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聖騎士団の巡回

「これより我ら聖騎士団による巡回を行う!」


 白銀の鎧を身に纏い、威厳を持って行進する集団がいる。


 その行進は精練されており、熟練した聖騎士たちによって、如何なる盗賊・魔獣であろうとも蹴散らされると民衆も考えるだろう。


 其処に続くは、荷物持ちである。


 しかしそれは単なる荷物持ちではなく、見るものが見れば、いずれ聖騎士になるほどの実力の持ち主たちであり、いざとなれば聖騎士を助ける者たちだ。


 その荷物持ちをやっている最後尾の方で、新人二人が小さき声で愚痴を言っていた。


「なぁ…最近巡回多くないか…?」


「そうだね…」


「私達が聖騎士になるには訓練を只管繰り返さないといけないのに、帰ってたら先輩達の装備の手入れしないといけないんでしょ?参っちゃうよなぁ」


「防具の手入れは大事、聖騎士になってから装備の手入れを習うより、見習いの内から先輩達の物で完璧に仕上げられるようにしたほうが良い…教官から言っていた…聞いてなかった?」


「それに基本的に聖騎士の装備の手入れは自分でやるから、こんな機会じゃないと私達新人は鎧すら触らせて貰えない…」


「装備の手入れについては分かったけどよぉ…やっぱり私達新人は訓練してた方がいいんじゃねぇかな?聖騎士を増やした方が良いし、荷物持ちさせられるのってやっぱり期待されてないんじゃないか?」


「それは違う、認識が間違っている、訓練場で評価されてる通り、私達は他の新人より頭二つ三つ抜けている、少なくとも他の新人がこの巡回について行けるとは思えない程厳しい」


「魔獣相手に怯えない、休憩中でも気を抜かない、聖騎士様に比べたら雑魚だけど、とにかく数が欲しい時の予備戦力くらいなら使える、そして早目に現場に慣れさせたい、これで連れて行かない理由がない」


「はぁ…良く考えられてるんだなぁ」


「ところでなんで最近巡回が多くなっているんだ?」


「…知らない」


 国を出て街道を逸れて森の中に入っていき、魔獣と盗賊を狩り野営をする。


 それを続けること約三日、遂に折り返し地点に着き隊長が宣言する。


「良くぞここまで頑張ってくれた、これから帰還をすることになるが決して油断は…」


 隊長が言い切る前に、更に奥の方の森で魔獣の咆哮と攻撃音が聞こえてきた。


「隊長どうしますか?更に奥に進むのは危険が伴いますが…」


「どうもこうも無かろう!!この咆哮の大きさと攻撃音からして相手は大物、この大物にとっては国との距離は目と鼻の先であり聖騎士として看過出来ぬ、それに何より攻撃音からして、人の聖魔法による防御壁を攻撃しているのだから、人が襲われているのを聖騎士が見過ごすわけがない!!」


「皆のもの征くぞ巡礼者を救いに行くのだ」


 聖騎士達は走っていく自らの誇りと正義の為に

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