第31話 タマ誘拐事件!?
「ようこそ魔王様タマ様!肉パーティー、とことん楽しんで貪ってください!」
お肉料理の屋台がずらり!!
見た事のない料理もあるし、禍々しい色の肉もある。
青紫のお肉って凄い色・・。
でも何とも食欲をそそる匂いがそこら中に漂ってる・・・。
ベルゼブブさんはブランシュとビアンカの為に特大な肉料理を出してくれた。
料理というか、何かの生き物の丸焼きだけど喜んで噛り付いてるから、もう気にしない。
「どうもありがとう」
「お喜びになられて僕も嬉しいよ!」
何か低学年の男の子を相手にしてるような気分。
ベルゼブブさん、両手にお肉やらキャンディやらチョコやらいっぱい持ってるから余計に。
「あはぁ~ん!タマ様~お久しぶりですわぁん!」
「うわあ!?」
え?いきなり抱き付いてきたこの人何!?
えっと確か・・。
「アスモデウス・・お前も来ていたのか」
べりっと私から引きはがす魔王様。
そうだ、アスモデウスさんだ。
相変わらずえっちな格好・・。
そして、股間がどうしても気になる・・・。
「せっかくの肉パーティーですものぉん!わらわ、近々酒池肉林というイベントを考えてるからちょっと参考にと思ってぇん、来ましたのぉん」
「しゅちにくりん?」
何だそれ?
「うふふふ、酒池肉林というのはねぇん?」
「そこまでにしとけアスモデウス」
「あはぁん」
アスモデウスさんの頭を鷲掴む魔王様。
何なんだろうしゅちにくりんって?
後で魔王様に詳しく聞こう。
それにしても色んな悪魔達が来てるなぁ。
「サトミ、この肉美味いぞ」
「あ、ありがとうございます先輩!」
「口についてるぞ」
「あ、すみません・・・!」
サトミさんとアイアンさん、良い雰囲気だから邪魔しないようにしとこう。
あ、海も近くにある。
・・・・・おお、人魚さん達も来てる!
「魔王様、人魚さん達もいます!」
「本当だな・・。あの者達もパーティーに参加するようだ」
人魚もお肉、食べるんだ。
ナイスバディな女人魚さんも、筋肉むききな男人魚さんも骨付き肉を美味しそうに食べてる。
何か、斬新。
人魚と言えば、あの可愛いお姫様は元気かな?
私、よく分かんないけど人魚の王子様に嫌われてるっぽかったんだよね・・。
ほんとどうしてだろ?
お姫様達は来ているのかな?
「あ、タマ様ー」
ちっちゃい人魚の女の子が私に手を振ってくれた。
微笑ましくて私も手を振りかえす。
「タマ様ー!綺麗な貝殻、見つけましたー。見てください~!」
女の子は大きなピンクの貝を持っている。
私は魔王様を見た。
魔王様はアスモデウスさんとベルゼブブさんとお話し中。
・・・・行っても、大丈夫だよね。
私は人魚の女の子の傍に行った。
「タマ様、見てください」
「うわあ、綺麗だね」
人魚の女の子の持つ貝は綺麗だった。
もっとよく見ようとちょっと身を屈める。
「・・・・・・・捕まえた」
「・・・・・・え?」
「タマ!!!!」
人魚の女の子の姿が、変わった。
吊り上がった笑みが目に映る。
私の腕を掴むのは、人魚の女の子に姿を変えていた人魚の王子様。
魔王様が私の名を呼ぶ。
私は、人魚の王子様に海の中に引きずり込まれた。
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