第四章 エピローグ
更新遅れてすみませんm(__)m
いきなりの謝罪文ですね。
まあ、次回は早めの更新にするんで。
そろそろ、この話も限界に達してきましたね。しかし、ちゃんとした終わりはつけるのでご安心を。
次回作に期待して!
何言ってんだか。
宇宙、実際に行ったことないので、今までは、ただ、無重力の世界だとしか思っていなかった。
しかし、実際に来てみると違った。吸い込まれそうな闇、どこまでも広がる空間。この宇宙に比べれば人間なんて、小さな存在に過ぎない。そう思わせる何かがあった。
「そうか、そういうことか。」
豪気が呟く。
「なにがだ。」
俺は聞き返した
「ノウの言いたいことが分かったんだ。」
「いったいなんなんだ?」
豪気が地球のほうを、遠くを見るような目で見る。
「少し長くなるぞ。ノウと以前に能力について話していたんだ。その時に、時間を操れる能力はないかって話しになったんだ。
そういう能力は無かったんだけど、そのかわりに、俺と蘭と暦が協力すれば出来るんじゃないかという話しになったんだ。
相対性理論によると光速で等速直線運動をしていれば時間が止まるらしいんだ。
つまり、ここから地球に向かって光速で移動すれば時間がとまるんだ。」
俺の脳内で全ての疑問が解決した。
「そうかっ。つまり、時間が止まれば零は能力を使えない。」
「そういうことだ。さて、あとは俺に任せろ。そのままでいろよ。」
「えっ?」
豪気が俺の後ろにまわる。そして、俺のことをおもいっきり押した。俺は地球に向かって急速にとんでいく。
「蘭、金田に向かってワープしてくれ。」
豪気が蘭に言う。蘭がうなずく。そして、金田の後ろにワープした。
「金田、全てはお前に託したぞ。」
豪気が俺の背中を押した。その腕は力強く、そして、あたたかった。俺はさらに加速する。
「蘭、もう一度だ。」
豪気がもう一度、蘭とワープして金田の後ろにつく。
「金田!時を駆けろ!!」
それが豪気の最後の言葉だった。俺はどんどん加速していき、今は音速をこえていると思う。
(今頃、下ではどうしているんだろう。大丈夫だろうか。咲、生きていてくれよ。)
実際、いくら考えても分かるはずはないけれど、考えてしまう。
(みんな、待っていてくれ。俺は必ず行く。)
一方、地上ではノウたちが悪戦苦闘していた。
「くそっ。やはりお前の能力は強い。」
零が首を振る。
「いい加減に諦めたらどうなの。勝てるわけがないじゃん。」
「いや、俺たちは諦めない。なんてったって、希望の星が宇宙に輝いているんだから。」
零がため息をつく。
「意味が分からない。希望の星?さっきワープして逃げた奴らのこと?仲間を信じるなんて馬鹿らしい。」
「なぜ、お前はそんなにも仲間を嫌う。」
「お前らが知る必要はない。」
零が光の鞭をふるう。しかし、ノウたちには当たらない。感情の高ぶりによって、狙いが定まらないのだ。
「仕方ないな。子供相手には気が引けるが。」
ノウが懐から拳銃を取り出す。零に向かって発砲する。しかし、銃弾は零まで届きはしなかった。
「何でもありかよ。その能力は。」
銃弾は零の少し手前で浮いていた。いや、止まっていた。まるで、空中に壁があるかのように。
「僕に銃がきくわけないでしょ。バカだね。」
「本当に面倒な能力だよ。」
今度は零がノウに向かってムチをふるう。全員を狙うのではなく、ノウ一人を狙ってだ。何本ものムチがノウを襲う。
「一人一人殺してあげる。」
零の宣言どおり、ムチはノウしか狙わない。ノウはなんとか避けるが、これじゃ何もすることが出来ない。
暦や咲などが援護しようとしても、残念ながら出来ない。遠距離攻撃できないからだ。近距離攻撃じゃ、逆に邪魔になってしまう。
(どこにいるかは分からないけど、金田、早く来て。このままじゃ…)
咲が上を見る。咲はしるよしもなかったが、偶然にもその方向は金田のいる方向だった。
その頃、金田は大気圏に突入しようとしていた。金田のスピードは、ほぼ光速に達しようとしていた。
(俺のスピードは今はどれぐらいなんだろうか?こう、周りが宇宙じゃ分からない。)
本人は気づいてはいなかったが、すでに金田の時間軸は遅くなっており、もう少しで時間が止まる域にまでなっていた。
(地球が大きくなってきた。そろそろ大気圏だな。)
金田の思った通りに地球との距離は縮んでおり、目の前に最初の三十倍以上に大きくなっていた。
そして、金田の体が光始めた。色はだんだん赤色になっていく大気圏に突入したのだ。
(勝負はおそらく一瞬だ。たぶん、あいつはまだ気づいてはいないはずだ。)
金田の思惑どおりに零はまだ気づいてはいなかった。
