「第一話-皮-」その1
「第一話 -皮- 」
錆付いたレールが不気味な音を響かせ、立て付けの悪い重たい扉が上下に揺れながら、ゆっくりと開く。と、同時に頬を撫でる夏の生暖かい風。
「おぉ、トワ君よ。やっと帰ってきたか」
どこか古めかしい言葉遣い。鼓膜を揺らす、聞き心地の良い澄んだ男の声が一つ。
窓を開けることと、扇風機をつけることしかできないこんな暑苦しい部屋の中にもう二時間以上いるにもかかわらず、その顔は酷く涼しげだった。その姿は、汗をぐっしょりとかいた僕とは大違いで羨ましく感じられた。おまけに、Yシャツの一番上のボタンまでしっかりと付け、サラリーマンもビックリな程しっかりとした格好をしている七色先輩。
暑苦しい。の一言がとても似合いそうなその姿にげんなりとする。
「そんな格好で暑くないんっすか、七色先輩?」
部屋に入って一番初めに目に飛び込んできたその姿に、返事は分かっているが問わずにはいられなかった。
「扇風機があるからね」
カーテンが引かれた窓の隅に置かれた青いパイプ椅子の上で古い本を片手に持ち、不気味に笑いながら、さも当然かのように七色先輩は答える。その視線の先には、床に置かれた学校によくある首振り式の扇風機が一台床。流石に風力は「強」だった。
だからと言って暑いことには変わりなく、こんなところで涼しげにしている七色先輩は、あ、こりゃぁ、完全に頭がいかれてるか、薬でもやっている奴に決まってる。と、他人に評価されても仕方がないだろう。
流石、変人先輩第一号なだけありますね。と僕は心の中でそっと罵倒する。勿論、口に出すほどの勇気は僕にはない。所謂チキン野郎なんですよ。はい。
「おい、別所君。そんな無駄話の前に挨拶が先だ。あ、い、さ、つ、が」
僕が汗が伝う化粧ばっちりの顔を引きつらせ苦笑いを浮かべていると、不意に鼓膜を揺らした刺々しい怒り狂った小動物のように甲高い女性の声。
「あ、あぁ……ただいまっす」
顔を左へ向け、僕に挨拶を強要した人物へと軽く頭を下げる。
扉を潜り抜けすぐ左側。今にもきのこが生えてきそうな程、暗くじめじめとしたその場所には彼女――葉子先輩専用スペースという名の、暗黒空間が広がっていた。
無論、この人が変人先輩二号で、七色先輩と共に僕を引きずり回すのが得意なサディストの一人でもある。とても、迷惑。
ちなみに、今のところ入部届けが一枚も届いていないので、変人先輩第三号がこの部に誕生する予定はない。これは僕にとって非常にラッキーなことだ。ただ、入部届が一枚も来ていないということは同時に、僕と同じように先輩たちに引きずり回されてくれる同級生や後輩も誕生する予定はない。そこは非常に残念でしょうがない。
「まったく別所君という奴は……すぐに挨拶を忘れて不和と無駄話を始めてしまうんだから。困った奴だ」
やれやれ呆れた。とでも言いたげな様子で首を左右に振り、溜息混じりに呟く洋子先輩。
確かに挨拶を忘れていたのは僕が悪い。けれど、こんな暑苦しい部室の中で暑苦しい格好のまま何時間もいる人間に対して、何もツッコミを入れるなと言う方が無理な話であるように思える。
それに、何かの儀式をしようとしているのか部室の中で日本人形を片手に、人の頭一つ分ほどの謎の円形の物体を赤いペンで描いた紙を床に広げている人物に、困った奴などとは思われたくはない。
逆に、困った奴は葉子先輩の方だ。と言ってやりたい。毎回毎回、謎の儀式をしては僕を振り回す人に比べれば、僕なんて十分の一程度しか困った奴ではないのだ。もっと詳しく言えばこの困ったちゃんめ。とか程度しか言われず、直ぐに罪を許されるレベルにすぎないのだ。だから、このぐらい言ってやったって罰は当たらないだろう。
