第一章 コンタクト#2
前回は調子にのったくせに改行が少なくて見ずらかったと思います。すみません。m(__)m あと、小説の更新日なんですが、次回投稿時にお知らせします。
「だいたいの話しは聞こえてたよ。俺もあんたは悪いやつだとは思わないな。だって、俺を殴るとき、あんた一瞬顔がゆがんだよな。だろ。」
「ああ、妹のことが頭によぎったんだ。あいつも今頃は高三なんだよなって。そしたら、お前を殴るのがためらわれてな。」
「なるほど。持田が言っていたとおり、俺たちに叶えたい願いはない。だから、あんたの願いを叶えるようにするよ。頑張ろうぜ。」
「これからよろしくな。」
そうして話しているうちに時間がすぎ、持田の食事が終わり豪気に対する能力も消え、俺たちは持田の家で今までのことを話し合った。
「つまり、まとめると豪気は七日前に、持田は三日前に、俺は今日に、目覚めたわけだ。そして、宇宙人からの手紙でバトルロワイアルについて知った。合っているな。」
俺からの問いかけに豪気と持田が首を縦に振る。
「そして、このバトルロワイアルから抜け出すには負けるしかないが、負けは死を意味する。」
持田が首をまげる。
「どういうこと。戦闘不能になればいいんじゃないの。」
俺は首を横にふる。
「いいや、戦闘不能になるということは、大けがをおわなければいけない。宇宙人は治すと言っているが、信用出来ない。俺もお前も速くこのゲームから抜け出したいけど、死ぬ危険があるんじゃ、わざと負けることも出来ない。」
豪気が少し手をあげる。
「聞きたいんだが、本当にお前らは叶えたい願いはないのか。」
「ああ、ないよ。しいて言うなら、このゲームから抜け出すことかな。」
豪気が真剣な目で俺を見てくる。
「その意思は絶対に変わらないな。」
「もちろん。はっきり言うと俺には夢が無いんだ。だから、叶えたい願いはない。」
俺は持田を見る。
「お前はどうだ。」
「俺には夢はある。それはフランス料理人になることだ。でも、宇宙人に叶えてもらいたいとは思わない。自力でなるからこそ意味がるんだ。」
持田が珍しく真顔になる。豪気がすこし笑う。
「そうか。さて、話しを変えるが、このあとどうする。」
俺は少し考えて。
「とりあえず、スーパーにでも行こう。食糧がほしい。でも、少し休もう。疲れた。」
持田も豪気もうなずく。
そして、俺たちはその場にバタリと倒れた。そのまま俺たちは睡眠にはいった。
そのまま数時間がたち、時刻は5時になったその時、ガタンと音がした。俺は起きて音がしたほう、玄関に向かった。玄関には特には変わりはなかった。ただ、郵便受けに一通の封筒が入っていた。俺はそれを持って居間に戻ってみんなを起こした。最初に持田が起きた。
「どうしたんだよ。」
それと同時に豪気も起きた。
「なんだ?」
俺は答える。
「二人ともこれを見て。」
俺は持ってきた封筒を見せたそこには、宇宙人よりと書かれていた。二人が驚きの声をあげる。俺は封筒の中身を出した。
「読み上げるぞ。」
『皆さん、お元気でしょうか。この手紙を読んでくれているということは、皆さんは無事ゲームに生き残っているということでしょう。
さて、今回の手紙はゲームの経過報告です。現在、ゲームが開始されて一月が経過しました。この点に疑問を感じる方もいるでしょう。
今日、ゲームに参加した方もいるでしょう。理由は述べられませんが、あなた方がゲームに参加した日はバラバラです。なので、実感はないと思いますがゲームに最初の参加者がきた日から一月がたちました。
最後に一つ報告があります。はっきり言ってこれが一番大事です。当初、ゲーム参加者は一億人いました。しかし、現在は一万人しかいません。以上で報告を終わります。』
俺は少しだけ悪寒を感じた。持田が口を開く。
「一万人か、なんか実感がないな。だって俺たちもそのなかの三人なんだろ。」
「まあな。とにかく、現状では分からないことが多すぎる。」
豪気が手をあげる。
「いや、今までのことから考えると、ある程度はわかってくる。まず、ゲームが始まって一月で一億人が一万人になるのはおかしい。ということは、考えられることは一つ。強力な組織の存在だ。」
