聖騎士団、回復術士と出会う
走る、疾走る、正義の為に、人の為に走る。
聖騎士達は走っていく、草木を掻き分け、川を渡り、道中の襲ってくる魔獣をなぎ倒し走る。
魔獣の攻撃する音は激しさを増していく。
聖騎士が辿り着いたのは、多数の狼の魔獣に囲まれながら、断崖絶壁を背に結界を張りながら身を守ってる人間が一人。
隊長は歯噛みし、部下に号令を掛ける。
「生存者は一人!聖騎士の名において絶対に死なせるな!!」
雌叫びを上げ、斬り・刺し・潰し、囲んでいる魔獣達を蹴散らしていく。
聖騎士達の暴力に成す術がない魔獣は、半数になった時点で逃走をした。
「魔獣は逃げたようだな…そこの君大丈夫か?立てるか?」
救助した白魔導士は疲労した様子で、肩で息をしながら座り込んでいる。
隊長はその様子を見て、部下達に告げる。
「我々はこれから帰還するつもりだったが、救助者の様子から体力的に無理だと判断とし、今回は少し離れたところで野営とする!」
「魔獣の処理はしっかりしておくこと、血の匂いに釣られてまた来ても敵わん」
部隊は野営の選定を始めやるべきことをする。
「もう大丈夫だぞ!気をしっかり…」
「…持っ…て……持って下…さい…」
「まだ…近くに仲間が…」
その生存者は…男は息を整えながら、肩を貸した隊長相手に懇願する。
「まだ私の仲間が近くにいる筈なんです!探してください!!」
男はそう言うと張っていた緊張が解けたのかそのまま気絶した。
「隊長その方は男性だったのですか!?仲間がいるとあれば探しに…」
「彼は男だ…それもおそらく攻撃魔法のない白魔導士、そんな存在の仲間になった女が目を離すはずが無いんだ…」
「そんな…まさか!?」
「あぁ…魔獣に囲まれて女達が囮になって逃がしてくれたんだろうが…」
青い顔をした青年を見て悲痛な想像をする。
「…聖騎士諸君に通達する!彼の仲間達の捜索と、この周辺にいる魔獣の討伐を行う!彼の為にも頑張ってくれ!!」
聖騎士の意地で、かなりの量の魔獣を討伐出来たが、遺品どころかその仲間の痕跡すら見つからなかった。




