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優しいchess講座

実際にchess教えてるわけではないです。

「相も変わらず短慮なことで安心したぞ神也」

「あんたこそ、性格が変わってなくて残念だよ」

あの後ナイトは用事があるとかでどこかに行ってしまい、ここにいるのは俺と雀と一と爺さんだけだ。

 王の趣味なのか、西洋の城の中に存在する畳の上で俺達は話をしていた。

 名目上王の間は、どちらかというと殿の間という感じがしてしょうがない。

 まぁ俺の爺さんの変態っぷりはこんなところから始まっているわけだ。

「しかし神也、痛そうじゃのう」

「まぁ、その元凶は目の前にいるんだけどな」

 ところどころ包帯をしている俺に、気遣わしげな目を送ってくる爺さんにとりあえず毒を送っておく。

 ちなみに、俺はガラスへのとび蹴りにより結構大きな被害を受けている。

 参考までに言うと、頭と体にいっぱいガラスが刺さった。

 つまり満身創痍。

 ジジイめ、いつか仕返ししてやる。

「ところで、おじいさん。いい加減本題に入ってくれますか?」

「おぉ!そうじゃったな、ありがとう雀君」

 雀の言葉に俺とにらみ合っていた爺さんは、雀達のほうを見る。

 ちなみに雀達は俺の向かい合って座っている訳で、ということは俺は眼中に入っていないわけだが、まぁ話のほうが大事なので気にしないでおこう。

 しかし、このジジイは本当に身内以外には礼儀いいな……

「雀君じゃったかな?あとそちらのお嬢さんは一ちゃんか?」

「はい、そうです」

「お久しぶり、おじいちゃん」

「おぉ、呼び方はまさしく一ちゃんじゃな。それに、雀君も久しぶりじゃのう」

 爺さんは孫の俺を見る目よりも優しく二人を見ていた。

 おぉ、俺って他人よりも他人的な肉親?

「まぁ挨拶はよしとして、さっさとここの話をせんといかんかのう。神也、お前も向こう側行け。ちーと真面目に話さなきゃいかん」

 馬鹿なことを考えている俺に、真剣な顔で爺さんは言った。

「さて、どこから話そうかの。お前らがここに来ること自体予想外じゃったからの」

「そう、いったい何が原因なの?おじいちゃん」

「ふむ、とりあえず原因か。なぁ一ちゃん、ここに来る前は何をしてたんじゃ?」

「えっと、神也と雀の映画鑑賞会だったかな?」

「そうか、場所はコタツの下の隠し部屋でか?」

「そうっだったはずだけど、それが原因?」

「まぁの、あそこのパソコンが原因なんじゃよ。この世界の元凶ってやつじゃな」

 パソコンというのはあのでっかいモニターだろうか?ということは俺が原因か?