そして、金田はスピードをあげていき、ついに光速に達した。それは、ちょうどノウたちのすぐ上に着いた時とおなじだった。
「零!」
その金田の声が聞こえたかどうかは分からない。ただ、金田はその声といっしょに零に殴りかかっていた。
それは一瞬のことだった。いや、時間が止まっているから、一瞬ですらなかったかもしれない。
零の体はきれいに吹っ飛んでいった。金田のパンチは確かに当たったのだ。
そして、金田も地面に当たったが、ただ、転んだだけですんだ。暦のバリアのおかげで物理的なダメージは受けないからだ。
そして、再び時は動きだす。
「勝ったのか?」
俺は自分の手と零を交互に見る。俺は本当に勝ったんだろうか。
「くそ、油断した。」
倒れた零がゆっくりと立ち上がる。
「まさか…宇宙…から来るなんて…」
しかし、それが最後の言葉だった。零は倒れた。そして、動かなくなった。
「ついに…ついに、勝ったのか。」
俺は仲間たちを見る。みんなも、実感がないようで立ちつくしている。
「勝った、俺たちは勝ったんだ!」
持田が声をあげる。
「そうよ、勝ったのよ!」
咲も続けて声をあげた。
「そうだ。俺たちは勝ったんだ!零に勝ったんだ!」
俺たちは喜びの声をあげた。
「でも、これからどうするんだ?」
ノウが声をあげた。
「それは…分からないな。」
俺は首を振る。その時、俺のケータイが鳴った。俺はケータイを見る。メールを見る。
『あなたがだした、仲間についてですが、このバトルロワイヤルにおいて一度敗退しているので、残念ですが勝ち残りには含まれません。
というわけで、このバトルロワイヤルの残り参加人数は、あなたと楓の二人になりました。
しかし、楓さんは零さんの能力によって戦闘不能状態におちいっていますので、勝ち残りとはみなしません。
よって、このバトルロワイヤルの優勝はあなたです。おめでとうございます。』
なんか釈然としなかった。でも、優勝したけれど何があるっていうんだ。
「みんな見てくれ。」
俺はメールをみんなに見せた。みんなの反応は様々だった。しかし、確かな共通点がある。それは納得していないという点だ。
「いったい、これからどうなるんだろうか。」
俺の不安はすぐに吹っ飛んだ。なぜなら、突然に俺たちはワープしたからだ。
「なんだ!?ここは?」
周りを見ると、ここは何かの部屋のようだった。色は白色で統一されており、家具などは無かった。
〔ようこそ皆さん。まず金田さん。優勝おめでとうございます。さて、ここは宇宙船の中です。〕
俺は天井のほうをみる。おそらく、そこから声が聞こえてきたからだ。
「いったい、だれだ!」
〔私たちは宇宙人です。そう、このゲームの主催者です。ルール上、優勝した者にはここに来てもらい、質問に答えてもらわなければならないのです。〕
「その前に、このくだらないゲームを始めた理由を答えろ!!なぜだ!!」
〔そうですね。あなた方には聞く権利がある。いいでしょう、お話します。
そもそも、このバトルロワイヤル自体にはさほど意味はありません。私達が知りたかったのは、あなた方の行動パターンです。
なぜか、それはあなた方の知能レベルが一定になったからです。知能レベルでいえばあなた方は宇宙連盟に入る資格がある。〕
そこで俺は話をとめた。
「ちょっとまて。宇宙連盟とはなんだ。」
〔あなた方に国際連盟があるように、宇宙にも連盟があるのです。加盟している星の数は天文学的な数値になります。
ちなみに本当は宇宙連盟などという名前ではないんですが、あなた方に分かりやすいように訳しているんですよ。
さて、先ほども申したとおり、あなた方の知能レベルは基準値に達しています。しかし、思想はどうでしょうか?〕
俺は再び話を遮る。
「思想なんか調べてどうするんだ?」
〔簡単に言うと、頭がよくても性格がダメじゃ困るるんですよ。
だから、あなた方にバトルロワイヤルをさせて、あなた方の思想を調べたんですよ。〕
「そんなことのために俺たちは…」
〔もちろん、あなた方が失ったものは返却しますよ。ご安心ください。
そして、最終テストです。覚えていらっしゃらないかもしれませんが、このゲームにはあるルールがありましたね。
そう、優勝者がでた後にその優勝者にある質問に答えてもらうというものです。
用意はいいですか。〕
俺はルールを思いだしていた。確かにそんなルールがあった気もする。
〔いろいろ言いたいことがあると思いますが、最初にこの質問に答えてもらいたい。純粋な気持ちで答えてもらいたいのだ。
では聞くぞ。君はこの世で一番大切なものはなんだと思う?〕
一番大切なもの?それはやっぱり金?それともなんだ…分からないな。いったいなんなんだ。
(この世で一番大切なもの?それはいったい?)