表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

忌み嫌われている娘を、化け物が住んでいると噂の屋敷に持っていったら手紙が帰ってきた。

 主様に「別れの手紙書け!」っていわれたから渋々書いたけど、書いてる間の記憶が殆ど無いんだよね……。気付いたら封をしてたっていうか。

 まぁ、もう届けちゃってるらしいし、今更手紙の内容をあれこれ修正は出来ないから仕方ないかっ!


 まっあのクソ村のことなんてどうでもいいし、主様もふもふしてあそ……じゃなくてイチャイチャしよ〜っと。フフフ〜。

 拝啓 時間を愚かなことに費やし無駄にして生きる皆々様方へ。紅葉も剥がれ落ちる昨今、貴方がたが如何お過ごしか、なんて考えなくても分かるようなことで脳内を汚したくは無いので、無用な挨拶もここまでに。


 愚かな皆様方が善意のサプライズで私をこの屋敷に捧げた件について、今は、深く感謝しております。この屋敷の主様は優しく、良識があり、可愛く、柔らかくふわふわで、可愛く、何より身寄りを失くした私を大事に大切にしてく下さいまして更にかわいいのです。皆様方に対して一切害をもたらさなかった私へのご褒美のようなものなのだなと、今ではそう思うことができ、皆様にされた肉体的、精神的、性的虐待や、理由なく行われる収奪の数々を半分くらいは許す事ができそうです。


 主様との生活は皆様が近くに居た頃とは比べようもないほど幸せで、その全てをここに書くことは出来そうもなく。このように嫉妬を煽るような事しか綴れない手に少々思うところはありますが……仕方無いですね。


 皆様の終末を祈って皆様の事を忘れて生きていきます! 敬具

 なっ、な、な、何なの!この手紙は!お巫山戯にしては度が過ぎてますわ。


 ……いやもしかして、化け物との生活が苦しすぎてしょうもない見栄っ張りな手紙を寄越したとか?

 いやいや、そもそもあの娘は文字なんて知らないはずですし村の誰かの嫌がらせ?でも屋敷の遣いの方から直接頂いたから信憑性が……、まぁあの娘が屋敷でどんなめにあってようが知りませんわ!きっと酷い拷問を受けてるに違いありませんわ!オホホホ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