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ロストゲーム  作者: Foo
12/14

第三章 ラスト#5

今回は重要なお知らせがあります。ついに次回から、最終章に突入します!!


ヾ(≧∇≦)〃


なんとも言えないですねぇ~


かっこいい感じで言うと、始まりがあれば必ず終わりがある。それは自然の摂理だ。ってことでしょうか。


まあ、いろいろ言いたいことがありますが、それはこの小説が終わってからとしましょう。

俺は死を覚悟した。目をつぶり、心を静かにした。


(終わった。)


俺たちは圧倒的な零の能力に屈するしかなかった。もう死を待つだけだった。


しかし、俺はいつまでも体の感覚が消えなかったので目を開けた。


そこには空が広がっていた。


(俺は浮いている?)


「借りを返しにきたよ。」


振り向くと楓がいた。俺が初めて戦った相手。


「楓!?何でお前がここに。」


楓が笑った。


「お前の甘い考えでどこまでいけるか見に来たんだ。とにかく、借りは返したぞ。」


楓が俺を地面に降ろした。


「ありがとな!」


俺は楓のほうを見る。楓は再び上の方に飛んでいった。あいつのIAN、ウイングは便利だ。背中に翼が生えている。


「礼を言われる筋合いはない。」


零が笑う。


「ははっ。次から次へと仲間が来るもんだね。そんなものは必要ないんだよ!」


零が大声をだす。俺は初めて零が感情を剥き出しているのをみた。


「まずいな。やつの心が底をつきそうだ。」


楓が頭上で言う。


「どういうことだ?」


「つまり、やつの能力は代償として心を使うけれど。もう、使える心がなくなってきたということだ。」


「それの何がいけないんだ」


「おそらく、やつは主に良心を使っている。だから、このままだと憎悪などの感情がむき出しになる。」


「凶悪になるってことか。」


「そういうこと。」


零が楓のほうに手を向けて光の弾丸を発射する。しかし、楓は上昇し全て避けた。


「上空からのナイフの雨、避けられるか。」


楓がポケットからナイフを取りだし、零に投げつける。が、やはりワープで避けられてしまう。


「やっぱりダメか。」


今度は楓は急降下し、その勢いで零に斬りかかった。


「ウザイんだよ!」


零が光の弾丸を発射するが、楓はそれを紙一重で避けて零に急接近する。


「これで終わりだ!」


楓がナイフを振り降ろした。その瞬間、楓の体がぶっ飛んだ。


「僕は巨大な旋風だって起こせる。」


そのまま楓に向かって零が楓に落ちていたナイフを投げつけた。ナイフは楓の服と地面に突き刺さり、楓は動けなくなった。


「仲間とか、下らないんだよ。そこで寝ててよ。」


零はもう一本ナイフを拾った。


「君がリーダーだね。せっかくだから、直接殺してあげる。」


零がゆっくりと近づいてくる。なのに俺は動けない。何か巨大な力で押さえつけられている感じだ。


「動こうとしても無駄だよ。僕の能力で押さえつけてるから。まあ、少しは動けるけど。」


零がナイフを見つめる。


「君はどうして人が武器を持つか分かるかい?」


「知らないな。」


「仲間を作らなくても生きていけるからだよ。


分かるかい、今、この世の中に武器がたくさんあるのは、人間が仲間を作りたくないと思っているからなんだよ。


仲間なんて必要ないのさ。そう、仲間なんてな!」


零が巨大な負のオーラをだす。零はよほど仲間を作るのが嫌いらしい。


零は俺の目の前まで来た。そして、俺のポケットから財布と小切手を取り出した。


「これは預かっておくよ。」


これで俺は能力を使えなくなった。


「じゃあ、死ぬかい。」


零がナイフで斬りつけてきた。俺はなんとか体をのけぞらして、避けた。しかし、服が切られてしまい、ポケットからお守りが落ちた。


「なんだ、これは。」


零がお守りを拾った。


「くだらない。」


零がお守りを切り裂こうとする。


「やめろ!それは咲の…」


零が手を止めた。


「また仲間の話か。くだらない。」


零が憎しみの感情を露にする。やはり、楓の言うとおり零には良心がなくなっているんだろうか。だから自分の感情を抑制出来ないんだ。


「こんなもの。」


零がお守りを切り裂いた。その瞬間、お守りが輝きだした。


「なんだ、この光は!」


零も驚きが隠せないようだ。


「これは、俺が能力を使う時に出る光!?」


そう、その光は俺が能力を使い、小切手から出る光とまったくいっしょだ。


そして、光は徐々に収まっていき、かわりに人が現れた。数は6人。そいつらは…


「咲、豪気、持田、ノウ、蘭、暦!!」


