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プロローグ
処女作です。文章も話も拙いかと思いますが、温かく見守っていただけたら幸いです。
「ぐすん・・・迷子に、なっちゃった・・・」
泣いている少女の名前は桜田みかん。彼女は、姉と来た散歩の途中で一人はぐれてしまい、途方に暮れていた。
「泣いてても仕方ないよね・・・」
歩き出した彼女を、誰かの声が呼び止める。
「お、お姉ちゃん・・・!」
彼女の顔がぱあっと明るくなる。大好きな大好きなお姉ちゃん。
「みかん、駄目じゃない。突然いなくなって、お姉ちゃん心配したんだから」
「ご、ごめんなさい・・・。きれいなちょうちょをみつけて、それで・・・」
申し訳なさそうにする妹に、姉はそっと微笑みかける。
「ふふっ、今度からは気を付けてね。さっ、おうちに帰りましょ。もうすぐ夕ご飯よ」
二人の少女は手をつないで歩きだす。その背中を、柔らかい春の日差しが照らしていた。