第18話
修正等完了しましたので投稿します。楽しんでいってね。
「……帰って来ない」
ナンシュが帰ってこない。
デバイスの調整は順調に進んでいる。何せ時間だけはあるので、多少コンテナ移動やコンテナ自体の搬送による揺れが邪魔したところで、これ以外やる事がない状況では勧めるなと言う方が無理な話だ。
しかし、散歩に出たままナンシュが帰って来ない。ナンシュの状態を確認するプログラムを見つけたので、フォルダにまとめて整理したおかげで、状態確認画面の一括閲覧が可能になった。なったのは良いのだが、内容は散歩中に着きオフラインという表示だけ、益々ISと言うのが分からなくなった。
人類に照らし合わせれば、家から出てどこかを散歩している状態なのだろうけど、そう言うものなのだろうか? ISの生態なんて専門家でも未知数なのに、考えたところで俺に分かるわけないか。
「メモリがまた減ってる……故障かな?」
データを増やせばメモリが減るのは当然、データの整理整頓でも多少はメモリを食うし、刻印術関連のプログラムを少しずつ組んで行っているので、それでもメモリが減っていく。
それは分かる。
わかるのだが、それ以上に何故かメモリの残量が減っていっている。そもそもが膨大なメモリ容量があるので、俺がプログラムをいくつか完成させたところで1%も容量を圧迫することはないだろし、データ整理によるメモリ使用量なんて本当に微々たるものだ。
そうなってくると、考えられるのは故障。いくら古代の超技術だとはいえ、千年前のデバイスだ。故障があっても何ら変な話ではない。寧ろなにもない方がおそろしい、というのも、故障がないという事は――自己修復魔法が基礎プログラムに内蔵されている可能性が高いからだ。超技術の塊であるデバイスを修復できる超精密魔法なんかが入ってますとなれば、連合の中央研究所が嬉々としてやってきて調べさせろと言ってくるだろう。
昔、ベラタス家が発掘した遺物でも似たようなシステムが見つかって、あの時は大変だった。結局は官民合同で調査という事になったけど、あの騒動は思い出したくもない。あれ以来、俺の中ですごい研究者=変態なのである。
多分、わりと、けっこう……間違っていないと思う。
今はまだ気にする必要の無い不安に息が詰まる。深呼吸を一つ、顔を上げると見える白い塊、女の子は寝ているみたいだけど、二対の視線が俺を見ている。
「……左右一対の蛇、なんて種族だったかな? すごく魔法が得意な種族だった気がするけど思い出せない」
何の視線かというと、座ったまま寝ている女の子の白い髪の中から顔を出している二匹の蛇。正確に女の子の頭から生えていると思われる蛇の頭である。じっと見詰めれば、警戒する様に体を起こして少しでも高い位置から見下ろそうとしてくる左側の蛇と、変らず髪の隙間から顔を出し、少し目を細め見詰めてくる右側の蛇。
多分知っている種族である。普通の美系種族の女の子かと思ったら希少種系の女の子だったようだ。詳しい種族の名前とか生態については覚えていないが、漠然と魔法が得意な種族だという事は覚えている。
たしか、左右の蛇が魔法のサポートをするので、一人で三人分の魔法演算をしているようなものだとか、そんな感じの種族だった気がする。反則だと思う。
大きな音が鳴る。
「食事か、毎回荒っぽいんだよな」
あの荒っぽいインテロがコンテナに食事を投入したのだろう。赤表示から青表示に変わった受け取り口のシャッターを開けると、中には傾いて積み重ねられた二人分の食事。彼女と俺の分なのだろうけど、一人で三人分の演算をするのに食事量はこれで足りるのだろうか……。
乾いた喉でつばを飲み込む。
「……」
「…………」
そっと女の子に近寄る。手には彼女の分の食事トレー、女の子は先ほどの大きな音で目を覚ましていた。髪の隙間からは赤い左目がこちらを見ている。蛇も身を乗り出して睨んでいた。
