表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/41

第29話「第一回!カナタアルバム観賞会!」

(某日、カナタ&ミュン宅──)


異様な熱気に包まれたリビングルーム。壁一面を覆う巨大モニター、その前に座るのは、いつものメンバー全員。


テーブルにはポップコーン、クッション、ジュース完備。

ただし──内容は地獄。


ミュン「というわけで!今回は満を持して開催ミュン!

第一回!カナタアルバム観賞会ミュン~~~ッ!!」


(ビシィィィィ!!とポインターを掲げるミュン)


カナタ「へぇえええっ!?な、なにそれ!?聞いてないよ!?」


(椅子からずり落ちそうになりながら、慌てふためくカナタ)


美香「ふん。面白そうじゃん。アンタの黒歴史、全部あたしが白日のもとに晒してあげるわ」


アンジェ「ふふふ、興味深いですわね……乙女の裏顔、たっぷり拝見させてもらいますわ?」


零「……帰っていいか?」


ミュン「だーめミュン!!ここまで来たら、逃げられないミュン!!

大切な仲間の思い出、最後まで見届けるミュンよ!!」


(映像スタート。第一カット──)


【映像:夜のベッド、ぬいぐるみをぎゅっと抱いたカナタが、顔を真っ赤にして転がりながら】


カナタ《……れいくん……会いたいよ……さみしいよぉ……》


カナタ「ぎゃああああああああああ!?!?!?

ストップ!ストップ!ストーップ!!やめてぇぇぇぇぇ!!」


(顔を真っ赤にしながらモニターに突進)


ミュン「うるさいミュン!ちゃんと見届けるミュン!」


美香「……なんっつー乙女モード……これ、再生速度落とせない?」


アンジェ「これは……想像以上に、濃厚ですわね……」


零「……俺、なんもしてないのに……なんか悪い気がしてきた……」


(第二カット:温泉旅館で、湯上がりのカナタが零の腕にぴったり寄り添って)


カナタ《れいくん……肌、すべすべ……》


カナタ「やめてぇぇぇぇぇ!!もうやめてぇぇぇ!!!

デリート!デリートォォォ!!」


(床を転げ回ってバタバタ)


ミュン「だめミュン!これは“資料”ミュン!!未来のカナタのための尊み教材ミュン!」


アンジェ「……尊いですわ……尊死……これは永久保存不可避ですわ……」


美香「むぅ~~~~~~~~ッ!!(嫉妬の念波)」

(目元がピクピクしながら、ポップコーンを握り潰す)


(第三カット:月夜、ベッドの中でぬいぐるみを抱きしめて、しっとりと……)


カナタ《……れいくん……さみしいよ……》


零「……やめてくれ。俺がいたたまれない」


カナタ「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」


(ソファの裏に逃げ込んでガクブル)


ミュン「良い記録だミュン。真実を、ありのままに、尊く伝えているミュン……」


(爆笑、赤面、尊死、嫉妬、罪悪感──感情の嵐が吹き荒れる中)


ミュン「さあさあ、まだまだいくミュンよ!

次は“れいくんバースデーおめでとうボイスメモ”編ミュン!」


カナタ「やめろおおおおおおおおおおお!!」


美香「こっちは“れいくんと初手つなぎスロー再生Ver.”が見たい」


アンジェ「いいですね……巻き戻してもう一度拝見いたしましょう?」


零「……帰りたい」


みんなで見たら、笑って泣ける、恋と恥の成長記録!?

でもカナタの乙女度、これじゃ加速するどころか臨界突破!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