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ロストゲーム  作者: Foo
9/14

第三章ラスト #2

先に言っておきたいことがあります。それは、そろそろ定期テストだと言うことです。たぶん更新遅れます。すみません。 そういえば、この話、1000アクセス越えました。やりました! まあ、前書きはこんなことぐらいです。

俺たちはどこかの部屋の中にワープしたようだ。見た感じはホテルのようだ。


「急に現れてすまない。事態があまりにも悪くなってな。」


ノウが頭を下げる。


「やめてよ。そんなことされると逆にこっちが辛いよ。」


持田が笑う。


「ああ。なら本題に戻らせてもらう。俺たちはお前たちと別れたあと、あることを調べていたんだ。」


豪気が顔を歪める。


「あること?」


「ああ、チーム零のボスのことだ。名前は零、そしてIANだが……」


ノウが息をのむ。


「名前はオールだ。能力は全て。そう、全ての能力を使うことが出来る。」


「どういうこと?」


持田が首を傾げる。


「つまり、参加者全員の能力を使うことが出来るんだ。私の能力も、ここにいるみんなの能力も全部使えるんだ。」


「代償は?」


豪気が聞く。


「心だ。心を失い、全ての能力を使うことが出来る。分かるか、全ての能力だぞ。」


ノウの声は震えていた。


「私の仲間たちはやつによって蘭を除けば、全滅させられた。一瞬でだ。やつを止めるすべはない。」


「そんな。全滅だなんて。全く歯が立たなかったの。ちがうよね。」


持田が恐る恐る聞く。


「ああ、やつは手からレーザーのようなものを出した。それに当たった仲間は消滅した。仲間は光を放ってその場から消えたんだ。」


「そんな。」


持田が顔を伏せる。


「ともかく、そうやって私の仲間たちは消されたんだ。なんとか私と蘭だけは蘭の能力によって逃げられたんだ。」


「そいつに弱点はないのか。一個ぐらいあるだろう。」


豪気が言う。


「ない。断言出来る。やつは全ての能力を使えるんだ。どんな攻撃も出来るし、逆に防ぐことも出来る。」


全員、思考モードに入る。しかし、いったいどんな能力があるんだか分からないから考えようがない。




かなり時間がたったと思う。あれから誰も喋らなかった。特にノウと蘭は顔を伏せたまま動かない。仲間のことを思い出しているんだろう。


「なあ、少しの間1人になっていいか。ちょっと疲れた。」


ノウが呟いて部屋から出ていった。蘭がそれを見てオロオロする。


「私もついていきます。」


蘭がノウのあとを追った。きっと2人とも、いろいろと整理したい気持ちがあるんだろう。


「はあーあ、これからどうすればいいんだろう。」


持田がため息をつく。


「分からないな。正直、零がどれくらい強いのか分からないし。まったく、どうしたらいいんだか。」


俺もため息をつく。


「そうだ、こんな時こそ料理だ。俺、何かないか見てくる。」


そういって持田は出ていった。まったく忙しいやつだ。


「俺もちょっと出かけるな。そろそろ手持ちの写真が無くなってきたんでな。」


豪気も出ていった。暦もついていった。あとには俺と咲が残った。


「さてと、俺もなんかするかな。」


俺は立ち上がった。しかし、咲に呼び止められた。


「ねえ、金田。聞きたいことがあるんだけどさ。」


「聞きたいこと?」


「うん、前々から思ってたんだけど、なんで金田はそんなにお金が大事なの?」


俺は言おうか言わないか悩んだが、言うことにした。


「それは、俺は今、莫大な金が必要だからだ。さっき黄泉が言ってたろ。俺の寿命は10年以内だって。あれ、当たってるんだ。俺はあと一年しか生きられない。」


咲が一瞬息をのむ。


「それは本当なの。」


「ああ、本当なんだ。俺の寿命はあと一年しかない。お前、デブラ病を知ってるか?」


咲が首を振る。


「分からないわ。どんな病気?」


「原因不明で対処方法は無し、発症から1年以内に心臓麻痺を起こし死亡する。俺はそれにかかったんだ。」


咲が言葉をなくす。


「そして、この病気を治すには莫大な研究資金が必要なんだ。だから、俺は金がほしいんだ。」


「でも、金田は小さい頃からお金にごだわっていたような。」


咲の言うとおりに俺は昔から金にはうるさかった。


「たしかに俺が病気になったのは一月前だ。ただ、この病気を知ったのは小学生の頃なんだ。


その頃、俺の友達がデブラ病にかかったんだ。そして、友達は死んだ。治すために必要な莫大な金が手に入らなかったんだ。


俺は自分が無力だと思ったんだ。友達1人も救えないのだと。俺は悔しかった、今でも後悔している。あの時、もっと金があればと。


そして、俺は金にうるさくなったんだ。」


「そんなことがあったなんて。」


咲が少し驚きの表情をみせる。


「まあ、俺もデブラ病にかかったんだけどな。残念だけど、まだ金は集まってないけどな。まっ、あんな金集まるはずがないけどな。」


俺は自嘲ぎみに笑う。咲は黙っている。


「ねえ、金田。私が足をケガした時のことを覚えてる。あの時に私のことを励ましてくれたわよね。」


「ああ、覚えているよ。あの時のお前といったら…」