そう、そいつらはよく知っている顔、今、一番会いたかった奴ら、俺の大切な仲間が居たんだ。


「どうして、お前らがここに!?」


最初に咲が口を開いた。


「分からないわ。目の前が暗くなって気づいたらここにいたの。」


他のみんなも同じようだった。零もあまりのことに、体を硬くしてつっ立っている。


「何でお守りを切ったら、お前たちがでてきたんだ。あの中には紙二枚しか入っていないはず。」


俺は自問自答した。しかし、そのおかげで気がついた。確かにお守りの中には紙しか入っていなかった。でも…


「みんな、分かったよ。俺は前に咲といっしょにお守りを作ったんだ。そして、その中に紙を入れた。


その時、俺は紙に仲間と書いた。そして、今まで気がつかなかったが、その紙は小切手だったんだ。


だから、さっき零がお守りを切り裂いた時に小切手も切れて、俺の能力が発動したんだ。」


あの時、咲は、お守りは必ず持ち主を守ってくれると言っていた。あいつの言うとおり、俺を守ってくれた。


「そんなはずはない。確かに僕はお前から財布をとったはず。所持金はないだろ!」


零が財布を見せつける。


「それはお前が、仲間というものを強く憎んでいたからだよ。俺の能力は周りの奴らの心に影響される。」


「つまり、僕が仲間をあまりに憎むせいで、仲間の値段が0円になったと。」


「そういうことだ。しかし、なぜ、そこまで仲間を恨む。何があったんだ。」


俺は少しだけ零の過去が知りたくなった。


「お前たちが知る必要はない。どんなに仲間を集めようが僕には勝てない。さっきのようにね。」


零がとてつもない負のオーラを出す。俺は気圧されそうになる。


「俺は、いや、俺たちは絶対に負けない!」


絶対の自信があった。俺には仲間たちがいる。ただそれだけで良い。


「やれるものならやってみなよ。」


零が手を空にかざす。


「ヤバイ、みんな逃げろ!」

俺は叫ぶ。しかし、ノウは動かなかった。


「逃げては勝てない!豪気、金田、蘭と共にこの場所に行け!」


ノウが手帳をこちらに投げてきた。


「暦!3人に能力を使うんだ!時間は出来る限りだ!」


ノウの気迫は有無を言わさない。


「しかし、零はどうするんだ。」


「それは、なんとかするから、速く行け!」


俺はノウを信じることにした。手帳を見るとこう書いてあった。


『零に弱点はない。能力を使われたら終わりだ。だから、下記の所に行け。そして、そのまま落ちろ。


ただし、それだけでは速度が足りない豪気に手伝ってもらえ。そうすれば、時間が止まる。原理はあとで聞け。俺を信じるんだ。』


確かに文面どおりに、下の方に何かの座標が書いてあった。


とにかく、いまいち分からないが俺は蘭のもとに行った。


「蘭、これを見てくれ。この場所に行けるか?」


「ちょっと待ってくださいね。」


蘭が手帳を見る。少し、いぶかしげな顔をする。


「行けると思いますが、私には、どこなんだか分からないんですが。」


「とにかく行ってみよう。そうすれば、分かるさ。」


そして、豪気も蘭のもとに来た。


俺は暦のほうを向いた。


「ただ、その前に。暦!俺たちに能力を使ってくれ。」


暦は困惑していたが、うなずいてくれた。



「ノウさんを信じます。私の持っているお守りを全部使って金田さんたちを守ります。」


俺は再び蘭のほうを向いた。


「さあ、いこうぜ。」


蘭がうなずく。


「分かりました。行きますよ。」


俺と豪気は蘭の手を握った。その瞬間、俺たちは消えた。


零は何もせずに金田たちのことを見ていた。そして、ため息をついた。


「君たちはバカなの。いくらワープして僕の前から消えても、すぐに僕は追いつくんだよ。」


ノウが笑う。


「さあ~て、それはどうかな。お前はアインシュタインの相対性理論を知っているか?」


「そんなの知らないよ。」


「だったら私たちの勝ちだ。」


「意味が分からない。ハッタリならやめておきなよ。」


「ハッタリじゃないさ。事実だよ。」


「まあ、いいさ。とりあえず、君たちから殺してあげる。」


零が手のひらから光の鞭をだした。ノウたちは臨戦体制をとる。戦闘開始だ。





俺はワープしながら、様々なことを考えていた。この戦いが終われば、きっと、全てに決着がつくはず。


しかし、いったい、どこにワープしたのだろうか。分からない。


「着いたわ。」


蘭の声がして目を開けるとそこには…


「地球!?あれは本当に地球なのか?だとしたら、ここは宇宙!?」


俺の目の前には漆黒の宇宙、そして、遥かかなたには青く輝く星、そう地球があった。

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