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第6話 魔界の色々


魔界に来てから数日が経った。

少しだけ魔界の事が分かった。

といってもまだお城から出た事はないんだけどね。

魔王様が一人で行動しちゃいけないと言って、いつも傍に魔王様がいる状態だ。

まあ私も外に出る気はないけど。

だって外に何がいるか分からないもん!

アンデッド兵士なんてお目にかかりたくない・・。

それでも窓から外は見える。

そこで分かった事は、魔界にも昼と夜がある事だ。

お城の窓から見える空は昼間は赤く、太陽はもっと赤い。

夜は青い月が昇り、空は紫色だ。

一度雨が降ったのを見た。

酸の、雨を・・。

見た目は普通の雨だけど、遠い所で色々悲鳴が聞こえた。

否、痛みに打ちひしがれるような、絶叫と言った方が良いだろう・・。

魔界の住人は酸の雨でも平気と言っていたから、この悲鳴はもしかして人間の・・そこで考えるのを止めた。

頭の中でグロい想像が浮かびそうだったから・・。


次いでお城の中。

お城の中は今だに何があるのかさっぱり分からない。

魔王様がいるから大丈夫だけど、一人でお城の中を歩いたら絶対迷子になるね。

断言するわ。

あとメイドさんが多かった。

シルヴィアさんみたいな骸骨のメイドさんがいっぱい。

魔王様によるとシルヴィアさんはメイド長というメイドさんの中で一番偉い骸骨さんみたい。

そして骸骨メイドさん、皆に髪が生えている。

ピンクの三つ編みやら紫色のポニーテールやら、白い骨だから髪の色がもの凄い目立つ。

でも声は可愛い。

皆、凄く可愛い声だ。

・・・これがいわゆるギャップ萌えってやつかなぁ・・(遠い目)

あと食事も掃除もみーんな、骸骨メイドさんがやってると魔王様は言っていた。

一度台所を見せてもらった。

台所もすごく広かった。

ただマーブル模様の調味料(多分)とかよく分からない植物とか顔のある野菜とか色々あったけどね!

魔界の食材、ほんと人間のとは全然違う・・。

世間話するジャガイモやニンジンなどの野菜が、包丁持った骸骨メイドさんが近づいた時、悲鳴を上げたからビビった。

だって楳○かず○先生の絵みたいな顔で叫ぶんだぜ・・・野菜が。

その日の夕食は、野菜たっぷりの紫色シチューでした。

・・・・・・・・美味しかったです。


あと魔界には色んな悪魔がいるらしい。

魔女が住む魔女の森とか(ベタな名前だと思った)、吸血鬼とか。

魔界にも海がありその海は赤いのだけど、そこには人魚なんかもいるらしい。

人魚とか吸血鬼とかはちょっと会ってみたいかも。

私の世界でも特に吸血鬼は色んな漫画やアニメに出てくるもんね。

いつか会えるかな?


今の所、私が知っているのはこんなもんだ。

あとは、魔王様の事かな?

魔界を統べる王、魔王様。

見た目は超々イケメン、白目の部分が黒いけどそんなの大した事はないくらいのイケメンな魔王様。

300センチはある大柄で、迫力もある。

誰もが恐れ、そして尊敬される魔王様だと、シルヴィアさんは言っていた。

でも私にとっては。


「この瞬間が何よりも至福の時だ・・。ああ、何と気持ちいい感触・・この肉付き具合、芸術としか言いようがない」


お腹に顔をうずめ、もふもふしながら二の腕をつまんだり太ももを撫でる魔王様。

私にとって、魔王様は超々残念なセクハラ魔王様だ。

時折匂いを嗅ぐ音も聞こえるから怖い。

あと夜は裸で寝る魔王様。

後生ですからせめて下は何か着てくださいと、私は土下座したよ。

ええもう、私の心臓に悪いので全力の土下座を。

魔王様はそれを見てめちゃ焦ってたわ。


「わっ分かった!お前の願い通りにする!だから顔を上げろっそんな冷たい床の上で体調をくずしたらどうするんだっ!?」


私の心配をする魔王様。

それは嬉しかった。

心配されるなんて、おじいちゃんおばあちゃん以外にされなかったから。

今は魔王様はズボンを履いた状態で私と一緒に寝ている。

添い寝もできれば別々に・・とお願いしたけどそれは却下された。

お陰で私は毎朝、イケメンのどアップで目を覚ましている。

これも心臓に悪いけど、全裸よりはマシだし・・と無理矢理自分を納得させた。

下手に何か言って、魔王様を怒らせたくないし。

自分の身の安全第一!


まあ何だかんだで、今の所は無事に暮らしている。

魔王様は今現在もずっと私のお腹に顔をうずめてたり。


「そうだ、タマ。明日は三月に一度の魔界会合があるのだ。七つの大罪も集まるから、お前のお披露目をしようと思う」


七つの大罪。

魔王様配下の7人の悪魔達。

魔王様の城があるこの大陸を囲む形にある、七つの大陸を管理している悪魔達。

人間界で、大いに暴れたという、悪魔達。

・・・・・できれば会いたくなかったなあああああ。

こ、断ろうかな?


「あいつらもきっとお前を気に入るだろう」


魔王様、満面の笑み。

・・・駄目だ、断っても聞き入れてもらえそうにない!!

あああ、どうかあんまり怖くありませんようにいいいっ!





そして次の日。

ここは会議室だろうか?

豪華な椅子の上に魔王様が座り、その膝に私は座らされる。

机と七つの椅子がある。

これが悪魔さん達の席だろうな。

ううう・・・色んな意味で緊張する・・。

一体、どんな悪魔さん達なんだろう・・?


と、突然部屋の中で爆音が響き部屋は白い煙に覆われた。


「な、何何何!??」

「ちょうど時間通りだな」


時間通り?!

な、何が起きてるの一体!?

あ、煙の中に人影が見える・・・。


「最も美しく最も賢い、七つの大罪が一人ルシファー」

「いつだって俺は本気一直線、七つの大罪が一人サタン」

「この身はいつでも魔王様の為に・・、七つの大罪が一人レヴィアタン」

「めんどくさいのはお断り・・・七つの大罪が一人ベルフェゴールぅ」

「何事も冷静沈着に、七つの大罪が一人マモン」

「ボクは全てを食らうもの、七つの大罪が一人ベルゼブブ」

「あはぁん本物の快楽を見せてあげる、七つの大罪が一人アスモデウスよぉ」


『我ら、魔王様の忠実なるシモベ、七つの大罪ここに見参!!!!!!!』


どどーんと彼らの背後で爆発が起きる。

目の前に現れたのは、無駄にポーズを決めたイケメンや美女、美少年美少女達。


「戦隊ものか!あと長い!!!」


私の想像を遥かに超えた七つの大罪さん達。

信じられるか?これが私と七つの大罪との初対面なんだぜ・・・・。


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