ただし、今は引きこもりの僕には厳しすぎる暑さのせいで、そんなことで口論をする気力が起きない。まぁ、暑くなくても呪われるのが恐ろしいので言う気にはならなかっただろうけれど。
「すいませんね、困った奴で」
「どういたしまして」
陶器のように真っ白な肌の上で、弧を描く真っ赤な唇。
等身大日本人形のような幼いその姿。黒いセーラー服を着ているせいで暑苦しく見えるその格好。綺麗だと断言するには少々不気味すぎて、かと言って気味が悪いだけなのかと聞かれれば首を左右に振る他ない。そんな彼女をあえて形容するならば「綺麗な幽霊」といった感じである。
黙っていればいいのに。
葉子先輩の言動は七色先輩に負けず劣らず奇妙で、奇怪で、不気味で、僕をげっそりとさせるのが得意である。本当、嫌になる。今すぐに退部届けか、この先輩達を真人間に変えてくれそうな湖に放り込んでやりたいぐらいには。
「時にトワ君よ。例の物は買ってくれたかい?」
鼓膜を震わせる背筋が凍る程、愉快気なその声色。その声の主である七色先輩の方へと、そっと顔を向ける。
だらりと床へ下げられた右手には分厚い本が、ページとページの間に白く細長い指を挟んだ状態で閉じられていた。そして、本に向けられていた底無しの闇に沈んだ二つの瞳が、今は僕をじっと見つめる。
「はいはい、買ってきましたよ。ちゃんと買ってきましたよ」
部屋の中心に置かれたオカルト物の本が山積みになっている大きな机。その上に、中身がいっぱいに詰まった白いコンビニ袋を乱暴に置く。
ビニール袋に浮かぶ透明な水滴が一筋、二筋と、古めかしい本の表紙に吸い込まれていき、そこに表紙よりも色の濃い丸い染みを作り出す。
自分の本だったら絶対にやらないけれど、七色先輩と葉子先輩の本だから気にしない。それどころか日頃の恨みも込め、もっと濡れてしまえと心の中で呟く。まぁ、この程のこと、あの二人にとっては嫌がらせも何でもないことぐらい分かってはいるけれど。
七色先輩が本を持ったままパイプ椅子から飛び上がるように立ち上がり、コンビニ袋へと歩き出す。寝癖のままであるようなくるくるとした、外跳ねの真っ黒な七色先輩の髪。それが、宙を飛ぶ鳥の如く歩くたび浮き上がり、綿菓子のようにふわふわと揺れ動く。
病的なほど青白い顔が本の山に置かれたコンビニ袋の中を覗き込み、ニンマリと満足そうに微笑む。
コンビニ袋の中にはアイスが三本、お茶が一本、甘いお菓子が二袋。それから何故か七色先輩に頼まれた女性向け雑誌が一冊。
正直言って、十八歳のまだうら若き少年である僕にとって、コンビニへ雑誌――しかも女性向けを購入しに行け、という命令は恐ろしくえげつない内容だった。
ただそこら辺にいる一般男性に比べ僕のような身なりをしている奴が買いに行く方が多少マシに思えた。また、一人で行くことを渋った場合、七色先輩が直々に僕と一緒にコンビニへ赴くこととなり、一人で行くよりも余程恥ずかしい思いをしなければならなかった。それだけは死んでもごめんだった。だから、それを丁重にお断りし、一人でこの炎天下の中コンビニへ出掛けることにしたのだった。それ以前に、外で七色先輩と一緒にいるところを学校の奴には決して見られたくないという気持ちもあった。
七色先輩が昭和のような格好であるのに反して僕は、今流行の中性的なメイクをしたロックミュージシャンとよく似た派手な身なりをしているせいで、一緒に歩くとその奇怪なこと。
