第28話 魔王様の提案
「処女の血?」
「ええ・・・。どうしてもそれが必要なんですのぉん・・。でも現在10代の人間の奴隷で処女はほとんどいなくて・・・・」
それもそうだろう。
女の奴隷はAやB判定ならまだしも殆どが性奴隷となることが多い。
10代となると人数も少ない。
そう考えると、タマのドラゴン世話係に選ばれたサトミは本当に幸運である。
しかし魔王は何故そんなに悩むのかと分からなかった。
「そんなに重大な悩みか?」
「え、だって・・・」
「10代の処女の血が欲しいのなら、その者達の処女膜を回復魔法や薬で処女膜を再生させれば済むだろう?」
アスモデウスはぽっかりと口を開ける。
まるで目からうろこが出たような顔をした。
「・・・・そ、その方法は思いつきませんでしたわぁん!!さすが魔王様ぁん!!素晴らしい方法ですわぁん!!」
アスモデウス、頬を紅潮させてうっとりと魔王にハートマークを飛ばす。
「そうだ、10代の娘なら丁度いいのが4人いる。この娼館にそのうちの一人がいるはずだ」
「・・・・ああ、あの子ですねぇん」
アスモデウスは思い出したように手をぽんと叩く。
「もう一人はサタンのドラゴン牧場、もう一人はベルゼブブのケルベロスの所、最後の一人は我が城の地下牢にいる。サタンとベルゼブブには私が連絡を入れてやろう」
「きゃあん魔王様!素敵ぃん!わらわも魔獣専用娼館に連絡を入れないとぉんっ最近繁盛してるんですのよぉん。その子の具合が魔獣に非常に良いみたいでぇん」
「ほお。商売繁盛なら何よりだ」
「うふふ。ですわねぇん」
魔王様は思ったよりも早く帰ってきた。
原因は何だったのか詳しく教えてもらえなかったけど、解決したみたい。
「薬もじきに向こうから届けてくれるとアスモデウスは言っていた。もう心配はいらんぞ」
「そうですか・・良かったです!」
これで皆の風邪も治るんだ。
良かった良かった!
「アスモデウスからお前に贈り物だとよこしたものがあるぞ」
魔王様は小さな箱と手紙をくれた。
甘い香水の匂いがする手紙だ。
『この媚薬の香水で魔王様はメロメロよぉん♡ アスモデウスより』
キスマーク付きでただこれだけの内容だった。
媚薬の、香水・・。
箱を開けると、ハート型のピンクの香水瓶が入っていた。
「・・・・・アスモデウスめ・・・・」
魔王様、魔法で器用に中身だけを消滅させた。
「香水なら私が別のを送ってやろう」
いや、私香水なんて似合わないんで・・・。
でもこの香水瓶は可愛いから飾りに置いておこう。
それから三日後、薬が各地に届きシルヴィアさん達も皆治った。
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