威圧感が半端ない。
「警戒されてるなぁ……うし」
だが彼女の警戒ラインは見極めているので、そのラインぎりぎりに食事のトレーをそっと置く。ミッションコンプリート、少し視線を上げれば女の子と視線が合う。
「――っ!」
「ほ、ほら食事だよー?」
失敗した。明らかに女の子の警戒心が急上昇している。その証拠に蛇が二匹とも釜首をもたげ始めた。
「シャーー!!」
「ひぇ」
左側の蛇が威嚇する様に鳴く、思わず口から情けない声が洩れるがしょうがない。何せあの蛇、おぼろげな記憶だが、単独でも魔法が使えるはずだ。こんな狭いコンテナの中で攻撃魔法でも使われたら逃げ場がない。
そして俺は死ぬ。いや、一命をとりとめるか? うーん……いや、一命をとりとめても、最終的には死ぬ気がする。俺は弱い。
「……」
「ここ、置いておくから、ね?」
「…………」
じっと見つめてくる白い髪の向こうの赤い瞳、小さく声をかけて一歩下がっても、その瞳はこちらを睨み続ける。いや、むしろ圧が増した感じもする。
「はぁ、いろんな意味で緊張する」
早々に退散していつもの定位置。女の子から一番離れられる対角線上の角、陰キャは角に収まると謎の安心感を抱く生き物である。少なくとも俺は落ち着く、ふっと息を吐けば緊張で力が入っていた体から力が抜け、背中が勝手にまるくなる。
「しっかし、女の子とおっさんを同じコンテナに詰めるとか、何を考えてるんだろ」
単純に圧を感じて怖いと言うのもあるけど、遠くから見ただけでも美少女なのだ。そんな女の子が先に入っていたコンテナに、なぜ俺みたいなおっさんを放り込むのか、今まで女性と同じコンテナに入れられたことはない。そもそも奴隷としてコンテナに詰められた経験が少ないから何とも言えないけど、初めての経験、いろいろと緊張するのは仕方がない。
あと、蛇の縦に割れた眼光がほんと怖い。
ここに入って何日目だろうか、日数よりコンテナ移動が多い気がする。あと隅っこは思った以上に落ち着くものだと学んだ。なんだったら試験勉強とか隅っこでやれば効率がいいのではないだろうか、デバイスのプログラミングはとても捗っている。
ただ、問題も発生していた。
「えぇ……また食べなかったのか」
「シャーー!!」
最近は少し慣れ……嘘です。普通に怖いので牙を剥き出しにして鳴かないでくださいおねがいします。
問題と言うのは女の子がご飯を食べない事、俺がこのコンテナに放り込まれた日から女の子はずっとコンテナの端に置かれたベッドマットの上から動かない。動かないので俺が接近限界距離から届く範囲で置いた食事も手を着けていないのだ。
流石に心配である。俺が寝ている間に動く気配はあるので、水を飲んだり用を足したりはしているのだと思う。こう言うとなんだか変態に思われそうなのが不思議であるが、流石に食べないと言うのは問題がある。あと、そのお尻の下のベットマット数人分あると思うので、一枚分けて欲しい。
なんて言えるわけがない。猫少女達とは違う明確な拒絶の壁が見えるのだ。言った瞬間、睨まれて魔法で消し飛ばされるまであるに違いない。
「何もしない! 何もしないから……下げちゃうよ?」
「……」
小さく頷いてくれた!! すごいぞ、一般人には小さな事でも、俺には大きな進歩だ。
「…………うん、いくら機能性食品とは言え、腐っちゃうからね? うん」
ふぅ、ちょっと落ち着こう。声が変に上ずってないだろうか、私は今少し、いやだいぶ感動している。野生動物がようやく少し気を許してくれたような、そんな感動に似ているだろうか。
うん、まぁそれはそれとして、半日も放置しているとペースト状の食事はどれも表面が乾いてかぴかぴになっている。元々それほど美味しそうに見えないがこれは手を付けたいと思わない。
「もしかして毒でも入ってる? 俺食べて大丈夫かな?」