百歩譲って友人に見られればいいものを、肩よりも少し長い、まっすぐ伸びた金色の髪。濃いアイラインで縁取りされた緑のカラーコンタクトが入った両目。さらに、吊り上った眉に、地肌よりもワントーン白いファンデーションが塗りたくられた中性的な顔のせいで彼女に見られる事が度々ある。しかも、派手好きな。
そんな風に思われるのは心底不愉快で、だから僕は出来ることなら七色先輩と一緒に学校付近などは歩きたくなかった。だったら、派手な格好を止めろと言う話だろうが個人的に訳があって、外ではこの格好が必須な為、諦める他ない。
コンビニ袋の中を漁っていた七色先輩があずきバーを二本取り出す。そうして、その内一本を葉子先輩へと軽く投げつけた。小豆バーが細かい水の粒を撒き散らしながら、地へと落ちていく紙飛行機のように弧を描き、宙舞う。
声かけられた訳でもないのにそれをいとも容易く片手で受け取る葉子先輩。その姿は、まさしく阿吽の呼吸そのもので、僕にはそんな二人がほんの少し羨ましく感じられた。
七色先輩は手早くアイスの包装を破き床に投げ捨てると、中に入ったあずきバーを口に咥えながらまたコンビニの袋の中を漁り出した。
あの包装を捨てるのは一体誰だと思ってるんだ。それに、床はゴミ箱じゃないぞ。まったく。
七色先輩の常識をかなぐり捨てたその行動をぼうっと眺めながら、心の中で罵りまくる。ついでに、ご丁寧に七色先輩を見習って葉子先輩も、アイスの包装を床へ捨てているのが視界の端に見えてげんなりとする。両方とも後で片付けておかねば。ついでに、彼等もゴミ箱へ一度捨てて、輪廻転生の末真人間にしてやりたい。
爛々と輝く幼い子供のようなその瞳。今にも歌でも歌いだしそうな程、陽気な七色先輩の姿。
そんなに女性向け雑誌が読みたかったのか?
七色先輩のそのあまりに爛々とした様子に、はてなと小首を傾げる。何故なら、七色先輩は基本的に純文学しか読まないからだ。しかも、ジャンルはホラーばかりな、生粋のオカルトマニアである。挙句、服装だって明治時代からやってきたのかと言いたくなってしまうような書生服や、Yシャツに黒いズボンの地味な服ばかり着ている。そんな煌びやかとは程遠い人物が今流行の――しかも、女性向けの内容の雑誌に興味を持っているとは到底思えなかった。
宝物を見つけた少年のように無邪気な顔で、七色先輩が女性向け雑誌を持ち上げる。そんな彼の赤い唇から、体温で蕩けたアイスが一筋艶めかしく滑り落ちる。
無邪気な七色先輩の様子に、どんなに鈍い人が見ても分かるほど顔を露骨にしかめる。こんな風に彼が楽し気にしている時は、決まって厄介ごとに巻き込まれる。そうじゃなかったら、僕にとって不都合な要求をされるに違いないから。
七色先輩が、表紙がほんのりと水滴で濡れた煌びやかで派手な女性が表紙の雑誌を片手に、元居た椅子へと舞い戻る。もう片方の手に掴んでいる古めかしい本と、雑誌のちぐはぐさがとてもおかしかった。
中に残った物ごとコンビニ袋を右の壁際に設置された僕専用の長机の上へと移動させる。ついでに、床に散らばったアイスの包装を掴み上げ、机の近くに置かれたゴミ箱の中へ放り投げる。
それから、コンビニ袋の中からソーダの棒アイスを取り出す。その包装を破り、先輩達とは違いしっかりとゴミ箱に捨ててから、一口その冷たい氷菓子に噛り付く。先輩達とは違い、本当僕って偉い。
爽やかな柑橘の風味と、舌いっぱいに広がるべたりと張り付く甘さが、疲れた頭をじわりと犯していく。火照った身体が内側から冷やされていくその何とも言えない感覚に身震いする。
