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その頃の彼ら

『キキッ!』

「ん〜?」

甲高い声に起こされて目を開けると、猿がこっちを覗き込んでいた。

って、どんな状況やねん。

「な〜んてなぁ」

自分で考えたボケにじぶんでっツッコムのはむなしい気もするが、まぁそれはよしとする。

「おはよう、アメーディオ。もといディオ」

『キキッキ!!』

朝から元気良く前方回転をするディオに、少し苦笑してしまう。

っつーか、どんだけ好きなんだよ前方回転。

まぁ、いいか。

「さて、今日はひたすら歩くかぁ!」

『キキッ!』

最高の空元気でテンション上げる俺に、右手を上げて応えてくれるディオ。

うう〜ん、妙に愛らしい。

「っと、んじゃ行くか」

そうして、俺とディオは川沿いに歩き出した。


「え?神也が行方不明?マジで?」

その日、ワシの下に来たナイトからの情報はかなりヘビーなものじゃった。

「申し訳ありません、どうやら近くの風穴に落ちたらしく……このナイト、一生の不覚!」

「まぁ良いじゃろ、伊達に鍛えちゃおらんから死んではおらんだろうよ」

内心の焦りを抑えながらも、冷静に応える。

それが、こちらで王になったワシの役目。

というか、おんなじ様なことを昔仕掛けたことがあった記憶があるから大丈夫じゃろうし。

「は、しかし、神也を放っておくわけにもいきません。今日一日、私に休暇をいただけないでしょうか?」

目の前のナイトが深く頭を垂れながら、そう述べる。

いつまでたっても責任感の強すぎる男じゃな。

などと思うが、それを今日許すわけにもいかんのが辛いところじゃの。

「駄目じゃ」

なるべく冷たく言い放つ、そうやって退路を断つ。

「何故!?」

「まず一つ、お前には昨日仕事を頼んどいたじゃろう?神也たちの育成。まぁ昨日に関しては神也のみにしぼったがの」

「だからこそ!肝心の神也を……!!」

「あほう、仕事は神也『たち』の育成じゃ。それとも一と雀はどうでもいいのか?」

「そ、それは……」

「今のやつらでは、この世界では生き残れん。それはわかるじゃろう?」

「……・しかし、神也は?」

「そこで二つ目じゃ。あれを誰の孫じゃと思っとる?ワシの孫じゃぞ?鍛え方が違うわい!」

「……は、心得ました」

返事はしたものの、ナイトの顔は納得の言った顔ではなかった。

ま、正直な話をすると不安は残る。

先ほどナイトと話していたとおり、今この世界はだいぶ危うい状態である。

そもそも、チェスというゲームを基盤にしたこの世界は、常に勢力が二分するように設定されている。

すなわち『ブラック』と『ホワイト』という世界。

最近までは、様々な事情もあり協和関係を保っていたんじゃが……

最近色々とそれが崩れてきておる。

「さて、どうするかの……」

玉座というのが性に合わなかったので作らせた和室、その上座の座布団にどっかと座る。

「……私は命令どおり、雀達の育成に向かいます。」

「うむ、任せたぞ」

引き戸を開いて出て行くナイトを見送りながら再び思考をめぐらす。

ここ数年の二国間についてである。

「そも、何故関係が崩れた?やつらは何をしとる?」

和室にたたずむ一人の王は、そうして敵国の二人を思っていたのだった。


「なんかさ、最近私達影薄くない?」

「しょうがないんじゃない?養ってもらってる身だし。いわゆるニート?」

城の中の一室。正確には雀に割り当てられた一室ではあったが、そこで雀と一は話をしていた。

昨日から神也がいないというのには気づいていたが、彼のお爺さんの性格は二人とも知っていたので特に気にはしていなかった。

「ところで、今回神也はどんな目にあってると思う?」

「ん〜、なんだろ?落とし穴とか命狙われたりとか?」

「だったら面白いわね」

「「アハハハハ」」

実際に起こったことと類似しているのが微妙に恐ろしいところである。

「失礼する……」

そんな陽気な部屋に陰気に入ってきたのはナイトだった。

「どうしたの?なんかあったの?」

「いや、神也を王の命令で特訓……命を狙う振りしてやったんだがな、そうしたら風穴に落ちて行方不明だ……」

「「アッハハハハハハハハッハ!!!!」」

さっき予想していたことと見事にあてはまっていて笑うしかない二人が、廊下まで響くように爆笑する。

しかし、状況の分からないナイトにはその笑いが理解できなかった。

「おい!神也が行方不明なのに友人のお前らは心配じゃないのか!!」

「いや、そうじゃなくて……」

笑いすぎて息が乱れたのか、雀が息を整えながらナイトの方を向く。

ちなみに、一はいまだに悶絶している。

「いや、まぁ笑っていた理由はともかくとして、そんなに心配する必要ないよ?」

「……何故だ?」

当然のようにいう雀の言葉にナイトは当惑していた。

王といい、雀といい、何故彼らはあの少年をそこまで信用できるのか?

「だって、神也は僕の親友だもん」

答えになっていない、しかし、絶対の自信を感じる言葉。

つまりは、関係の浅い自分には分からない何かがあるのだろう。

「そうか、分かった」

「うん」

微笑むナイトに微笑み返す雀。

いまだに一は笑い転げているが、それは気にしない方向で。

「と、そうだ。今日からお前らも特訓だ。お前らの技量では少々危なっかしいのでな」

「うん、分かった」

「じゃぁ、まずは一をどうにかしようか」

「このままじゃ話し進まないしね」

そういうと二人は、気が進まないままに一を正気に戻そうと苦戦するのであった。


久しぶりに作ってこのざま……すいませんOTZ

お久しぶりですスクナです

こんな幼稚な作品でも見ていてくださった方(リア友かもしれないが)がおりましたので、がんばって書こうと思いました。

お客様は神様ですとも。えぇ。

実は、前の話の切り方が微妙で書きづらいというのが長期更新停止の要因の1つでもありました。

ようするに技術が未熟なわけで……

まぁ修行しろというわけですね。

頑張ります。

そんなわけで、これからも生ぬるい目で見守りくださいますようお願いいたします。

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