可能性はゼロではない。聞いた話だと、捕らえた人間に少量の毒を盛って弱らせて管理する犯罪者も居ると聞いた。それを感づいて食事をとってない可能性もある。蛇系というか、爬虫類の遺伝子を有する種族にはそう言ったものに敏感な者達も居るというし、特に献立に違いの無い食事である以上俺も摂取している可能性がある。
「……?」
拾い上げた食事を睨んでいると女の子が動いた気がした。
顔を上げるといつもと変わらずと言った感じだけど、少し迫力が減った気がする。これは俺が圧に慣れたからか、彼女が慣れたからか、良くわからないけどとりあえずこの無機質な食器を下げてしまおう。
先ほどから、彼女の左側の蛇がゆっくりと釜首をもたげ始めている。危険だ。
揺れる。今日は三回目だ。
「また別の場所に移動か、移動が多いなぁ」
一日で二度移動することはあったけど、三度目と言うのは初めてだ。奴隷船内で売却が繰り返されているのか、それともデブリで発生した損傷が復旧しているからなのか、コンテナの中では外の様子をうかがう術がないから何とも言えない。
デバイスで外の様子を調べられないかとも思ったけど、まぁ当然だけど規制が掛けられている。だというのに散歩に出かけたナンシュの何と規格外な事か……。
「お腹減った。毒判定の魔法式は出来たから、次は身体精査の魔法式だな」
外の様子を調べられない分と言っては何だけど、プログラミングの時間は十分あるので、すでにいくつか完成している。どれも一度作った事があるものなので、打ち込むのが大変なだけだ。
一つは刻印術をスーツにインストールするプログラム。デバイスとスーツの互換性に少し手間取ったけど、後は問題なく、むしろ最初からインストールする事が想定されていたかのような機構がデバイス内に確認された。
後は刻印術の術式、基本的な刻印術数種類に、新しく組み上げた簡易的な毒判定魔法の刻印。微量検出に重点を置いて設計したので、たぶん少量の毒でも入っていれば検出されるはずだ。
「これで問題なければ単純に好き嫌いか、穢れ文化かもしれないな」
毒が入って無くて食事を食べない可能性として、穢れ文化は十分考えられる。
世の中には、男性が触った物は穢れているとする種族や文化もあるくらいだ。彼女がそうじゃないという証拠はない。むしろあると考えた方が良いのが広い宇宙だ。だが不思議とこの穢れ文化はどの種族にもある。アンデットが触った物ならまだしも、割と失礼な感覚なのに無くならないのだ。
もしそうだとすると、彼女と位置を変えて食事を彼女に取って来て貰わないといけなくなるが……、
「そうなるとお話しをしないといけないわけだけど、お話しできるかなぁ?」
うん、無理。今ちらっと見ただけでも左肩の蛇が素早く顔を上げて、威嚇なのか牙を見せてくる。こわ。
その一方で右肩の蛇は何時も髪の隙間から顔を見せてるだけで、威嚇もしなければ鳴きもしない。ずっとこちらを金色の目で見詰めて来るだけだ。元氣が無いのだろうか? もし蛇が病気になったら、本体? の女の子も病気になるのだろうか。わからないな、姉さんや母上なら知っているかもしれない。今頃どうしてるか、いや、心配しているのは、解る。
おっと、また釜首が上がり始めた。視線を逸らそう。僕はデバイス見てますよー怒らないでー……うん? これは。
「謎ファイルがデコードされてる……ウィルスじゃないよな?」
デバイスの操作画面は俺にしか見えていない。これはこのデバイスの特殊な機能だ。どうやら俺の網膜に画面情報を直接投影している様で、それは全て豆粒ほどのディスプレイだと思っていた部分の機能のようである。これだけでも超技術なのだけど、ナンシュさんはもっとすごい。