長机の中央に置かれた黒いパイプ椅子の上に腰掛ける。
熱気に浮かされて次から、次へと口の熱で、唇の熱で、溶けていくアイス。左手に持ったそれが指へ滑り落ちぬように舐め取りながら、机の右側にある本棚の中から黄色い背表紙のノートを一冊取り出す。それから、本棚のすぐ近くに置かれたペン立ての中からシャープペンと消しゴムを一つずつ取り出し目の前へと置いた。
その間、扇風機に乗ってやってくる初夏の生暖かい風が、蜜色の髪を揺らし視界の端でチラチラと舞い続けていた。
ページを捲り、先程、コンビニに行く前に書いていたページを開く。そこには、縦書きされた真っ黒な文字の羅列が一ページ、二ページ、十ページと続いている。
その途中途中に、女性の書く文字のように柔らかく丁寧な赤い文字が記入されており、それは白いノートをびっしりと埋め尽くす黒の中で浮かび、やけに鮮やかに目に映った。
赤い文字は全て僕の赤ペン先生である七色先輩が勝手に読んで書いたものだ。それは、訂正すべき所が書かれており、更に一番新しいページにも幾つか書き込まれていた。
まったく、書き上がってから書いてくれと言ったって聞いてくれやしない。
その赤いペンの文字にノートを開くたびに気恥ずかしさを感じる。
感情を書き殴りしたようなとても読めた物ではない下手くそな文字、文字、文字。文字。
パソコンで清書する際、自分でも文字の解読に四苦八苦するその文字たちを、何故か七色先輩は好んで読む。
僕は基本的にホラー物をかかないのに、だ。と、言うより、怖がりな所為で書けないというのが正しい。前に一度、毎回毎回欠かさず僕の書く物を読んでくれる七色先輩のために書こうとしたことがあったが、資料集めをしている段階で恐ろしくなって書くのを止めた。それぐらい僕は、幽霊や呪いの類はごめんだった。ついでに言えばどこかのサイトへ投稿しようかと気まぐれな思いつきで、時々、最近流行のアクション物やファンタジー物を書いてみようとするが、どれも長くは続かず途中でペンを投げてしまう。だから、僕が書くのはもっぱら私小説ばかりで七色先輩の好みの物とは全く違う。
それなのに七色先輩は僕の書く小説を読む。そして、次から次へと書かせる。
そこに、どこかに応募したり、サイトへ投稿したりといった目標も目的もない。時々、葉子先輩も読んでくれるが、主にただ一人。たった一人、七色先輩という読者の為だけに僕は書く。
そういう言い訳。それがなくちゃ今の僕はもう何も書けやしないから。なんて酷いエゴイズム。そう、貴方も。いいえ、僕も。
必死に舐め取っても次から次へと溶けていくアイスが、無常にも滑り落ちていく。そうして、結局べたべたと粘着質な砂糖の液体となったそれが左手に絡みついていく。まるで、僕のようだ。
「トワ君よ。君は、甘味処が勿論好だね?」
不意に、そう尋ねられた。声のした方を向くとそこには、先程まで指を挟んでいた本を膝の上に乗せ、代わりに雑誌を広げて読んでいる七色先輩がいた。そのあまりにも不恰好な組み合わせに小さく噴出す。
そんな僕の事など微塵も気にしている様子もなく七色先輩が続ける。
「このスイーツを食べに行こうと思うんだが、勿論今週も空いているよね?」
有無を言わさぬそのきっぱりとした声色。雑誌をこちらへと向けながら、七色先輩がいつも通り何の表情も無く半ば強引に進めてくる。僕が嫌だって言えないのを知っててやってるから性質が悪い。溜息を吐きながら七色先輩が指差す記事を見やる。
「今が旬! 一度は食べてみたいスイーツ特集!」という、ピンク色のポップな文字。さらに、目がチカチカするほどド派手なビビッドカラーの背景。
