表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家守りの猫  作者: 鮎川 了
3/11

違う家族






 違う。

 お父さんでもお母さんでもマサルでもエリでもない。家にやって来たのは全く知らない人間だ。

 これからずーっとここに住むつもりなんだ。 

 ……なんて事だ。

 でも、久しぶりに家に入れた。ずっと外にいるのは辛かったからこれは嬉しい。以前と様子が違うが、家そのものは変わっていない。

 冬はいちばん暖かかったはりの上に座り様子をうかがっていると、男の子が俺を見付けた。

 マサルよりも大きい。でも何となくマサルに似ているような気がするがきっと人間の男の子はみんな同じように見えるからだろう。

 “ケンタ”と呼ばれたその男の子はこともあろうにマサルとエリの子供部屋を自分の部屋にしてしまった。

 たくさんのオモチャ、小さな滑り台やジャングルジム、壁紙にはきれいな色で外国の動物達が描かれていたのに。どれも無くなっていて、変わりに新しい机とベッドが置かれていた。

 頭に来た俺は、新しいベッドに飛び乗って男の子をにらみつけてやっていたが、なにやら忙しいらしく全く無視された。


 それにしてもなつかしい。俺はここでいつもマサルとエリの子守りをしていた。

 マサルはブロックを組み立ててエリの人形の家を作ってやったりして、小さいけど本当に仲が良かったなあ…… 

 そんな事を思い出していたら眠くなって来た。

 久しぶりの家の中は知らない人間がいても暖かく優しかったから。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