「私は中学の頃バスケ部だった。そんな私にとって足のケガは致命的だった。金田はそんな私を熱心に励ましてくれた。すごい嬉しかった。」


俺は少し恥ずかしい気分だ。こんなふうに真面目に言われると。


「もう、その時には俺の友達は死んでいたからな。だから俺は目の前で、誰かが傷つくのが嫌だったんだ。」


「あの時に金田は言ったじゃない。希望を捨てるなと。その時のことを思い出して。希望を捨てちゃだめよ。きっと病気は治るわ。」


咲の真剣な言葉は俺の心に響いた。


「ありがとう。」


自然とその言葉は口からでていた。 不思議だ。


「うん。元気になればよし。」


咲が笑った。


「みんなー、なかなか良い食材が見つかったよ。」


気楽な声が聞こえる。きっと持田だ。


「あれ、咲と金田だけか。まだみんなは戻ってないの。」


持田が部屋に戻ってきた。


「なんだよ。せっかく美味しい料理を作ろうとしたのに。」


持田がぼやく。


「まあまあ、みんな、いろいろあるんだから。それで、何か美味しいものが作れそうなのか。」


俺は持田をなだめる。


「ああ。ここの食材はなかなかだぜ。腕がなるぜ。」


持田の言葉から一拍おいて、豪気と暦が帰ってきた。


「ただいま。話しは聞いたぞ。持田、期待してるぜ。」


持田が自分の胸を叩く。


「任しとけ。最高にうまいものを作ってみせるよ。」

なんか、持田を見ていると元気になってくる気がする。


「さて、俺は下ごしらえをしてくるよ。」


持田は部屋を出ていった。




それから少し時間がたって、持田の料理が完成した。そしてノウや蘭も戻ってきた。俺たちは持田の美味しい料理を食べた。


「さて、これから、みんなどうするんだ?」


俺が聞く。


「俺はもう少し妹と話がしたい。」


豪気が暦のほうを見る。暦もうなずく。


「俺は食材のほうを見てくる。明日の料理を考えるから。」


持田は、もう、すっかりお母さんみたいだ。


「金田はどうするの。」


咲が聞いてくる。


「俺は疲れたから、もう少ししたら寝るよ。」




結局、その後、俺は特に何もせずに寝てしまった。


金田が寝たあと、咲は深刻そうな顔でノウに会いにいった。


「ねえ、ノウ。ちょっといい?」


咲のほうが先に切り出した。


「なんだ?」


「少し調べたいものがあって。黄泉の能力なんだけど。」


「それなら、もう調べてあるぞ。」


ノウがポケットから一枚の紙を取り出して咲に渡す。


「そこに書いてある。」


「ありがとう。ちょっと借りるね。」


そう言って、咲はポケットに紙をしまった。そのまま、咲は自分の部屋に戻った。


咲は部屋の中で先ほどノウにもらった紙を見ていた。


「なるほどね。」


紙を見ながら咲が呟く。


紙に書かれている内容はこうだ。


『黄泉、年齢25歳。IANは名前はデス、能力は相手の寿命10年につき、一回相手を触れば、相手を殺すことが出来る。


なお、能力発動時には本人の手は無敵になる。失うものは寿命で、一回触るこどに1週間失う。』


「厄介ね。どうしたものかな。」


咲は、1人思い悩んでいた。どうすれば黄泉を倒せるのかを。しかし、結局、思いつかないまま朝がきてしまった。




「みんなー、朝ごはんができたよ。」


持田の大声で俺は目覚めた。俺の隣にいる豪気も目覚めた。俺たちは居間に向かった。そこには俺たちを除いた全員が揃っていた。


それから、俺たちは全員で仲良く朝ごはんを食べた。


俺たちが食べ終わった瞬間、俺たちの目の前が光った。そして、そこには黄泉がいた。


「おはよう。皆さん。私から逃げられると思ったの。」


黄泉が不気味に笑う。俺たちは一瞬固まった。



「逃げるんだ!」


豪気の声に俺たちは正気に戻った。そして、一斉にドアに向かって走った。


「ふふ、今回は逃がさないわよ。」


黄泉も追ってくる。


俺は必死に走った。ドアを開けるとそこは廊下だった。そういえば俺は一度も外に出たことがなかった。とりあえず、前を走っている豪気についていくことにした。


俺は階段を降りていった。階段を降りると、そこはホテルのロビーだった。俺の予想どおり、ここはホテルだったんだ。まあ、今はそんなことを気にしている暇はないが。


ロビーのドアを出て、俺は外に出た。そして、1分も たたないうちに残りのメンバーも出てきた。


そして、俺たちの頭の上の数字は変わっていた。俺は変わらず1、豪気は5、ノウと蘭と暦はなし、そして咲と持田は…


「1!?どういうことだ咲!それに持田も2ってどういうことだよ。」



俺は叫ぶ。


「逃げる途中に触られたみたい。」


咲が後ろを見て言う。


「俺もだ。」


持田が言う。そして、持田が言い終わってから少しして、黄泉が中から出てきた。


「あら、逃げるのはやめたの。あきらめの早いこと。」


「あきらめた訳じゃない!俺たちはお前を倒す!」


俺は叫ぶ。


「威勢が良いのは結構。でも、それだけじゃ私は倒せない。」


俺は小切手に木刀と書き、切る。そして、出てきた木刀を構える。


「威勢だけじゃない!俺たちは絶対にお前を倒す!」


黄泉が高笑いをする。


「それじゃ、鬼ごっこ二回戦といきましょうか!」


俺たちの命懸けの鬼ごっこが再び始まった。

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