表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

副団長、仲間が心配なので探します

「そういえば、どうして森の中にいたんすか?」


 自己紹介も終わり完全に打ち解けてきたとき、メイはスプーンを咥えながら聞いてくる。


 ダンは目の前にいる少女たちが、先の雑談で悪い人間ではないと確信したので答える。


「仲間を探してるんだ…少々事情が込みいったあるんだが…」


「あー…そうなんすね…」


 ダンが気まずそうに口にすると、少女たちは先のギルドの件を思い出し、目をそらしてしまう。


「まぁなんだ、重い話じゃないんだが…それ以上に重大なことがあるんだ」

「重大な話って?」


 シズが深刻そうに聞き、他の少女たちも身を乗り出す。


「路銀が無い」


 ダンはあえて深刻そうに言うと。


「…ぷっあははは、その実力でそれはないでしょ!…プクク」


「メイ命の恩人に失礼」


「ユウの言う通りだよ笑っちゃダメだよ」


「だってさ…クフフ」


 ダンの話で和気あいあいとし、これからの事を考えて切り出す。


「少しの間、パーティーに入れさせてくれないか?この辺の事とかに詳しくなくてね」


 少女たちは顔を見合わせて、一斉に頷くと。


「カッコイイお兄さんがパーティーに入ってくるのは大歓迎すよ」


「私たちが出来ることなら何でもします」


「命の恩人だから一生分の恩返しする…」


 男と一緒にいることが嬉しいメイ、純粋に恩義を感じてるシズ、恩義に格好つけて何か企んでるユウ、の承認を経てパーティーに加わったダンは一言。


「ありがとう、これから世話になるよ」






 パーティーに入れてもらい何事もなく、物事が進んだ。


 ギルドに登録して冒険者になり、薬草を採取し、動物を狩る。


 上級の冒険者が上級の魔獣が奥から出てきたことから、奥の森に調査に向かうが、巻き込まれることもない。


 村の人たちとひと悶着を起こすことなく、良好な関係を築いた。


 ダンにとっては当たり前のことを、当たり前にやっているつもりだが、気遣いの達人のように思われているようだ。


 思えば傭兵団に入る前は、決して裕福でも名声があったわけでもないが、問題に巻き込まれることもなく過ごしていたのだ。


 団長に命を助けられたのが運の尽きと言うべきか、傭兵団に入り只管問題を処理していった。


 その甲斐あって、戦闘力が団の中で最低であったにもかかわらず、副団長に任命された。


 問題を押し付けられたともいう。


 思い出せば出すほど、ダンは仲間が問題を起こさないか心配になっていった。


「あいつらを探さないと拙いかもしれん…」


 路銀も溜まってきたため、少女たちには黙って仲間を探す旅に出かけることにした。





 早朝を迎え、朝早く起き、早速村の出口に向かう。


 霧が出て、本来人影も見えない時間帯なのだが、三人の人影が見える。


「おーい私たちも連れてってくれよ~」


「水臭いですよ?パーティーを組んだ仲じゃないですか」


「ん…まだ一生分の恩返し出来てない」


 少女たちは口々に付いてくるつもりだという。


 ダンは流石に、自分の我儘に付き合わせるつもりはなかったが。


「町の場所とか分かるの?この辺こととか知らないんでしょ?ここは私たち任せて!」


「旅は道連れ世は情け、一緒に行きましょう!」


「そもそも私たちも、村から出て行くつもりだったから、予定が被っただけ何の支障もない、それに一生分の恩返しも出来ていない…」


 少女たちの言い分もあり、実際何某かの伝手も必要だろう。


 ダンは少女たちに少々呆れながら、それでも楽しい旅になりそうだと思った。

副団長編は山も谷もない章になってしまいましたが、出来ればもう少し読んでいただければと思っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