 うぅ、横の二人からの目線が痛い。

「そうじゃ!この世界のことを話す前に一つ、わしの研究しておったことを話してやろう」

「それはどうでもいいから話を進めてくれないか?」

「まぁそういうな、雑談程度じゃからちょっと聞いてくれ」

 俺の的確な発現は見事に無視され、結局爺さんは雑談を始めてしまった。

「神也はいわずと知っておるが、一ちゃん、雀君、ゲームは好きかい?」

「本当に雑談だなジジィ……」

 何の脈絡もない話を始めた爺さんに一瞬ポカンとする一と雀。

 俺はというとこんなのには慣れているので気にせず茶でもすする。

「はぁ、よく神也とやってますけど」

「私も家でやるかな?まぁあんまりやらないけど」

「そうかそうか。まぁ、わしはゲームが大好きなんじゃがな?最近ゲームに物足りなさを感じていたんじゃよ。」

「「はぁ」」

 爺さんの脈絡ない会話に戸惑い気味の二人をよそに俺は三杯目の茶を飲む。

 こういうときの爺さんの話を真面目に聞くほど馬鹿らしいことはない。

「それでな、ゲームに求める何かが足りないんじゃぁないかと思ったんじゃよ。お前さん達は何じゃと思う?」

「そうですね……画質とか?」

「私はゲームがマンネリ化してると思うかな?」

「そうじゃのう、それもあるのう。神也お前は何だと思う?」

 突然話をふられて口に突っ込んでいた大福を落とす。

 茶に飽きた俺は爺さんの部屋探し回って大福探し、ついに見つけ出したところだった。

 まぁ、当然のごとく話しは聞いていない。

「ゲームを面白くする要素は何かだそうだよ」

 気を利かして雀が俺に囁いてくる。

 おぉう、流石とかいてサスガ我が友。

 でも、ゲームに求めることって何だろう?シナリオ?リアリティー?そんなもんか?

「シナリオとかリアリティーかな?」

「そうじゃな、気持ち悪いことにワシもお前と同じ結論に至った」

「本気でキモイな」

「だまれ」

 さっさと本題は入ってくんないかな〜と思いながらも大福を飲み込む。

 まぁ、どんなに変でも家じゃぁこれが日常だったしな。

「とにかくじゃな?当時プログラマーだったワシはそんなゲームを作り始めたんじゃ」

 あぁ、俺達はゲーマー爺さんの奮闘記録を聞きたいわけじゃぁないのに……。

 横を見るとどうしていいのか分からない二人が俺に助けを求める視線を送ってくる。

 ムリデスカラ、アキラメテ。とりあえずアイサインでそう送っておく。

「当時のプロセスとしては、現実世界と平行した物理原理を持ち、自己進化を続ける世界のプログラム」

「お爺さん……それとこれにどんな関係があるんですか?」

 さっきまでの陽気な感じから急に落ち込んできた声に、いやな予感を振り払うように問いかける雀。

「プログラム自体はすばらしい出来じゃった。そして、プログラムの中に一つの世界が生まれた」

 しかし、そんな雀の問いを無視する爺さん。俺と一は訳がわからないという顔で、爺さんの話しを聞く。

「しかし、プログラムだけでは何もおきない。それを動かす機体が必要だった。それも完成し、ついに試運転をしたときだ。問題は起きた」

 最早俺達のことなど忘れたかのように爺さんは話し続ける。

「機体は私の発明品じゃ。リアリティーを出すため精神を電気信号に変え、電気信号を情報に変え、つまりは意識がプログラム内に入り込むということ。しかし、これは核兵器以来の粗悪品じゃった」

 なんなんだ?爺さんの話は訳がわからないことばかりだ。

「あまりにも酷似した世界での外傷は、現実世界にも影響を及ぼすということ。つまり、その世界で死ねば本当に死ぬわけじゃ。それゆえにそのプロジェクトは廃止になった」

 それがどうした?俺には関係ない

「しかしワシはあきらめられんかった。そして、機体をワシの秘密ラボに隠しワシ自身プログラムにダイブした。多分その時バグでも起きたんかのぉ?本当ならワシだけがプログラム内で生きることになるはずじゃったんだけど、設定を誤った可能性もあるのう……」

「おい爺さん、話がさっぱりつかめんぞ?」

 そう、さっぱりだ。多分誰がどう聞いてもさっぱりだろう。

 でも同じくらい嫌な予感がしていることだろう。つーか薄々気づいてんだけどねっ!否定したいお年頃♪とか混乱してみたり、鼻から茶すすってみたり、耳から……。

「ぶっちゃけ、わしのミスでそのプログラム内に迷いこんだっぽいんじゃよね、お前ら」

 あぁ、やっぱりこのジジイだけは殺すべきだわ。

 雀と一からも同じ空気を感じながら俺はこぶしを握り締めていた。


もう最近ごちゃごちゃですよ。

公私共にやることありすぎ(T-T)

数少ない読者の皆様ごめんなさいm(--)m

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