表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

温度差で風邪をひける企画もの

美幼女探偵みーちゃんの事件記録〜お菓子密室殺人(?)事件〜

作者: 空野 奏多

「おじちゃま! たいへんなの!」


 くりくりのまんまる目はさらに大きく開き。

 鋭い……気持ち鋭い眼差しをこちらに向ける。

 けれどその小さな口はたどたどしく言葉を紡ぐ。

 


 そう。目の前の4才の女の子は― ―全然事件でもなんでもない事を、事件にしてしまう天才である。



「……どうしたの、みーちゃん。お母さんまだ帰ってこないよ?」

「ママのことはいいの! いまはね、だいじけんなの!」

「大事件なのかー……」


 お昼寝してたと思ったら。


 ソファで漫画を読んでいたオレの足元に来て、足をペチペチしてきた。勢いがないから全然痛くないけど、本人的に一大事アピールらしい。



 10歳も違う姉貴の子供であるみーちゃんは、令嬢探偵アニメに憧れる女の子。



 姉貴はしょっちゅう家に来ては。

 みーちゃんを置いて買い物に行く。


 「主婦は忙しいの、使えるものは弟でも使うわ!」と言い放つ悪魔(あねき)のおかげで、遊びたい盛りの高校生のオレは家に拘束されている。


 いやまぁ、いいけどね?

 どうせヒマですし⁉︎

 姉貴のやつめとは思うけどな!



 4才児(みーちゃん)の思考回路は、可愛くて面白い。



「おじちゃま、きいてる⁉︎」

「あ、ごめんごめん。聞いてるよ……で、どうしたの?」

「おかちがなくなっちゃったの! これはじけんなのよ!」


 どうもアニメに影響されているらしい。

 今日も大きな虫眼鏡を抱えている。

 なおそれが使われたことはない模様。


「あのおちゃらにあったのに! ないの!」

「みーちゃんが食べたでしょ?」

「ちがう! みーちゃんまだたべてない! これはみっちゅちゅちゃちゅじんじけんなの!」


 早口言葉か⁉︎

 アニメのセリフの影響だな‼︎

 惜し……いや惜しくないな?


「お菓子は死なないよ?」

「おかちもいたいの!」

「なるほど」


 可愛いので、オレは今日からお菓子生きてる説を全力で推していきます。異論は認めん!


「おじちゃまをじょちゅにちてあげるの!」

「そっかー」

「おじちゃま、だっこ!」

「うんおいで〜」


 助手は言われるがまま、もっともらしい顔をする探偵を抱き上げる。足の上のみーちゃんは満足げだ。可愛い、そして脈略がない。


「はんにんは、きっとアリちゃんなの!」

「判明早いな〜。でもこの部屋誰も入れないし……あ、みーちゃん口の横お菓子ついてるよ」

「ん?」

「お、とれた」

「……! みーちゃん、さっきおかちたべた!」

「あ、思い出した?」


 ねぼ助な探偵の自白により、探偵が犯人ということで事件の迷宮入りは免れた。……お菓子は後で買い足そうか。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] カワイイ! 可愛い!! KAWAII!!!(ノ≧▽≦)ノ みーちゃんの可愛らしさが爆発していますが、なにげに面倒見もノリも良い高校生のおじちゃまも可愛いですね。 [気になる点] >みっち…
[良い点] >みっちゅちゅちゃちゅじんじけん 噛まずに言えてえらい! [一言] 可愛いですなぁ。 本当に可愛い(*´ω`*) 何度も読み返したくなる可愛さ。 たまにはこういう小説を読んで癒されたいよ…
[良い点] ふふふ、いくらでもおかち買ってあげるよ~。 一緒に食べようね~。 こんな探偵さんに迫られたら、誰だって自白してしまうのです!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