なんと、外と通信が出来ない環境にもかかわらず、お外で散歩している彼女は拾ったデータを逐一このデバイスに送信して保存しているのだ。最近妙にメモリの容量が減るなと思ったのは、彼女が拾ったデータを適当に放り込んでいたのが原因だったのである。そのせいで俺のデータ整理が終わらない。
これはもう完全に収集癖の所作である。ナンシュは収集癖と完全に理解したと同時に、きっと人であれば部屋の片づけが出来ない汚部屋製造タイプだと思う。何せ拾ってきたデータは分別せず全部同じファイルに突っ込むだけなのだ。そりゃ膨大なデータがあるのにファイルが一つしかないわけだ。
ISと言う精霊種族にも、片付けられない汚部屋製造器は居たんだなと……ヨーマはまた一つ賢くなりました。きっと、専門家もびっくりである。
「あれ? ナンシュの収集品? あいつ、何処まで散歩行ってるんだろ」
今までただの「フォルダ1」でしかなかったファイルに名前が付いていた。あれかな、俺がデータ整理してるの見て、何か思う所があったのだろうか、これが成長……まぁ千年以上前の年上相手に成長とか何を言ってる感はあるけど、小さなところからコツコツと、大事なことです。きっとここから彼女の汚部屋脱却ストーリーが始まるんだ。
うん、現実逃避はこのくらいでいいや。何を拾って来たんだろ、デコードもきっと俺の整理してる姿を見た彼女がしているのだろう。
「……これは、魔法式?」
猛烈に圧縮されたデータを展開してくれたようで、内容が機械的に並べられて見やすい。だからすぐわかったけど、これは魔法式のデータである。詳細は記入されていないけど、メモの様にちょこちょこ仕様が書き込まれている。
これはたぶん、誰かの作りかけの魔法式の設計図だ。
「見たことない魔法式だな、だいぶごちゃついてどんな効果なのか……わからん」
うん、魔法式の試案、まだ完成させる前に作られた設計図の積み上げだ。でも、問題なく機能しそうな魔法式も散見される。ただ、どんな魔法か調べるには検証用プログラムが必要だ。
身体走査の魔法刻印は、後回しにする事が決まった瞬間である。
「よし、これで魔法式を整理して内容を調べられる」
丸一日といったところだろうか、その間、動いたのは食事を受け取る時とトイレだけ、集中し過ぎて女の子のことは気にならなかったけど、物音はしていたのでいつも通りだと思う。
とりあえず実行してみよう。
これは魔法式をデバイス内で簡易シミュレートすることによって、その機能を調べて自動分別してくれるプログラムだ。正直そこまで難しいものでは無いし、普通のデバイスなら真面に動かない。言ってしまえばマシンスペック頼りの調査プログラム、家庭用のハイスペックパソコンでも動くか分からない。
化物すぎるんだよなこのデバイス、良い拾い物だけど、ここで運を使い切ったから今の状況があるのかもしれない。あ、もう終わった。処理速度が異常すぎる。
「…………違法魔法やんけ」
使ったら普通に捕まるやつだった。もってるだけなら問題ないけど、使ったらダメなやつだ。でも分解された魔法式の中には有用な物があるので、分解して保存して、統合魔法式は破棄だ。
どんな魔法かというと、相手の身体情報を分析して、意識はそのまま体を自由にコントロールするというものである。催眠や洗脳、魅了なんかの部類に近いだろうか、でもあちこち変な魔法式で、たぶんスムーズに人体のコントロールが出来ない。作りかけみたいだったし、そんなものか、それとも拷問用なのか。
「こわいな、何を拾って来てるんだ。いやまぁ、結構有用な魔法だけども」
分解していくと結構有用な魔法式が多いし、刻印術に変換するのもそんなに苦にならない構造な辺り、意外とナンシュは選んでいるのかもしれない。いや、本当にそうかな? ものすごい勢いで超圧縮されたデータ増えてるし、手あたり次第な気もする。
……今日は、根詰めて疲れたし、この分解した魔法式で遊ぶか。
「けっこう便利だな、でも互換性がないから新しく組み直さないとそのまま使ったら、社会的に死ぬ」