俺は口を挟む。
「ちょっとまて、何でそうなるんだ。他の理由を考えないのか。」
「ああ、おそらく考え無くていいだろう。ようく考えるんだ。まず、たった一月で999万人を戦闘不能にするのはかなり人手がいる。
そのうえ、大きな疑問がある。俺たちはゲームに参加したと言われてもすぐに信じようとしなかった。おそらく他の人たちもそうだろう。なのにゲーム参加者は急激に減っていった。
この二つから導き出されることはひとつ強力な指導者の存在だ。そうすれば、ゲーム参加者に迅速にゲームについて信用させることが出来る。
そして、指導者は聞くんだ。自分たちの組織に入るかどうか。入らなければ、その場で抹殺する。そうすれば、効率的にゲームを進められる。」
持田の目に少し不安が浮かぶ。
「そんな。そんなことがあるはずないよ。例えば、ゲーム参加者が全員、初めから好戦的な人たちだったら。」
「その可能性がないわけではない。が、少なくとも俺たちみたいグループを作るやつらはいるだろう。俺たちだってそうしてるんだから。」
俺は目を閉じた。そして、今までのことを思い出す。
「今まで、いろいろあった。それらは全て現実のことだ。そして今、俺、いや、俺たちは命の危険が迫っている。俺たちは死にたくはない。」
俺は大きく息を吸い込む。
「生きたい。何が起ころうとも、生き残りたい。なっ!」
俺はいつの間にか、口が開いていた。そして、みんなもうなずいていた。豪気が口を開く。
「とりあえず、スーパーに行こう。今なら危険はない。」
持田が首をまげる。
「どうして。」
「理由は簡単だ。時計を見ろ。今は4時55分だ、もう5時だルール上では、5時以降のバトルは禁止されている。」
持田が手を打つ。
「なるほど。じゃあ早くスーパーに行こうよ。金田もいいよね。」
俺はうなずく。
「じゃあ、出発!」
持田がこぶしを突きあげる。俺たちも一応あげる。
そして、俺たちは皿洗いをしたあと、持田の家を出た。時刻は5時すぎ。今日のゲームは終わった。
俺は所持金を確認した。すると、不思議なことに気づいた。楓との戦いでは木刀は千五百円だった。しかし、豪気との戦いでは千円だった。
(何でだ。何か理由があるのか。)
いくら考えても答えは浮かばない。俺は考えるのをやめた。
そうこうしているうちに俺たちはスーパーに着いた。中に入るとそこは無人だった。俺たちは各自食糧を探した。そうして、三十分が過ぎた。俺たちの目の前には食べ物の山が出来た。
そうして、俺たちは食糧を手にいれた。そのまま、何事もなく帰れると思ったがそうはいかなかった。帰り道、俺たちは声をかけられた。
「待って。あなたたち金田と持田よね。」
声のぬしは女性だった。振り向くとそこには、
「咲!」
高宮 咲、昔からの幼なじみだ。小学生、中学生、高校生全て一緒だった。いわゆる腐れ縁だ。
「やっぱり。あなたたちだったのね。とりあえず、隣にいる人のことを教えてくれない。」
豪気が自分のことを指さす。
「俺のことか。」
「そう、あなたよ。」
「俺は豪気、高城 豪気だ。こいつらとは、ついさっき知り合った。」
咲がうなずく。
「なるほど。私は高宮 咲よ。咲とよんで。」
豪気がうなずく。それと同時に持田の腹がなった。
「腹減った、早く家に帰ろうよ。」
持田が情けない声をだす。そして持田を除く全員が笑った。
「お前なあ、まだ六時前だぞ。早すぎるだろ。」
すかさず俺が突っ込みをいれる。
「でも、早く家に帰るのは賛成ね。このまま、ここにいたんじゃ危険よ。」
咲が声をあげる。
そして、結局俺たちは家にぶじ帰り、持田の作った料理を味わい、(余談だが持田の料理はかなりうまい。さすが料理人を目指しているだけある。)明日に備えて寝ることにした。
そうして、俺の壮絶なゲームの始まりを告げる1日は終わった。俺たちの行く手に何があろうとも、こいつら、仲間たちがいれば何でも乗り越えられる気がした。そろそろ、俺も眠くなってきた。今日はもう休むとしよう。