その中の一つ、七色先輩の骨みたいな白い指が指す「読書をしながらのんびりティータイム」の文字。その下には、生クリームとアイスクリームが添えられたフルーツタルトと、線香が宙に煙を立ち上げるように、白い湯気をふわりと宙に上げている紅茶の写真が掲載されていた。
「うまそうっすね」
小さく呟く。すると七色先輩は血色の悪い顔をぱあっと明るくさせ、花の咲くような笑みを浮かべた。
「そうだろう、そうだろう。と、言う訳で一緒に行こうではないか」
いつもの無愛想さは何処へやら、ニコニコと嬉しそうに笑う七色先輩。どうやら七色先輩の中では、僕の返事イコール全て同意と変換されているようだ。
「ちょっと待ってください。まだ行くとは……」
そう言って、僕は掲載された店の記事をじっと見つめる。
黒く小さな文字で書かれた店名は「クタアト」、店の場所は――
「あ、やっぱ行きたくないっす。丁重にお断りします」
「ケーキを奢ってあげるから一緒に来なさい」
「いいえ、嫌です」
「何故?」
「だって本探しでしょう?どうせ」
目に飛び込んできた「神田神保町」のおぞましい文字。
「ふはっ、実に鋭いな。私はそんな君を誇らしく思うよ」
クツクツと不気味に喉を鳴らし笑う七色先輩。その人をおちょくるようなその言葉と、愉快気な表情に腹が立つ。
「だけれど、今はそんな鋭さはいらなかったな」
「それは残念でした」
「で、何故、本探しに同行したくない?」
「そりゃぁ……」
目をそっと部屋の中心に聳え立つ本の山へと向ける。そこに積み上がった古いホラー小説の数々。
「俺はホラーは苦手っすから、七色先輩とは一緒に本を買いに行きたくねぇっす」
「ほぅ……」
七色先輩の猫のような目がすっと糸のように細くなる。まるで獲物を狩る野生動物のようなその瞳が僕を射抜く。
「……そんな目したって駄目っすよ」
「なんだったら、ケーキの他にパフェもつけてあげよう」
「駄目っす」
「じゃあ、君の書いた小説をどこかに応募して差し上げよう」
七色先輩が椅子のすぐ横に置いた黒い革の鞄の中から大量の原稿用紙を取り出す。そこに書かれた大量の文字は七色先輩の書いた美しい文字だったが、中身は全部僕が書いたものだ。いつも、PCで書き上げ、印刷したものを先輩に見せているのだが、何故か七色先輩はそれを毎度自前の原稿用紙に書き直す。そして、それを暇なときに簡単な作りの本状の物にして読んでいるらしい。
本当に性質が悪い。
七色先輩の手に握られた大量の紙の束を睨みつけるように顔をしかめる。それから、一度大きく息を吐き出し、肩を落とす。両目を瞑り、手を挙げ降参の意を伝える。
「分かりました。行きますよ、行きます」
「そうこなくては」
「で、今回の目的は?」
目を開く。瞳に映る七色先輩が、そのどこか人間離れした顔にニヒルな笑みを浮かべる。雑誌をその辺に投げ捨て、代わりに膝に置いた古めかしい本を取り上げ、口元を覆い隠すように手に持つ七色先輩。
「知り合いがね……」
もったいぶって一拍置かれる。僕の鼓動が二倍速になる。
「人間の皮膚で装丁されたらしい本を買い取ったそうだから、それを貰いに行くんだよ」
口元を隠していた本が下げられる。覗いた顔に浮かぶ、口角が不気味なまでに上がった赤い唇。人を嘲笑う底の見えない黒い二つの瞳。
背筋を凍らせるその表情。その言葉。
「ははっ」
これから僕に起こるであろう惨事を想像し、笑うことしかできなかった。
先輩達にはいつも振り回されっぱなしで、苛々したので仕返しがてら書いてみました。
まだ、何も始まっていません。