分析して分解した魔法式を、繋げたり切り離したりと効果検証をしていくのは楽しい。ただこの魔法式の開発者は独自色が強いみたいで、知っている一般的な魔法との互換性がほぼない、そうなると魔法式を繋ぐのにアダプターが必要になる。
アダプター自体は簡単に構築できるけど、そうやって構成した魔法は問題が出やすい。バグが出ない様に作ると、今度は自由度が無くなり、妙なところで条件が厳しくなるのが継ぎ接ぎ魔法の常だ。大戦争終結後の魔法消失時代はそう言った継ぎ接ぎ魔法が多く、事故が多かったと聞く。
「社会的に死なない程度にまとめて……」
明らかにいけないことに使う前提の魔法だ。分解しても変な魔法式が多いので、いらないものは削除が必須だな、性力増強とか性欲増大とか、今の俺には一番要らない。ナンシュに見られたらあらぬ疑いを受けそうだ。拾ってきたのはナンシュだけど、出会って少ししか話してないけど、盛大に勘違いしてくれそうな気がする。
削除、削除、さくじょ……。
「……ん? ご飯か……よし」
よしと言いつつ、眺める食料搬入用のシャッター。毒物反応は出なかったので問題はないはずだけど、変らず女の子はご飯を食べない。そうなるとやはり穢れ文化だろうかと思い様子を見るけど、女の子は動かないのだ。
どうしろと言うのだ。
「質が落ちてるな……」
気にしなければいいとは思うけど、それはちょっと無理だ。目の前でじっとこちらを睨みながらご飯を食べない女の子がいるのだから、気にならないとか、それは人間性が終わってると思う。少なくとも俺には無理だ。だから少しだけいつもより女の子の近くに食事がのせられたトレーを置く。
「シャーー!」
そりゃいつもより近くに来たら、鳴かれますよねぇ? 知ってた。
「わ、わかったから、近付かないから」
身振り手振りしながらそう言えば、左肩側の蛇は大きく上げた鎌首をゆっくり戻す。あれ? 戻さない、右肩の蛇まで髪の中から出て来たけど、驚いてる? どうしたんだ。
「…………っ」
「シャ!? きゅぶる!?」
「うお!?」
顔面からいったーーー!? あれは痛い。女の子の顔は駄目だろ、ベットマットが何枚も重ねてあるから床までの距離が遠い、そうなると余計に痛いし怪我もする。
って言ってる場合じゃない。
「シャー!」
左肩側の蛇も一緒に床に顔をぶつけたらしく、床から頭を上げて歯をむき出して来るが、知らん。
「ステイ!」
「!?」
俺が吠えれば左肩側の蛇はびっくりして仰け反る。今はそんな事をしている場合じゃない、噛まれて毒を貰っても多少ならスーツにインストールした治癒の刻印術で何とかなるだろう。
それより女の子の方だ。頭からいったから首を痛めた可能性もある。というか落ちた姿勢のまま動かないという事は、気絶したかもしれない。そっと片方の腕で首筋を支えながらベッドマットの上に寝かせる。
蛇は噛んで来ない。よく見ると右肩側の蛇が左肩側の蛇の首筋を噛んで制圧してるんだけど……こわ。
「……あ、おい。大丈夫か? ……額が赤くなっちまって、血は出てないな」
完全に気絶してる。
褐色の肌は血の気が悪く見えるが、前髪から覗くおでこは赤くなっていた。受け身も取れずに落ちたみたいだし、首の怪我を考えて枕に頭をのせる時も注意してそっと寝かせる。鼻も少し赤いけど血は出てない、でも内出血の場合、鼻の気道が塞がれるのでかえって危険かもしれない。
……触診は、問題が出そうだし噛まれそう。そうなると詳しく調べるには魔法を使うしかないけど、たぶんこの蛇たちは魔法に敏感だから、それでも噛まれそうなんだよな。
さてどうするか…………ほんとどうしよう。
いかがでしたでしょうか?
蛇少女の顔面ダイブ、ヨーマは混乱した。
目指せ書籍化、応援してもらえたら幸いです。それでは次回もお楽しみに!さようならー