁当を作ったり、朝ご飯を用意したりするでしょ?勿論それは義務であると思いますが、目的を達成するための努力という意味では、相通じるところがあると思うんですよ!」「ママさんバレーは確かに趣味の範囲です。しかしその趣味に対し姉さんたちはそれを達成させようとする姿勢がないんですよ!だってこれじゃぁ、タダの飲み会でしょ?しかも曜日を決めた。酒が美味しく飲めるように汗をかいて…。その道具がバレーなんでしょ?これじゃぁ本末転倒、敗けたいと思ってやっている訳じゃないなんて、ウソばっかりですよ!バカバカしい。そんな人達と一緒にバレーはしたくないですネ!」「勿論あなた達はオリンピックを目指して練習を積み重ねている人達とは違いますし、飲み会が本当の目的でそれを達成させる手段がバレーもありだと思います。でもあなた達は『いつか優勝したい!だから陽ちゃん手伝ってネ!』って言った人達です。」「ママさんバレーは、社会生活を送っている過程での一つの趣味であることは間違えありません。だから出来ることをやろうとすればいいのです。やれるのにやろうとしないから腹が立つ!あなた達にそれをやろうとする姿勢があれば、僕は喜んでお手伝いをさせてもらいますし、必ず勝てるチームにしますよ!」と勢いあまって発してしまった。
ハッと気付くと、猛獣御一行は陽介を睨み、完全に威嚇の姿勢をとっていた。陽介は本能的に「ヤラレル!」と思ったが、北極グマは意外と冷静に「陽ちゃんの言い分は分かった。チョッと考えたいから、今日は帰って良し!」と言った。
陽介は、「言い過ぎたかなぁ?」と少し恐縮していたが、猛獣御一行が小さな声で何か話しているので、かかわらずに帰ろうとしたが、その声が耳に入ってしまった。「深夜に家に帰ると鍵を開けるとき音がするから、気を遣うよね!」「あんた、バカだねぇ~、鍵を回す時にグッと力を入れて押し込みながら回すんだよ!そうすれば音なんかほとんど出ないから!」「そっかぁ!、やっぱり3人寄れば文殊の知恵、ママさんバレーって良いよねぇ~」、陽介は「おいおい、これだけ俺が話して、食いついたのはソコか!!!」と、下を向いて店を出たのであった。