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『好き』に『ごめんね』

作者: 西川 新

『好き』という言葉聞くたびに


君はたちまち曇り顔


「ありがとう」


「でも」


「ごめんね」


にっこり笑顔を貼りつけて


そうやって君は何度も繰り返す



『好き』に『ごめんね』


ずっとこのループで終わらない


誰も笑顔になることはない


誰も悪いことはない


君はひたすらに笑って誤魔化す


「泣かせちゃったよ」


と笑うだけ


そうやって何か言いたげな笑みを


ひたすら浮かべるだけなんだ




君はきっと分かってる


これは仕方がないことって


だけど仕方がなくても君には辛いこと


君は言われて笑うことしか出来なくて


君は僕に弱音なんか吐くことはなくて


誰かに頼ることもない


僕に頼ることもない




「ありがとう」に「ごめんね」


なんで謝るんだよ 君が


なんでそんな苦しそうなんだよ 君が


誰も悪くない今


なのに


誰一人笑顔になんかなれない未来


君は笑顔を僕に見せつけるけど


その笑顔は作り笑顔ってこと


わかってんだよ 下手くそ


やるならもっと自然にやってくれ


もっと自然に溢れてくる笑みを浮かべてくれ



何か言いたげな君の笑みを


自然な笑みにすることしか僕には出来ない


何か言いたげな君の瞳から


零れる涙を掬うことしか僕にはできない


ただそばに居て


君が辛い時に笑いかけるだけ


笑わせてるだけしか出来ない



君が辛い思いをすることなんてないよ


「ありがとう」に「ごめんね」


僕はそんな君のただそばにいることしか出来ない


『好き』に『ごめんね』


きっと君はまたそう言うんだろう


僕の『好き』にも君はそう言うんだろう


気まずそうにすまなそうに


君は『ごめんね』って言うんだろうな




君に辛い思いをさせるつもりは


毛頭ないから


君に謝罪させるつもりは


全くないから


僕はこの想いを


胸の中に秘めるだけで


いいんだと思う


それがいいんだと思う


『好き』に『ごめんね』


そう言われて


僕も君も笑顔になんかなれる気はしないからさ

これはきっと高校生くらいの子たちの話でしょうね。まあ、ご想像にお任せします。

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